レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年1月18日
- 登録日時
- 2018/01/16 11:52
- 更新日時
- 2018/01/24 10:07
- 管理番号
- 蒲郡-2018-01181-般
- 質問
-
未解決
年賀状に「魚龍百戯」と書かれていた。①どういう意味か、また、②なぜ年賀状に書いてきたのか知りたい。
- 回答
-
①古代中国で行われた雑伎のひとつ。獣が龍に変じて飛び走るもの。転じて「贅沢にふける」という意味もある。
②(推測・資料見つからず)現代中国で春節の催しとして「龍踊」が行われている。おそらく、古代中国の雑技と現代の龍踊をふまえて、おめでたい催し物を表す語として書かれたのではないだろうか。
- 回答プロセス
-
1、『広辞苑』『日本国語大辞典』『大漢和辞典』『中日辞典』四字熟語や故事成語に関する本を見る。「魚龍百戯」で載っているものは見つからなかった。『大漢和辞典』の「魚龍」の項目あり。「百戯」の項目あり。
2、『大漢和辞典』の「魚龍」の出典に『後漢書』とあり、『全譯後漢書 第2册』の注釈を確認。「魚龍曼延百戲」の注として「曼延という獣が魚龍に変化する雑伎である」とある。
3、インターネット検索により『太平御覧』『資治通鑑』に「魚龍百戯」の語があるとあり、国立国会図書館デジタルコレクション『太平御覧 目録15巻〔28〕』(第五百七十三樂部十一歌四・コマ番号98)を確認。国立国会図書館デジタルコレクション『資治通鑑 第172巻 陳紀6,第173巻 陳紀7,第174巻 陳紀8,第175巻 陳紀9』(コマ番号27)を確認。前後の文や注釈などから、様々な獣などが出演する芸能の一種だと分かる。
4、『図説中国文明史 4』に、「空前の活況を呈した百戯」の項目あり。ただ「魚龍百戯」の言葉は見つからず、龍に関する記述もなかった。
5、『日本と世界の祭り』に、現在、中国の「春節」の催し物として、「龍踊」が行われている記述があった。
6、古代中国の雑伎と、現代の「龍踊」を関連づける資料は見つからなかったが、上記の資料と調査経緯を伝える。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 中国 (222 9版)
- 辞典 (813 9版)
- 参考資料
-
-
諸橋轍次[著]. 大漢和辞典 巻8. 大修館書店, 1960-05.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000074-I000030173-00 -
諸橋轍次[著]. 大漢和辞典 巻12. 大修館書店, 1960-05.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000074-I000030176-00 -
劉, 煒 , 伊藤, 晋太郎 , 稲畑, 耕一郎 , 劉, 煒 , 伊藤, 晋太郎 , 稲畑, 耕一郎. 秦漢 : 雄偉なる文明. 創元社, 2005. (図説中国文明史)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I045917839-00 , ISBN 4422202553 -
日本と世界の祭り = Festivals from Japan and Around the World. 小学館, 2016. (キッズペディアアドバンスなぞ解きビジュアル百科)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I027648576-00 , ISBN 9784092211193
-
諸橋轍次[著]. 大漢和辞典 巻8. 大修館書店, 1960-05.
- キーワード
-
- 魚龍
- 百戯
- 年賀状
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000228466