レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2010/09/22 11:36
- 更新日時
- 2017/03/07 15:17
- 管理番号
- 門司児童4
- 質問
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江戸時代、ゴミはどのように処理していたのですか?また当時のリサイクルについての資料があれば紹介してください。
- 回答
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『図説世界があっと驚く江戸の元祖エコ生活』によると、江戸開府当時は、空き地がたくさんあったのでゴミはその辺りに埋めるなどしていました。しかし人口が増え、空地がなくなると水路に雑多な不要物を投げ捨てるようになり、川船の運行の妨げになる、漁獲量がおちるなど様々な不都合な事態が生じました。そのため幕府は町内ごとにゴミの集積所を設け、溜まったゴミは収集日に特定の船着場に移し、指定業者が船で運搬して永代浦の浅瀬に廃棄するようになったそうです。
永代浦とは隅田川河口(現在の東京都江東区)にあり、『地球と未来とゴミ学習2 リサイクルを調べる』では、この集積所を「ゴミ溜め」といい、幕府の許可をうけた処理業者の組合の船が、ゴミを捨てに行っており、江戸でもゴミが東京湾の埋め立てに使われていたようです。その後、ゴミの埋め立て場所は、いまの江東区を中心に9か所指定され、その土地は幕府の御用地や新田に生まれ変わりました。
また『大江戸リサイクル事情』には、「もともと物資が慢性の不足状態で貴重な時代なのだから、都市生活が成熟するにつれて、ごみや不用品の回収と再利用、再生の方法が見事に洗練されたリサイクル・システムとして完成していった」との記述もあり、物を大切にするよう知恵を絞って生活していたようです。
江戸時代のリサイクル業者については、『大江戸リサイクル事情』に、①ものを直す「職商人」、②修理・再生の専門業者、③回収専門の業者の大きく三種類に分けられると記され、同書や下記の参考資料には、「提灯の張り替え」、「箍屋」、「紙屑買い」などの説明と一緒にイラストも掲載されています。
- 回答プロセス
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「江戸時代」と「リサイクル」をキーワードに棚をあたりました。
- 事前調査事項
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小学生からのお尋ねです。
- NDC
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- 日本史 (210)
- 衛生工学.都市工学 (518)
- 参考資料
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- 『大江戸リサイクル事情』 石川英輔 講談社 1994年 <210.5/イ> (242~273頁)
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『図説世界があっと驚く江戸の元祖エコ生活』 菅野俊輔監修 青春出版社 2008年 <519.8/ズ> (46~60頁)
『図説世界を驚かせた頭のいい江戸のエコ生活』菅野俊輔著 青春出版社 2010年 【G213.6/カ】 - 『地球の未来とゴミ学習2 リサイクルを調べる』 服部美佐子 さ・え・ら書房 2005年 <518/ハ/2> (38~43頁)
- 『江戸のくらしから学ぶ 『もったいない』 第1巻』 秋山浩子 汐文社 2008年 <210/ア/1> (4~30頁)
- 『ゴミのはなし』 藤田千枝 さ・え・ら書房 1985年 <518/フ> (5~9頁)
- 『エコでござる―江戸に学ぶ 2の巻』 石川英輔監修 鈴木出版 2009年 <210/エ> (4~26頁)
- 『これはたいへん!ゴミの話 7』 平見修二 文研出版 1995年 <518/ヒ/7>
- キーワード
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- 江戸時代
- ゴミ
- リサイクル
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 小中学生
- 登録番号
- 1000071634