レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2007/11/27
- 登録日時
- 2007/12/28 02:10
- 更新日時
- 2012/03/21 14:06
- 管理番号
- C2007T1205
- 質問
-
解決
住宅用分電盤の市場動向を調べたい。
- 回答
-
(【】内は当館請求記号)
1.住宅用分電盤とは
まず住宅用に限定しない分電盤についてですが、分電盤とは分岐過電流遮断器を基板に集合して取り付けたものを指します(当館契約のデータベースJapanKnowledge収録の「日本大百科全書」より)。分岐過電流遮断器とは幹線と分岐回路との分岐点から負荷側に取り付けられる過電流の遮断能力を持つ開閉器であり、端的に言えば分電盤は電気を安全に使うための機器です。分電盤については日本配電制御システム工業会が規格を設けていますが 、特に住宅用分電盤については日本配線器具工業会が自主規格を定めています。この規格には高性能規格と高機能規格という2種類があり、いずれかの規格に適合していれば、メーカーは日本配線器具工業会が発行する規格適合認定シールを貼ることができます。なお、住宅用分電盤の詳細については日本配線器具工業会住宅盤専門委員会HP (http://www.jewa-hp.jp/homepanel.html )で簡潔にまとめられています。
2.市場規模推移
経済産業省が毎年発表している『機械統計年報』(経済産業調査会 年刊 【Z41-787】)の平成18年版によれば、2006年の住宅用分電盤の市場規模は332億4400万円です。住宅用分電盤の市場規模は2002年以降一貫して増加しており、2005年には300億円の大台を突破しましたが、2007年は建築基準法改正により住宅着工数が減少しているため、今後も市場規模が拡大し続けるとは限りません。なお、住宅用分電盤の最新の生産額は経済産業省の『機械統計月報』(経済産業調査会 月刊 【Z3-647】)に掲載されています。
3.主要企業および業績推移
住宅用分電盤の業界団体である日本配線器具工業会住宅盤専門委員会によれば、住宅用分電盤を生産する主要メーカーには河村電器産業株式会社、三葉能率電機株式会社、テンパール工業株式会社、東京キデン株式会社、東芝ライテック株式会社、内外電機株式会社、日東工業株式会社、松下電工株式会社(瀬戸工場)、未来工業株式会社、有限会社山田電線製造所があります 。これらの企業の業績を当館契約のデータベース日経テレコン21で提供される「日経企業プロフィル」で調べると、下表「主要企業の業績推移」のようになります。
●主要企業の業績推移(単位:百万円)
(社名:2003年分/2004年分/2005年分/2006年分)
松下電工:864,452/855,293/300,861/975,274
東芝ライテック:125,369/125,538/116,239/114,401
日東工業:43,446/44,945/49,457/54,662
河村電器産業:28,262/31,204/35,036/39,569
未来工業:23,793/23,143/23,688/24,771
テンパール工業:12,283/11,844/12,485/13,842
三葉能率電機:1,288/1,170/1,128/1,161
4.製品・価格情報
分電盤の価格については、『積算資料』(経済調査会 月刊 【Z16-122】)、『建設物価』(建設物価調査会 月刊 【Z16-53】)に標準分電盤 の記載があり、主要メーカーの製品とその価格を調べることができます。両資料とも日東工業・松下電工の2社の製品を取り上げており、その価格帯は『積算資料』1139(2007.7)で3万円弱~10万円強、『建設物価』1037(2007.7)で約3万円~15万円弱に及んでいます。
また、日本配線器具工業会住宅盤専門委員会の会員企業については、同委員会HPの「会員企業」のページ(http://www.jewa-hp.jp/member.html )で社名をクリックすると、区分・材料・容量・分岐回路数等を示した各社の取扱品種体型が表示されます。なお、主要企業の分電盤の製品情報は各社のHPで調べることができます。
●主要企業の製品情報ページ一覧
・松下電工(http://biz.national.jp/Ebox/compact21/index.html )
・東芝ライテック(http://saturn.tlt.co.jp/product/search.jsp )
・日東工業(http://www.nito.co.jp/syohin/syo10.html )
・河村電器産業(http://www.kawamura.co.jp/electric/homepanel.htm )
・テンパール工業(http://www.tempearl.co.jp/prod/hp00.htm )
・内外電機(http://www.naigai-e.co.jp/Seihin/Home/Home-Pra.htm )
5.住宅用分電盤市場を取り巻く環境
住宅用分電盤の市場の背景となる住宅の建築着工数については、国土交通省が実施する「住宅着工統計」(http://www.mlit.go.jp/toukeijouhou/chojou/kencha.htm )で調べることが出来ます。平成19年は8・9月の着工数が大きく減少しています。
一方、オール電化対応型の分電盤の需要を喚起するオール電化住宅の数については『毎日新聞』東京版(毎日新聞東京本社 日刊 【Z81-6】)2007年11月25日朝刊7ページに記載されています。これによれば、平成19年9月末の時点でオール電化住宅の戸数は250万世帯弱あり、国内全世帯の約5%に相当するとのことです。オール電化住宅の数は1年前に比べ約3割増えています。
6.関連団体サイト
・経済産業省(http://www.meti.go.jp/ )
・国土交通省(http://www.mlit.go.jp/ )
・日本配線器具工業会住宅盤専門委員会(http://www.jewa-hp.jp/homepanel.html )
・分電盤標準化協議会(http://www.sp.jewa-hp.jp/ )
・日本配電制御システム工業会(http://www.jsia.or.jp/ )
上記資料は最近のデータを調べるためのものです。年代を遡って調べる際は、資料のタイトルや当館請求記号が異なる場合があります。当館蔵書検索・申込システムNDL-OPAC(http://opac.ndl.go.jp/index.html )によって、請求記号をご確認ください。
(インターネット最終アクセス:2007年11月27日)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 送電.変電.配電 (544 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 配電盤
- 制御盤
- 分岐過電流遮断器
- 機械
- 統計
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000040591