レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011/04/27
- 登録日時
- 2011/08/03 02:00
- 更新日時
- 2011/08/03 02:00
- 管理番号
- 千県中参考-2011-0006
- 質問
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解決
以前、本から複製した鯰絵(なまずえ)よりも鮮明な解像度の絵を探している。
できれば絵の中に書いてある文字(読み下し)を読みたい。
- 回答
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1.画像の所在については、インターネット上で閲覧可能な、東京大学総合図書館所蔵の「地震火災版画張交帖」(石本コレクション)にある安政2年の「八百万神御守護末代地震降伏之図(はっひゃくばんじんごしゅごまつだいぢしんがうぶくのづ)」を紹介した。
2.なお、読み下しについては、
(1)同じくインターネット上で閲覧可能な『1855安政江戸地震報告書』の「第3章 地震と人びとの想像力」のp174に掲載のもの、
(2)『鯰絵 震災と日本文化』p291に掲載の読み下し、解説
をそれぞれ紹介した。
(インターネットの最終アクセス:2011年4月27日)
- 回答プロセス
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1.『江戸学事典』を確認したところ、口絵に御利用者の方が複製したものと同じ鯰絵の掲載を確認。
表題が「安政二年十月二日の地震のなまず絵」となっており、東京都立中央図書館蔵との記載があった。
2.東京都立図書館のOPACを検索するも該当のものが見つからないことから、ホームページのデジタルライブラリーにある貴重資料画像データベースを「鯰絵」で検索したところ、61件の中に探している画像が見つかった。拡大表示してみるも部分的に解読困難な箇所あり。画中文字の記載もあるが、全文の掲載はない。
出版が安政2年、「八百萬神御守護末代地震降伏之図」2枚続きの右欠、目録題:[鯰の詑証文]との情報を得る。
3.千葉県立図書館OPACで「鯰絵」をキーワードに検索したところ、9件が該当。うち当館所蔵の『鯰絵 民俗的想像力の世界』の口絵に同じ絵を確認するも、前掲のものより不鮮明。
題が「鯰の詫状文」となっており、凡例や訳者あとがきから、原画はライデン国立民族学博物館所蔵との記述を確認。
4.オランダのライデン国立民族学博物館ホームページを「namazue」をキーワードに検索したところ、探している画像があった。拡大表示してみるも前掲のものより不鮮明。
5.Googleで、「鯰絵」「八百万神」をキーワードに検索したところ、『1855安政江戸地震報告書』掲載の「八百万神御守護末代地震降伏之図」が見つかる。
鯰絵の所蔵先となっている東京大学総合図書館にて画像を確認したところ、調査した中で最も鮮明な画像であることを確認。
6.千葉県立図書館OPACの検索結果に戻り、上記3の解説を書いた宮田登監修の県立西部図書館所蔵の『鯰絵 震災と日本文化』を後日、取り寄せて中身を確認したところ、探している鯰絵の図版、読み下し、解説の掲載を確認。
なお、6の『鯰絵 震災と日本文化』は、第5部が鯰絵総目録となっている。
- 事前調査事項
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『江戸学事典』から複製したらしい。
- NDC
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- 民間信仰.迷信[俗信] (387 9版)
- 地震学 (453 9版)
- 日本画 (721 9版)
- 参考資料
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- 『鯰絵 震災と日本文化』(富田登・高田衛監修 里文出版 1995) (1101408672)
- 『鯰絵 民俗的想像力の世界』(コルネリウス・アウエハント著 せりか書房 1986) (9101615298)
- 『江戸学事典』(西山松之助[ほか]編 弘文堂 1984) (9102898948)
- 『1855安政江戸地震報告書』(中央防災会議災害教訓の継承に関する専門調査会 平成16年3月)(http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/kyoukun/rep/1855-ansei-edoJISHIN/)
- 『地震火災版画張交帖・石本コレクション』(http://gazo.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/ishimoto/)
- 東京都立図書館のデジタルライブラリー 貴重資料画像データベース(http://metro.tokyo.opac.jp/tml/tpic/)
- オランダのライデン国立民族学博物館ホームページ(http://www.rmv.nl/)
- キーワード
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- 鯰絵
- なまず絵
- 詑証文
- 詫状文
- 八百万神
- 浮世絵
- 江戸
- 地震
- 安政2年
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000089533