以下の資料を調査した。
・『万年寺』田口勝一 文・写真 さきたま出版会 1996年
p.14 寛永6(1629)年の見沼溜井の完成後に“水いかり”と称される水害が発生した旨の記述があり、
「『長昌山萬年禅寺略詩吟』の一節に、示傳元禄始 見沼洪波淊 時衝居住岸 或覆往来艚 吾山罹厥災 封地作中涛 始竜灯松隴 到普門閣畢(略)(通釈=伝によると元禄の始め、見沼の湖面が荒れ、大波が沿岸の住居を襲い、従来船を転覆させ、吾が寺にも水災にかかった。寺領は悉く水面と化し、竜神は毎夜松樹に神灯を掲げ、萬年寺水門まで水面がせまった。(略))」と記述がある。
p.15に「長昌山萬年禅寺略詩吟」の写真が掲載されている。
・『埼玉叢書 第三巻』稲村坦元・柴田常恵 著 三明社 1929年
上記「長昌山萬年禅寺略詩吟」が収録されている。
p.9「一、長昌山萬年禅寺略詩吟 一巻 寫本 北足立郡片柳村萬年寺蔵本、文化六年夏、當寺二十世良邦が由緒を五言七十二句の長篇に作りて述べ、更に和解を施したるものなり」と記載あり。
p.492~500「長昌山萬年禅寺略詩吟」 p.494~495に上記の一節も記載されている。
以下の資料には、見沼の竜にまつわる伝説が掲載されているが、その初見については書かれていなかった。
・『大宮市史 第5巻 民俗・文化財編』大宮市役所 1969年
・『浦和市史 民俗編』浦和市総務部市史編さん室 編 浦和市 1980年
・『浦和市史研究 第9号』浦和市総務部行政資料室 1994年
・『埼玉県伝説集成 中巻』韮塚一三郎 編著 北辰図書出版 1976年
・『埼玉県伝説集成 下巻』韮塚一三郎 編著 北辰図書出版 1974年
・『見沼・その歴史と文化』浦和市立郷土博物館 編 さきたま出版会 2000年