レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010年12月17日
- 登録日時
- 2010/12/15 18:50
- 更新日時
- 2016/08/20 12:04
- 管理番号
- 町田-053
- 質問
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未解決
和装本の丁付のところに「口ノ一」「口ノ二」とあるものがある。どういう意味なのか。
- 回答
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『日本古典籍書誌学辞典』p.534「前付け」の項に「・・・具体的には・・・繍像口絵などを指していう。丁付を本文と別扱いにして・・・数丁に及ぶ場合には『口ノ一、二』などと別立の数字を加える場合もある」とある。質問の例でも、本文の前の図や絵の丁にあるので、「口」は口絵の「口」で、口絵の1、口絵の2、・・・の意味かと思われる。
- 回答プロセス
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次の図書にあたったが、回答につながる記述はなかった。『和本入門 正・続』(平凡社)、『古典籍の装幀と造本』(印刷学会出版部)、『製本』(大日本印刷)、『古文書修補六十年』(汲古書院)、『奇想の江戸挿絵』(集英社)
国文学研究資料館の近代書誌・近代画像データベースで『万国通商往来』の画像と書型データを見たが、丁付は確認できなかった。
『万国通商往来』の画像をウェブで検索、「東京学芸大学リポジトリ」の電子化資料画像により、4丁の口絵に「口ノ一」から「口ノ四」までが付けられ、本文の丁付が「一」から始まっていることを確認する。
そこから口絵の意味かと推測し、「口絵」「丁付」「前付け」などの語で『日本古典籍書誌学辞典』、『日本国語大辞典』(小学館)その他を調べるうち、『日本古典籍書誌学辞典』の「前付け」の項の記述を見つける。
これにより口絵の意味という推測が、ある程度裏付けられるのではないかと回答する。但し、「口」の読みは不明(「クチ」か「ク」か?)だが、意味がだいたい解ったということで、質問者はこれでよいとのこと。
- 事前調査事項
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『万国通商往来』のコピーで見た。本文の前の図版のところにあったので、口絵の意味かと思う。
- NDC
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- 写本.刊本.造本 (022 8版)
- 参考資料
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- 『日本古典籍書誌学辞典』岩波書店1999年
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東京学芸大学リポジトリhttp://hdl.handle.net/2309/7457
(2010.12.17確認)
- キーワード
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- 丁付
- 和装本
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000075293