レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年08月09日
- 登録日時
- 2017/08/09 10:10
- 更新日時
- 2018/12/21 14:03
- 管理番号
- 19865
- 質問
-
「図書館向けデジタル化資料送信サービス」の資料の内容を、参加館の職員に電話で読み上げてもらうことはできるのか?
- 回答
-
(1)デジタル化資料送信サービスは、
参加館に来館した利用者に対して
端末を通じて提供することを想定しており、
来館しない利用者のために
図書館職員が端末で閲覧の上、電話でデジタル化資料の内容を読み上げることは、
著作権法第31条第3項では想定していないと考えられる。
(2)図書館向けデジタル化資料送信サービス(国立国会図書館)
http://www.ndl.go.jp/jp/service/digital/index.html
に次の記述あり。
-------
利用申込み
図書館向けデジタル化資料送信サービス参加館のうち、
ご自身が登録利用者である図書館に行き、
国立国会図書館のデジタル化資料の利用を希望することを伝えてください。
-------
- 回答プロセス
-
デジタル化資料送信サービスは、著作権法第31条第3項の範囲内で、
国立国会図書館から各参加館に提供することが可能になっている。
著作権法第31条第3項は、次のように規定されている。
-------
国立国会図書館は、絶版等資料に係る著作物について、図書館等において公衆に提示することを目的とする場合には、
前項の規定により記録媒体に 記録された当該著作物の複製物を用いて自動公衆送信を行うことができる。
この場合において、当該図書館等においては、その営利を目的としない事業として、
当該図書館等の利用者の求めに応じ、その調査研究の用に供するために、自動公衆送信される当該著作物の一部分の複製物を作成し、
当該複製物を一人につき一部提供することができる。
-------
このうち「図書館等において公衆に提示することを目的とする場合」について、
加戸守行『著作権法逐条講義 六訂新版』(公益社団法人著作権情報センター、平成25年)
p.263では、次のように解説されている(加戸氏は、元文化庁著作権課長で、現行の著作権法の草案作成者)。
「国立国会図書館による自動公衆送信は、『図書館等において公衆に提示することを目的とする』ものであることが要件となっており、
具体的には、送信先の図書館等の端末を通じて利用者の閲覧が行われることとなります。」
この解説によれば、デジタル化資料送信サービスは、
参加館に来館した利用者に対して
端末を通じて提供することを想定しており、
来館しない利用者のために
図書館職員が端末で閲覧の上、電話でデジタル化資料の内容を読み上げることは、
著作権法第31条第3項では想定していないと考えられる。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 著作.編集 (021)
- 参考資料
-
-
加戸守行 著 , 加戸, 守行, 1934-. 著作権法逐条講義 6訂新版. 著作権情報センター, 2013.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I024781268-00 , ISBN 9784885260735 (当館請求記号:0212/K2/1-8)
-
加戸守行 著 , 加戸, 守行, 1934-. 著作権法逐条講義 6訂新版. 著作権情報センター, 2013.
- キーワード
-
- 著作権法--日本
- 照会先
-
- 国立国会図書館関西館 文献提供課 複写貸出係
- 寄与者
- 備考
-
著作権関係事例
定番事例
2017/8/30にも同様な質問あり。
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000220145