レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019/02/20
- 登録日時
- 2019/03/25 00:30
- 更新日時
- 2019/03/25 00:30
- 管理番号
- 6900004088
- 質問
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解決
『ぎんのすず』という雑誌について知りたい。
- 回答
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『日本児童文学大事典 第二巻 人名 な~わ 事項・逐次刊行物』(大阪国際児童文学館/編 大日本図書 1993.10)のp.533に児童雑誌「銀の鈴」の項目がある。広島図書が1946年10月に創刊し、発行者は松井富一、1~6年の学年別のほか、初・中・上級、幼稚園、中学生向けがあると書かれているが、終刊など記述が不十分な部分も見られる。
より詳しい内容については次の通り。
雑誌<ぎんのすず>は元々1946年6月に広島の教師たちから結成された「広島児童文化振興会」によって、1946年8月に低学年用『ぎんのすず』、高学年用『銀の鈴』として発行された。1946年10月には広島印刷(のちの広島図書)から、一・二年生用『ギンノスズ』、三・四年生用『ぎんのすず』、五・六年生用『銀の鈴』として発行。学校を通して予約販売する直販方式であった。1948年4月からは『ぎんのすず』1ねんせい~『銀の鈴』6年生となり、学年別の教育雑誌となった。1950年後半頃から経営が悪化する中、出版者や発行所を変えながらの発行が続いた。広島からの<ぎんのすず>の発行は1953年各学年6・7合併号をもって終わったとされている。
一方、広島図書が1948年4月に創刊した幼稚園の教育絵本『プレイメート』も、出版者の変遷を経て、1958年4月に幼児の模範絵本『ぎんのすず』(ぎんのすず刊行協会)と改題し大阪で刊行された。その後1995年3月まで続いた。
また、広島市立中央図書館では平成28年10月15日~11月29日に『「ぎんのすず」創刊70周年展』を開催したほか、HPで所蔵の「ぎんのすず」表紙原画(清水良雄)を紹介している。
・「ぎんのすず」より│広島を知る│広島市立図書館(2019/2/20現在)
https://www.library.city.hiroshima.jp/hiroshima/webgallery/ginsuzu.html
参考となる資料として以下のものがあった。
・『銀の鈴は子供に何を教えようとするか:1950年』(長尾正憲/記 広島図書 1950.4)
当時の銀の鈴の編集意図について書かれている。
・『占領下の翻訳絵本と教育:広島図書について』(森本和子/著 1998)
当時出版が確認された<ぎんのすず>の巻号が掲載されている。出版者の変遷についてもまとめられている。
・『すずのひびき』<1> 創刊号(ぎんのすず研究会 2002.3)
1999年に広島市立中央図書館に800点を超える広島図書の関連資料が寄贈されたのを機に、発足した「ぎんのすず研究会」が出している研究誌。
・三浦精子「広島図書と教育雑誌「ぎんのすず」をめぐる人々」『芸術研究』<15> 2002(広島芸術学会 2002.7)p.65-79
・太田雅夫「教育雑誌『銀の鈴』と「銀の鈴文庫」-被爆広島から発信した児童文化-」『桃山学院大学教育研究所 研究紀要』<12>(桃山学院大学教育研究所 2003.3)p.107-131
・『こどもの図書館』50(12)(児童図書館研究会 2003.12)p.2-4
・さいのおきよこ「教育雑誌『ぎんのすず』と学習漫画」『ビランジ』<14>(竹内オサム 2004.9)p.23-38
・三浦精子「学年別教育雑誌「ぎんのすず」と広島図書」『こどもとしょかん』<123> 2009年秋号(東京子ども図書館 2009.10)p.15-35
・「『ぎんのすず』は夢の音」『鈴木悦郎:詩と音楽の童画家(らんぷの本)』(野崎泉/編 鈴木寛/監修 河出書房新社 2012.2)p.44-55
幼児絵本<ぎんのすず>の作画を多く手掛けた鈴木悦郎について書かれている。
・三浦精子「「ぎんのすず」(広島図書)を中心に」『占領期の出版メディアと検閲(プレスコード):戦後広島の文芸活動』(広島市文化協会文芸部会/編 勉誠出版 東京 2013.10)p.71-105
・鈴木三重吉『赤い鳥だより』12号別冊(鈴木三重吉「赤い鳥の会」 2017.5)
〔事例作成日:2019年2月20日〕
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 児童文学研究 (909 10版)
- 参考資料
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- 日本児童文学大事典 第二巻 人名 な~わ 事項・逐次刊行物 大阪国際児童文学館∥編 大日本図書 1993.10 (533)
- 銀の鈴は子供に何を教えようとするか 長尾/正憲∥記 広島図書 1950.4
- 占領下の翻訳絵本と教育 森本/和子∥著 9999.99
- すずのひびき ぎんのすず研究会 <1> 創刊号
- 芸術研究 広島芸術学会 <15> 2002 (65-79)
- 桃山学院大学教育研究所 研究紀要 桃山学院大学教育研究所 <12> (107-131)
- こどもの図書館 児童図書館研究会 50(12) 12月号 (2-4)
- ビランジ 竹内オサム <14> (23-38)
- こどもとしょかん 東京子ども図書館 <123> 2009年秋号 (15-35)
- 鈴木悦郎 野崎/泉∥編 河出書房新社 2012.2 (44-55)
- 占領期の出版メディアと検閲(プレスコード) 広島市文化協会文芸部会∥編 勉誠出版 2013.10 (71-105)
- 鈴木三重吉『赤い鳥だより』 鈴木三重吉「赤い鳥の会」 12号別冊
- https://www.library.city.hiroshima.jp/hiroshima/webgallery/ginsuzu.html (「ぎんのすず」より│広島を知る│広島市立図書館(2019/2/20現在))
- キーワード
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- ぎんのすず(ギンノスズ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 書誌事項調査
- 内容種別
- 出版情報
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000253662