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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000253535
提供館
(Library)
神奈川県立図書館 (2110018)管理番号
(Control number)
相-180018
事例作成日
(Creation date)
2018年12月28日登録日時
(Registration date)
2019年03月22日 12時19分更新日時
(Last update)
2019年03月22日 12時19分
質問
(Question)
藤原実方と藤原行成の二人が、雨の日の桜の歌をめぐって喧嘩になり、実方が行成の烏帽子を投げ捨て、それを見ていた一条天皇から陸奥へ左遷させられる、という説話があります。この桜をめぐってのできごとは、左遷当年(995年正月)のどれほど以前のことなのでしょうか。説話だと、すぐ(直後に)左遷させられたように思えますが、数年前のことのようでもあります。
回答
(Answer)
次の資料を紹介しました。

・『宮城縣史 21 民俗Ⅲ』宮城縣著 宮城縣史編纂委員会編 宮城縣史刊行会 1973
「伝説」の「塚の部」p.260「実方塚 名取・塩手」に「左中将藤原実方は長徳元年三月、東山の桜狩りに「桜狩り雨はふり来ぬおなじくは濡るとも花の蔭にかくれむ」と詠み、(中略)陸奥の歌枕見て参れと陸奥守に遷され、多賀国府に下る。」とあります。

・『戸塚の歴史散歩』戸塚の歴史散歩編集委員会編 戸塚区郷土史跡研究会 1970
p.137「実方塚」に「平安時代の歌人として有名な藤原実方朝臣は、ある名歌のことで藤原行成と口論し、(中略)長徳元(約一千年前)年右近衛中将を免ぜられ、「歌枕見て参れ」と、陸奥守をさずけられた。」との記述があります。口論した時期については記述がありません。

・『古事談抄全釈』浅見和彦ほか編 笠間書院 2010 
p.143~147「第二五話(一三二/二ノ三三・新大系二ノ三二)「行成、殿上に於いて実方と口論し、振舞優美の事」」に「実方(略)と行成、殿上に於いて口論の間、実方行成の冠を取りて、小庭に投げ棄てて」、「主上、小蔀より御覧じて(略)蔵人頭に補せらる〔時に備前介前兵衛佐なり〕」、「実方をば(略)陸奥守に任ぜらると云々」とあります。
またp.146~147の「【余説】」に「行成の蔵人頭就任について(中略)本話のように、実方の無礼な振る舞いに動じなかったために行成が昇進したという史実は確認できない。」とあります。

・『新注古事談』浅見和彦、伊東玉美編 笠間書院 2010 
p.90に「(三二 実方、行成の冠を投げ捨て陸奥に左遷せらるる事)」があり、「一条院の御時」とあります。p.90~91の注に「1 一条天皇。在位九八六~一○一一。」「12 正暦六年(九九五)正・一三。これは行成の任蔵人頭の半年以上前で、本来、両者の人事に相関はない。(中略)異例の人事が近接して生じたため、両者に関係性を憶測し、本話が生まれたものか」、「18 前話も本話割注も備前介とあるが、これでは無官ではない(公卿補任は備後権介)。職事補任は就任時、散位(無官)とする。」とあります。

・『権記 上』藤原行成著 倉本一宏訳 講談社 2011
p.16「正暦三年(九九二)藤原行成二十一歳(正五位下、左兵衛権佐・備後権介)」、p.22「正暦四年(九九三)藤原行成二十二歳(正五位下→従四位下、備後権介)」、p.38「正暦五年(九九四)藤原行成二十三歳(従四位下、備後権介)」、p.43「長徳元年(九九五)藤原行成二十四歳(従四位下、蔵人頭・備後権介)」とあります。
「古事談」にある「備前介前兵衛佐」の時期は、「左兵衛権佐」退任後で「蔵人頭」任官前の「正暦四年(992)~正暦(994)」となります。

金沢規雄「藤原実方研究―陸奥守就任をめぐって―」
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/4418326 )宮城教育大学国語国文 (11)1980.8p.1~40
この論文の中でp.1~3「実方の陸奥守赴任をめぐる諸説」として「1 実方左遷説①道長の忌諱する説 ②行成との確執によるとする説 2実方の意志による赴任とする説 ①陸奥国へ志を求めたとする説 ②歌枕のさそいとする風狂説」のように要約されると思う。」とあり、それぞれの説について考察されています。「行成との確執説」については今鏡、古事談、撰集抄、十訓抄、源平盛衰記等の説話集の内容が表として示されており、「桜の歌」が出てくるのは「撰集抄」となっています。

・『撰集抄』西尾光一校注 岩波書店 1970
p.250~251「第一八 實方中將櫻狩歌事 (九四)略本なし」で「さくらがり雨はふり來ぬおなじくは濡るとの花の陰にくらさん」の歌と実方、行成についての説話がありますが、何年の出来事かの記載はありません。
回答プロセス
(Answering process)
事前調査事項
(Preliminary research)
行成の『権記』には、995年正月の左遷が言い渡された時のことが書いてあるようですが、桜の歌が起きたことは書かれていないようです。(未確認です。)桜についてのことはなかったという学者もいるようですが、真実が分かりません
NDC
日本史  (210 9版)
東北地方  (212 9版)
小説.物語  (913 9版)
参考資料
(Reference materials)
キーワード
(Keywords)
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000253535解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
未解決