レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017/12/1
- 登録日時
- 2018/12/05 00:30
- 更新日時
- 2024/03/30 00:39
- 管理番号
- M18011710187729
- 質問
-
「真金」について詳しく知りたい。また、真金色とは何色かがわかる資料があれば紹介してほしい。
- 回答
-
調査の結果、以下の資料を紹介した。
①によれば「まがね」は真金、真鉄とも書き、古くは「まかね」と読んだ。真金は純粋の黄金。純金。しんきん。真鉄は鉄、くろがね。①では『万葉集』や『古今和歌集』にある「まかねふく」という歌枕も紹介しており、「真金吹く丹生の真朱の色に出て元はなくのみそ我が恋ふらくは」(万葉集14・3560)の「真金」は黄金をさし、「まがねふく吉備の中山帯にせる細谷川の音のさやけさ」(古今和歌集・神遊びの歌・1082)の「まがね」は鉄をさす、としている。
②で「まかねふく」を引くと「真金吹く(まがねふく)」の項に「真金」は鉄、クロガネの意とあり、①と同様の和歌が紹介されていたが、②ではどちらの歌も「真金」はクロガネとしている。
③では「真金」は「金色」の項(p142)に掲載されている。それによると「真金」(しんきん・まがね)別称:純金。純度の高さを言い表したもので『栄花物語』などに記された平安時代の色、とある。③で「クロガネ」を引くと「鉄色」(てついろ)の項(p211)に掲載されている。いずれもカラー見本で色を確認できるが、「真金」と「クロガネ」の関連についての記載はなかった。
④ ③を受けて『栄花物語』を当たったところ巻第17おむがくの10「庭前の有様」に「真金葉は、深き秋の紅葉のごとし」との記載があった。注によれば真金葉は純金の葉。
この他当館所蔵の古語辞典を何冊か当たったが、真金を鉄としているものが多かった。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- デザイン.装飾美術 (757 9版)
- 参考資料
-
-
①日本国語大辞典第二版編集委員会、小学館国語辞書編集部編集『日本国語大辞典 第二版 第12巻』 小学館,2001,1421p. 参照はp.327.
②馬場あき子、久保田淳編『歌ことば歌枕大辞典』 角川書店,1999,1031p. 参照はp.796.
③内田広由紀『定本和の色事典 増補特装版』 視覚デザイン研究所,2008,357p. 参照はp.142,p211
④山中裕、秋山虔、池田尚隆校注・訳『新編日本古典文学全集 32 栄花物語 2』 小学館,1997,566p. 参照はp.275.
-
①日本国語大辞典第二版編集委員会、小学館国語辞書編集部編集『日本国語大辞典 第二版 第12巻』 小学館,2001,1421p. 参照はp.327.
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- M2018011710194787729
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 全年齢, 高校生, 中学生
- 登録番号
- 1000247121