レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年07月20日
- 登録日時
- 2018/06/16 17:51
- 更新日時
- 2018/08/30 15:51
- 管理番号
- 堺-2018-024
- 質問
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解決
カメの液浸標本の作り方について。死んだ生き物(カメ)を保存するのに、現在無水エタノールを使っているが、問題はないか。
- 回答
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無水エタノールで保存しても問題はない。ただ、カメの場合は中身まで浸透しにくく腐るスピードがはやくなる可能性があるため、足の付け根などやわらかい部分にカッター等で切れ込みをいれるとよいとのことだった。
専門機関として、大阪市立自然史博物館を紹介した。
(中央図書館)
- 回答プロセス
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『化学辞典』によると、無水エタノールは無水アルコールとも呼ばれ、99.5%以上のエタノール(またはアルコール)のことを指すことが判明。
『生物 保存』『生物 標本』などのキーワードで検索した結果、『図解実験観察大事典 生物』、『標本学』、『新生化学実験講座 19 動物実験法』、『見る目が変わる博物館の楽しみ方』、『標本の作り方』などを所蔵しており、液体を使った保存方法についての記述あり。文献によると、アルコール等につけて生物を保存することを「液浸標本」と呼び、一般的な液浸標本の作り方として以下の方法が記載。
・ホルマリン液でいったん防腐処理を施し、その後エチルアルコール等で保存する。
・70%~80%のアルコールとホルマリンを混ぜて固定液を作り、浸す。
ただし、液浸標本は生き物の色が抜けていくため、観賞用には向かないとの記述あり。
無水エタノール及び無水アルコールを用いての液浸標本の作成方法は確認できなかったため、大阪市立自然史博物館へ問い合わせたところ、無水エタノールのような80%以上のアルコールを用いても問題はないとの回答。
- 事前調査事項
- NDC
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- 生物科学.一般生物学 (460 8版)
- 参考資料
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吉村壽次 編集代表 , 吉村, 寿次, 1925-. 化学辞典 第2版小型版. 森北出版, 2012.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I024036867-00 , ISBN 9784627240728 -
図解実験観察大事典 生物 新訂. 東京書籍, 1992.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002221651-00 , ISBN 4487731348 -
松浦啓一編著 , 松浦, 啓一(1948-) , 国立科学博物館. 標本学. 東海大学出版会, 2003-10. (国立科学博物館叢書)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000074-I000429745-00 , ISBN 9784486031550 -
日本生化学会 編 , 森脇, 和郎, 1930-2013. 新生化学実験講座 19. 東京化学同人, 1991.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002145113-00 , ISBN 4807910647 -
矢野興一 編著 , 矢野, 興一, 1981-. 見る目が変わる博物館の楽しみ方 : 地球・生物・人類を知る. ベレ出版, 2016. (BERET SCIENCE)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I027656135-00 , ISBN 9784860644901 -
大阪市立自然史博物館編著 , 大阪市立自然史博物館. 標本の作り方. 東海大学出版会, 2007-07. (大阪市立自然史博物館叢書)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000074-I000537542-00 , ISBN 9784486017691
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吉村壽次 編集代表 , 吉村, 寿次, 1925-. 化学辞典 第2版小型版. 森北出版, 2012.
- キーワード
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- 生物
- 標本
- 液浸標本
- 照会先
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- 大阪市立自然史博物館
- 寄与者
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- 大阪市立自然史博物館
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000237301