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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000234408
提供館
(Library)
豊中市立図書館 (2310050)管理番号
(Control number)
6000038641
事例作成日
(Creation date)
2018/02/05登録日時
(Registration date)
2018年04月06日 00時30分更新日時
(Last update)
2018年04月24日 10時22分
質問
(Question)
着物の絣と縞の違いについて知りたい。特に昭和初期の頃、どちらかが庶民、どちらかが高貴な人が着たというような違いはあるのか。
回答
(Answer)
以下の資料をご提供した。

●『服飾辞典』文化出版局/編 文化出版局 1979(383)
●『国史大辞典 7』
●『絣』長崎 巌/著 小学館 1993(753)
●『織物百科 縞と絣』河原崎 奨堂/著 芸艸堂 2007(753.3)
近世以前は縞は身分の低い人が着、絣は上層の人が着たが、
江戸時代後期以降、木綿や麻の絣が作られるようになって絣も庶民に広まった。
明治以降、地方産の伝統絣が庶民の晴着として用いられるようになり、
大正時代(関東大震災以降)の頃には絣のデザインの進展によって庶民着物は絣が多くなった。
昭和初期の頃の、着用する人の階級や貧富の差についての記述は見当たらなかった。
回答プロセス
(Answering process)
▽衣服(383)の書架をあたる。
●『服飾辞典』文化出版局/編 文化出版局 1979(383)
 「かすり」:「用途は発展理由からみて、庶民の衣料として普及し、明治から大正にかけて着尺地、布団地に盛んに使われたが、最近では紺絣は農家の仕事着にわずかにみられ、複雑な絣柄のものは高級品に使われ、用途も分化の傾向をたどっている」とある。(P.142)
 「しま」:「木綿の普及や地機(じばた)の発達に伴って、粋人の外出着から商家の奉公人や農民の仕事着にまで広く浸透した」とある。(P.351)

▽歴史辞典(29)をあたる。
●『国史大辞典 7』
「かすり」「しま」ともに項目はあるが、「かすり」及びその関連項目に、着用した人の身分や階級などについての記載はなし。
「しま(縞)」の項目に以下の説明あり。
 →「縞織物は室町時代でも地下(じげ)の人の着るものであって、貴人は下着にも着用しなかったほど、低い地位におかれていた。ところが近世初頭対明貿易や南蛮貿易によって(略)縞に対する認識があらたまり、縞柄は下級武士や庶民の衣服に用いられるようになった。特に舶載された上質の木綿の縞織物は(略)町人の実用着として珍重された(後略)」
 「(前略)縞絹は江戸時代の庶民文化のシンボルの一つとなり、明治維新以降に引き継がれた」(P.95)

▽織物(753)の資料を確認する。
●『絣』長崎 巌/著 小学館 1993(753)
 「(前略)江戸時代後期から昭和の前半期にかけて、木綿や麻を素材とする民芸的な絣は、おもに庶民の染織品として広く用いられ、日常生活の中で大きな役割を果たした。(略)しかし部分的に染め分けた糸を経糸や緯糸、あるいはその両方に用いて裂を織り上げ模様を表す絣の技法自体は、これらよりもはるか古くから存在しており、その長い歴史を反映するように、民芸的な絣以前にも様々な絣作品を生み出している。その素材の多くは絹であり、配色は前記の絣よりも華やかで(略)ほとんどは上層階級によって用いられたものであった。しかも日本における長い絣の歴史の中で、近世末期に麻や木綿を素材とした庶民の絣が現れるまでは、ずっと長い間、これらが日本の絣の中核をなしてきたことはあまり注目されていない(後略)」(P.106)

●『織物百科 縞と絣』河原崎 奨堂/著 芸艸堂 2007(753.3)
 「国民の衣服に模様を施すことが許されるようになった近代では、少しずつだが日常着にも加飾が行われるようになり、縞柄を飽き足らないとして絣を使って新様を作り出そうとしていた。(略)明治末期に民間で常着の高級品としての地方産の伝統織物が流通して市場を賑わすようになっていく。(略)そこに新柄として加えられた絣柄が喜ばれて全国の麻織物産地や木綿織物産地も挙って絣織物の生産に参画するようになっていく。(略)こうした状況に、関東周辺の地方織物も縞柄のみに執着できず、久留米絣や大島絣を写して細かい細工絣を案出していった。(略)ところ大正10年の関東大震災を契機に東京が近代化を謳って当時流行していたアール・デコやアメリカ・モダンのデザインを取り入れて再構築されることになり(略)揺るぎのない庶民の晴着を完成したのである。人々はこれに飛び付いて、日本中の庶民着物が絣銘仙柄となっていった(PP.82~83)
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
染織工芸  (753)
衣住食の習俗  (383)
参考資料
(Reference materials)
『服飾辞典』 文化出版局/編 文化出版局
『国史大辞典7』 国史大辞典編集委員会/編 吉川弘文館
『絣』 長崎 巌/著 小学館
『織物百科』 河原崎 奨堂/著 芸艸堂
キーワード
(Keywords)
縞(シマ)
絣(カスリ)
着物(キモノ)
和服(ワフク)
織物(オリモノ)
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
一般
登録番号
(Registration number)
1000234408解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
未解決