このページではJavaScriptを使用しています。お客様の閲覧環境では、レファレンス協同データベースをご利用になれません。

レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000233440
提供館
(Library)
福岡県立図書館 (2110014)管理番号
(Control number)
福参-1088
事例作成日
(Creation date)
20150213登録日時
(Registration date)
2018年03月29日 00時30分更新日時
(Last update)
2018年03月29日 00時30分
質問
(Question)
老女の白髪を指すことばで、○○髪という表現があったと思う。
小野小町と関係があったと思われる。
回答
(Answer)
以下、参考資料及び参考URLより回答した。

■参考資料1.『現代語古語類語辞典』
■参考資料2.『日本国語大辞典(第二版)』
■参考資料3.『新日本古典文学大系』
■参考資料4.『新編日本古典文学全集』
■参考資料5.『伊勢物語全読解』
■参考資料6.『新編日本古典文学全集 59 謡曲集2』
■参考URL1.『日本国民文学全集 第11巻(謡曲狂言集)』( http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1668652  永続的識別子:info:ndljp/pid/1668652 2018.3.14最終確認)
■参考URL.2「THE 能.com>演目事典>卒都婆小町/卒塔婆小町」( http://www.the-noh.com/jp/plays/data/program_069.html  2018.3.14最終確認)

※語源については諸説あり。また、意味についても■参考資料3.に「老女の蓬髪。転じて老婆の意。」という注釈もあるように、老女そのものをさす場合もあるという説明を補足。
回答プロセス
(Answering process)
1.○○髪について
・「白髪」「老女」「老婆」「老い」などのキーワードで逆引古語辞典類を数冊確認。
■参考資料1.『現代語古語類語辞典』
「ろうじょ【老女】」
〔近代〕…(略)〔近世〕…(略)〔中世〕…(略)〔中古〕…つくも髪[九十九髪]。…(略)〔上代〕…(略)p.2114
→中古の用例として、つくも髪[九十九髪]とある。

・「つくも髪【九十九髪】」について参考図書で確認。
■参考資料2.『日本国語大辞典(第二版)』
九十九髪(つくもがみ)【名】
白髪の様子が植物の「つくも」に似ているところからという。「九十九」という表記は、「百」の字から一画とりされば「白」の字となり、百から一をとると九十九になることによる。老女の白髪のこと。また、その人。つくも。p.308
出典(用例) 『伊勢物語』六三
「百年(ももとせ)に一年(ひととせ)たらぬつくもがみ我を恋ふらし面影に見ゆ」(…以下略)
→ほか『源氏物語』『曽我物語』『浄瑠璃・平家女護島』の用例あるが、日本国語大辞典の記述からでは小野小町と関係あるかどうかまでは確認できず。しかし、「老婆の白髪を指す」言葉という質問内容には合致する。

2.小野小町との関連について
■参考資料3.『新日本古典文学大系』
つくも髪については諸説あるが、老女の蓬髪、転じて老婆の意。p.137

■参考資料4.『新編日本古典文学全集』
「つくも髪」はつくもという海藻に似ているところから、老女の白髪をいい、ここでは老女をさす。上に冠した「百年に一年たらぬ」とは、九十九歳の老齢を意味し、ひどく年をとったおばあさん、ということになる。p.165

■参考資料5.『伊勢物語全読解』
【注釈史・享受史】の論点(p.466~)に、以下のようにある。
この「世心つける」つくも髪の老女について、『十巻本伊勢物語注』のような、いわゆる『冷泉家流伊勢物語抄』の類では、紀名虎の娘である三条の町をあてるが、『智顕集』では小野小町をあてている。p.466
→■参考資料5.によると、『伊勢物語』の注釈書『智顕集(※知顕抄とも)』に、「九十九髪」の老婆について「小野小町」の注がついているとある。

※『知顕抄』について
鎌倉時代の《伊勢物語》の注釈書。3巻。《和歌知顕集》とも。源経信〔1016-1097〕作に仮託。〈冷泉家流注釈書〉とならんでいわゆる〈古注〉の代表的なもので,すべての登場人物に個人名,事件に年月日をあてて読むなど,平安時代以降の《伊勢物語》享受のありかたをよく示している。 (百科事典マイペディア「コトバンク」参照)

ほか時代はくだるが、
年老いた小野小町を主題にした能の演目に観阿弥原作とされる「卒都婆(そとば・そとわ)小町」(また卒塔婆小町とも表記)がある。

■参考資料6.『新編日本古典文学全集 59 謡曲集2』(小学館)
「卒都婆小町」p.116
「百年(ももとせ)に一年たらぬつくも髪かゝる思ひは有明の影恥づかしきわが身かな。」p.123

■参考URL1.『日本国民文学全集 第11巻(謡曲狂言集)』(河井出書房新社)1958
「国立国会図書館デジタルコレクション」より確認(永続的識別子info:ndljp/pid/1668652)
85コマ下段
「百年(ももとせ)に一年たらぬつくも髪かゝる思ひは有明の影恥づかしき姿かな…」とあり。p.150

■参考URL.2「THE 能.com>演目事典>卒都婆小町/卒塔婆小町」
http://www.the-noh.com/jp/plays/data/program_069.html
→あらすじや題材等、詳しくは上記サイトの演目辞典を参照。

・お尋ねの言葉は「つくも髪(九十九髪)」で間違いないことを質問者と確認。
・参考資料及びURLの紹介と併せて以下の調査結果を伝えた。
 1)『伊勢物語』の注釈書『智顕集(知顕抄とも)』に「つくも髪(九十九髪)」の老婆について、「小野小町」とする注がみられる。
 2)能の演目『卒都婆小町』の小町が自身の老いを嘆く台詞に「百年(ももとせ)に一年たらぬつくも髪」とある。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
語源.意味[語義]  (812 8版)
参考資料
(Reference materials)
1 現代語古語類語辞典 芹生 公男/編 三省堂 2015.9 813/6R/56 p.2144
2 日本国語大辞典 第9巻 小学館国語辞典編集部/編集 小学館 2001.9 813/1R/96-9B p.308 つくも-がみ
3 新日本古典文学大系 17 佐竹 昭広/[ほか]編集委員 岩波書店 1997.1 918//6-17 p.137
4 新編日本古典文学全集 12 小学館 1994.12 918//7-12 p.165
5 伊勢物語全読解 片桐 洋一/著 和泉書院 2013.12 913/32/39 p.466
6 新編日本古典文学全集 59 小学館 1998.2 918//7-59 p.116,p.123
1 国立国会図書館デジタルコレクション 日本国民文学全集. 第11巻 (謡曲狂言集) http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1668652 2018.03.14最終確認
2 THE 能.com>演目事典>卒都婆小町/卒塔婆小町 http://www.the-noh.com/jp/plays/data/program_069.html 2018.03.14最終確認
キーワード
(Keywords)
老女 白髪 小野小町 古語 伊勢物語 智顕集 卒都婆小町
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介
内容種別
(Type of subject)
言葉
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000233440解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
Twitter

このデータベースについて
国立国会図書館が全国の図書館等と協同で構築している、調べ物のためのデータベースです。詳細

活用法

刊行物・グッズ
新着データ
最近のアクセスランキング
レファ協PickUP!