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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000233039
提供館
(Library)
岡山県立図書館 (2110029)管理番号
(Control number)
M18030317587799
事例作成日
(Creation date)
2018/3/2登録日時
(Registration date)
2018年03月24日 00時30分更新日時
(Last update)
2018年03月25日 00時30分
質問
(Question)
ジンバブエが2015年に自国通貨のジンバブエ・ドル(ZD)を廃止したが、他に独自の通貨を持たない国はあるのか。
回答
(Answer)
『銀行券にみる近現代世界の国々』p.200-213によると、独自の通貨を持たない国として、他国の通貨を採用しているケース、複数の国で共通通貨(統一通貨)を採用しているケースがある。同書と『データブックオブ・ザ・ワールド Vol.30(2018)』p.26-33及び世界各国要覧、外務省Webサイト内「国・地域」ページ( http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/ )の各国情報によると、概要は以下の通り。なお、回答では海外領土や自治領などの「地域」は除外した。

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他国の通貨を採用しているケース
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①エクアドル……2000年に自国通貨「スクレ」を廃止し、米ドルを法定通貨として採用した。その経緯は『銀行券にみる近現代世界の国々』p.201-203、『エクアドルを知るための60章』p.83-88「第13章 経済ブームから経済危機へ」でも解説されている。
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②エルサルバドル……米ドルを採用。『地球の歩き方 B20 中米 2016~17』p.178、外務省Webサイトの国別基礎データ「経済概況」の項目によると、2001年1月の通貨統合法により、自国通貨「コロン」を全面的に米ドルに変更した。
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③キリバス……オーストラリア・ドルを採用(『データブックオブ・ザ・ワールド Vol.30(2018)』p.32-33、外務省Webサイトの国別基礎データの通貨の項目による)。
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④クック諸島……ニュージーランド・ドルを採用(『データブックオブ・ザ・ワールド Vol.30(2018)』p.32-33、外務省Webサイトの国別基礎データの通貨の項目による)。なお、外務省Webサイトの国別基礎データの通貨の項目によると「硬貨については、独自のものも有する」とされる。
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⑤ジンバブエ……ハイパー・インフレ対応失敗により、自国通貨「ジンバブエ・ドル(ZD)」の発行を2009年に停止した。外務省Webサイトの国別基礎データの通貨の項目には「2009年1月から複数外貨制を導入し,主として米ドル、南アフリカ・ランドを使用している。ジンバブエ・ドルの流通は事実上停止。2014年1月より、日本円、中国元、豪ドル、インド・ルピーを新たに法定通貨として導入。2016年11月、米ドル現金の不足を補うため米ドルと同価で国内のみに流通するボンド紙幣を導入」とある。ロイター、CNNの報道によると、2015年6月にZDは公式に廃止された。ZD発行停止については『銀行券にみる近現代世界の国々』p.105-108、『ハイパー・インフレの人類学 ジンバブエ「危機」下の多元的貨幣経済』で詳しく描かれている。
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⑥ソマリア……法定通貨は「ソマリア・シリング」だが、『国際理解に役立つ世界のお金図鑑 3 北米・中南米・アフリカ』p.34によると、長年の内戦で紙幣の価値が急落したため、実際には米ドルやユーロ、サウジアラビア・リヤルといった外貨が用いられている。経緯については『銀行券にみる近現代世界の国々』p.203-204でも解説されている。
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⑦ツバル……オーストラリア・ドルを採用(『データブックオブ・ザ・ワールド Vol.30(2018)』p.32-33、外務省Webサイトの国別基礎データの通貨の項目による)。
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⑧ナウル……オーストラリア・ドルを採用(『データブックオブ・ザ・ワールド Vol.30(2018)』p.32-33、外務省Webサイトの国別基礎データの通貨の項目による)。
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⑨ニウエ……ニュージーランド・ドルを採用(『データブックオブ・ザ・ワールド Vol.30(2018)』p.32-33、外務省Webサイトの国別基礎データの通貨の項目による)。
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⑩パナマ……通貨単位は「バルボア」だが、実際には米ドルが通貨として流通している。なお、バルボアは硬貨のみで、紙幣は発行されていない。『パナマを知るための70章』p.42-43のコラム「米ドルとパナマ通貨バルボア」によると、公式統計や商品価格、領収書で用いられる通貨単位はバルボアだが「米ドルと等価であることが自明」である。また、「1バルボア以下の硬貨だけがパナマ独自のコインで、アメリカのクオーター(25セント)、ダイム(10セント)、ニケル(5セント)、ペニー(1セント)に似たパナマ・コインが混ぜて使われているのが現実」とされる。
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⑪パラオ……米ドルを採用(『データブックオブ・ザ・ワールド Vol.30(2018)』p.32-33、外務省Webサイトの国別基礎データの通貨の項目による)。
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⑫東ティモール……米ドルを採用(『データブックオブ・ザ・ワールド Vol.30(2018)』p.26-27、外務省Webサイトの国別基礎データの通貨の項目による)。なお、外務省Webサイトの国別基礎データの通貨の項目によると「1米ドル以下については独自の「センタボ(centavo)」貨を使用(米セントと同貨)」している。
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⑬マーシャル諸島……米ドルを採用(『データブックオブ・ザ・ワールド Vol.30(2018)』p.32-33、外務省Webサイトの国別基礎データの通貨の項目による)。なお、外務省Webサイトの国別基礎データの経済概況の項目によると「貨幣経済と伝統的自給経済が混在」した状況である。
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⑭ミクロネシア連邦……米ドルを採用(『データブックオブ・ザ・ワールド Vol.30(2018)』p.32-33、外務省Webサイトの国別基礎データの通貨の項目による)。なお、外務省Webサイトの国別基礎データの経済概況の項目によると「貨幣経済と伝統的自給経済が混在」した状況である。
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⑮リヒテンシュタイン公国……外務省Webサイトの国別基礎データの略史の項目によると、スイスとの関税同盟締結(1923年)により、スイス・フランを導入している。
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なお、英国の海外領土である英領ヴァージン諸島が米ドルを正式通貨として採用している旨を『銀行券にみる近現代世界の国々』p.204-205で触れている。


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複数の国で共通通貨(統一通貨)を採用しているケース
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①ユーロを導入した国々:25カ国
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1999年に創設され、2002年元日から現金通貨の発行が開始された。ユーロ採用国は『知識ゼロからのユーロ入門』p.14-15、『銀行券にみる近現代世界の国々』p.206-208、外務省Webサイトの国別基礎データによると以下の通り。
(1)ヨーロッパ連合(EU)加盟国:19カ国……アイルランド、イタリア、エストニア('11年1月~)、オーストリア、オランダ、キプロス('08年~)、ギリシャ('01年~)、スペイン、スロバキア('09年1月~)、スロベニア('07年1月~)、ドイツ、フィンランド、フランス、ベルギー、ポルトガル、マルタ('08年1月~)、ラトビア('14年1月~)、リトアニア('15年1月~)、ルクセンブルク

(2)EU加盟国以外の国:6カ国
 ・EUと通貨同盟を結んだ国:サンマリノ、バチカン市国、モナコ公国
 ・事実上流通しているが通貨の発行権限がない国:アンドラ公国、コソボ('99年独自導入)、モンテネグロ('02年独自導入)

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②CFAフランを導入した国々:14カ国
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1950年代末期から西アフリカと赤道アフリカの旧フランス領であった国々で発行が始まった。概要については『銀行券にみる近現代世界の国々』p.209-212で解説されている。
(1)西アフリカ諸国中央銀行:8カ国……ギニアビサウ('97~)、コートジボワール、セネガル、トーゴ、ニジェール、ブルキナファソ、ベナン、マリ('84~)
(2)中部アフリカ諸国銀行:6カ国……ガボン、カメルーン、コンゴ、赤道ギニア('85~)、チャド、中央アフリカ

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③東カリブ・ドルを導入した国々:6カ国(加えて2つの英国海外領土)
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『銀行券にみる近現代世界の国々』p.212-213によると、グレナダ、セントルシア、ドミニカ国、セントクリストファー・ネーヴィス、アンティグア・バーブーダ、セントビンセント及びグレナディーン諸島の6カ国に加え、英国海外領土のアンギラとモントセラトでも採用されている。
回答プロセス
(Answering process)
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
貨弊.通貨  (337 9版)
参考資料
(Reference materials)
・冨田昌宏『銀行券にみる近現代世界の国々』印刷朝陽会,2013,215p. 参照はp.105-108,200-213.(資料番号:0012560041)
・『データブックオブ・ザ・ワールド Vol.30(2018)』二宮書店,2018,479p 図版8枚. 参照はp.26-33.(資料番号:0014216675)
・新木秀和 編著『エクアドルを知るための60章』明石書店,2012,370p. 参照はp.83-88.(資料番号:0011584281)
・地球の歩き方編集室 編集『地球の歩き方 B20 中米 2016~17』 ダイヤモンド・ビッグ社,2015,408p. 参照はp.178.(資料番号:0013210315)
・早川真悠『ハイパー・インフレの人類学 ジンバブエ「危機」下の多元的貨幣経済』人文書院,2015,233p. (資料番号:0012862769)
・佐藤英人 協力,平田美咲 編『国際理解に役立つ世界のお金図鑑 3 北米・中南米・アフリカ』汐文社,2013,47p. (資料番号:0012151494)
・国本伊代 編著『パナマを知るための70章』明石書店,2018,344p. 参照はp.42-43.(資料番号:0014322754)
・小島健『知識ゼロからのユーロ入門』 幻冬舎,2016,175p. 参照はp.14-15.(資料番号:0013609029)
キーワード
(Keywords)
貨幣
紙幣
通貨
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
M2018030317514287799
調査種別
(Type of search)
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
全年齢
登録番号
(Registration number)
1000233039解決/未解決
(Resolved / Unresolved)