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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000232461
提供館
(Library)
千葉県立中央図書館 (2120001)管理番号
(Control number)
千県中千葉-2017-5
事例作成日
(Creation date)
2017年11月4日登録日時
(Registration date)
2018年03月13日 16時24分更新日時
(Last update)
2018年03月13日 16時43分
質問
(Question)
『房総志料』の編著者である中村国香の身分・職業と彼の編著の動機・目的(私的目的か藩命・幕命かなど)について知りたい。
回答
(Answer)
1 中村国香の身分・職業について
 以下の資料から、中村國香は醸造業を営むとともに学者でもあったことが推察されます。
 
【資料1】『房総叢書 第6巻 紀元二千六百年記念 地誌』(紀元二千六百年記念房總叢書刊行會 1941)p.1 「房総志料」解説
「著者は長者町の里正で、(中略)長じて宇佐美潜水の門に入り、字は子欄、善左衛門と称し」
【資料2】『千葉県夷隅郡誌 千葉県郷土誌叢刊』p.307
第11章 名族諸侯及人物 二 学者及高僧
中村國香 「幼にして学を好み長じて宇佐美潜水の門に入り、且つ板倉美仲に師事し研鑽大に力む、博く経史に通じ近郷の師弟を教育す、其著房総志料、6巻5編茗荷賦・酒賦・房総考古録遺集・南留別志抄・金ヶ作紀行等を主なるものとし、其他教育書にして世に便益を与ふるもの少なからず」
【資料3】『房総叢書 第2輯』(房総叢書刊行会 1914)p.548 「房総志料 続編」(田丸健良著)の巻末に「中村國香事績補遺」が所収されている。
「中村氏の祖は萬騎の城主土岐左京太夫頼春公の家臣なり。天正中小田原落城以後、房総騒乱の頃没落して流浪の体となりける、階上、大曽根などの末葉なり。何れの頃にや氏を替えたりけん、押日村中村土佐という人之れ中村氏の元祖なり。男家督を相続し、孫権左衛門家督を継ぐ。榎木澤村熱田丹後娘を娶、息七人あり、其第五子男喜平治長者町に酒屋を開店す、國香は其の長子なり、…」(夷隅郡長者尋常高等小学校調査)」
p.562 「金ヶ作紀行」(中村國香著)「【解説】…國香字は子欄、酒醤油の醸造を業とす、…」
【資料4】『千葉県の歴史 通史編近世2 県史シリーズ』p.856
「中村国香は、(中略)荻生徂徠の学統を引いていた。」
【資料5】『千葉県の歴史 県史シリーズ 12』(山川出版社 1980)p.230
「徂徠の門人には宇佐美潜水があり、潜水の門下には同郷の中村国香(「房総志料」の著書がある)」
(以下は、肩書きが記載されていた一般資料)
【資料6】『講談社日本人名大辞典』(2001)p.1387
 「なかむら-くにか【中村国香】江戸時代中期の儒者」
【資料7】『類聚伝記大日本史 第6巻 学芸篇』(雄山閣 1981)p.308
「国学者、字は子蘭、上総国夷隅郡の人、頗る国典に精通せり、房総志料を著はす、天保時代の人」
【資料8】『国学者伝記集成 中 辞典叢書28』(東出版 1997) p.1194 「中村國香(クニカ)」
【資料9】『日本人研究 第1巻 その歴史と氏族』(流動 1971)p.192
「1761(宝暦11)年 史家中村国香「房総志料」を著す」 

2 「房総志料」編著の動機・目的(私的目的か藩命・幕命かなど)について
 以下の資料からは、動機・目的については藩命や幕命ではなく、私的目的であったと推察されます。
【資料2】巻頭序文「第六巻(地誌其一)について」(稲葉隣作)に次のように記載があります。
「特に文化年間林大学頭を総裁とした地誌編修局が設けられると、まづ官撰地誌が編纂され、同時に幕府から各藩の封内地誌編纂を内訓したので浩瀚な藩撰地誌が簇出し、私撰の大冊も刊行された。國漢学者や、歌俳の徒や、尚好事家の輩が、紀行に、考證に、神社仏閣参詣に、如何に多く各種の地誌関係書を編述したであらうかは想像に難くない。わが中村國香の『房総志料』また其の一で、(後略)」
回答プロセス
(Answering process)
1 中村国香の身分・職業について 
最初に、【資料1】に所収されている『房総志料』にあたり、序文に「上総夷隅郡長者里 中村国香」とあるので、【資料2】、『夷隅町史 通史編・資料編』(夷隅町 2002-2004)、『夷隅風土記』(森輝著 千葉県文化財保護協会 1977)にあたる。また、『千葉県郷土資料総合目録 索引編』(千葉県公共図書館協会編 千葉県立中央図書館 1978)から【資料3】にあたる。
次に、所蔵検索やgoogleブックスにより、【資料4】【資料5】にあたる。荻生徂徠の学統を引く学者であると記載されていた。
次に、郷土関係の人物辞典等にあたるが記載がなかった。
『郷土歴史人物事典千葉』(高橋在久編著 第一法規 1980)、『千葉大百科事典』(千葉日報社 1982)
次に、googleブックスや国立国会図書館のリサーチナビ目次情報なども利用して辞典や伝記資料にあたり【資料6~9】で儒者、国学者、史家として記載があった。
 
2 編著の動機・目的(私的目的か藩命・幕命かなど)について
「房総志料」「中村国香」については文献が少なく、唯一、【資料2】の編纂序文に動機・目的(私的目的か藩命・幕命かなど)らしき記載があった。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
日本史  (210 9版)
関東地方  (213 9版)
個人伝記  (289 9版)
参考資料
(Reference materials)
【資料1】『房総叢書 第6巻 紀元二千六百年記念 地誌』(紀元二千六百年記念房總叢書刊行會 1941)(9200265400)
【資料2】『千葉県夷隅郡誌 千葉県郷土誌叢刊』(夷隅郡役所編 臨川書店 1986)(9200274778)
【資料3】『房総叢書 第2輯』(房総叢書刊行会 1914)(9200263371)
【資料4】『千葉県の歴史 通史編近世2 県史シリーズ』(千葉県史料研究財団編集 千葉県 2008)(0200872180)
【資料5】『千葉県の歴史 県史シリーズ 12』(小笠原長和著 山川出版社 1980)(9102179078)
【資料6】『講談社日本人名大辞典』(講談社 2001)(0105671421)
【資料7】『類聚伝記大日本史 第6巻 学芸篇』(雄山閣 1981)(9102111189)
【資料8】『国学者伝記集成 中 辞典叢書28』(大川茂雄編 東出版 1997)(2101147774)
【資料9】『日本人研究 第1巻 その歴史と氏族』(板坂康弘著 流動 1971)(9101401470)
キーワード
(Keywords)
千葉県-歴史-近世(チバケン レキシ キンセイ)
中村国香(ナカムラ クニカ)
房総志料(ボウソウ シリョウ)
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
郷土 人物
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000232461解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決