このページではJavaScriptを使用しています。お客様の閲覧環境では、レファレンス協同データベースをご利用になれません。

レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000232425
提供館
(Library)
千葉県立中央図書館 (2120001)管理番号
(Control number)
千県中参考-2017-34
事例作成日
(Creation date)
2018/01/20登録日時
(Registration date)
2018年03月12日 00時30分更新日時
(Last update)
2018年03月13日 09時19分
質問
(Question)
江戸時代、土地の境界をめぐる争いに伴って、土地の立体模型が作られたらしい。そのことについて書かれた資料はあるか。
回答
(Answer)
全国で数件の例が確認されているようです。以下、関連資料を紹介します。
(図書資料)
【資料1】『近世絵図と測量術』(川村博忠著 古今書院 1992)
p.14-17「起立絵図と土図」
江戸時代の絵図で、「立体感がでるように描き表そうと描写上の工夫」をしたものとして、次の3種を紹介しています。
・図面を開くと山々が直立するようにつくられた「起立絵図」(鳥海山の作製例)
・粘土を用いて板面に地形の形態を手工的に作り上げた「土図」(「防長土図」など)
(中の粘土を抜き取る張りぼてによる仕立てが多い。張り抜きによる土図作製。)
・木彫による立体図「木図」(「沖ノ島木型」など)

【資料2】『村図の歴史地理学』(木村東一郎著 日本学術通信社 1975)
p.56「境界設定のさいに、地形模型の作成されたもの」として、鳥海山の地形模型(宝永1年9月)と、甲斐国巨摩郡城山をめぐる湯沢村外六ヶ村の立体図(文化6年7月)(櫛形町役場所蔵)を取り上げています。

(雑誌論文)
【資料3】河村克典「近世の境論と地形模型」
「近世には国(藩)境をめぐる争論(境論)が多発した。(中略)平野のような平坦な土地での境論では、平面的な絵図が作成されたが、山地、島のような土地では、起伏の垂直的な実情を表現することが必要とされ、起立絵図や地形模型が作製されることがあった。」
「四国南西部(愛媛・高知県)に、このような境論に伴って作製された木彫の地形模型の三例が現存している。」として、「沖ノ島木型」「篠山模型(木彫)」「目黒山形模型」について写真付きで報告しています。

【資料4】河村克典「境論にともなって作製された近世「地形模型」の三例」
https://ci.nii.ac.jp/naid/10006392516
江戸時代の地形模型の例(「鳥海山張抜模型」「防長土図」「芸州郡山之図」)を、【資料8】【資料9】【資料10】【資料12】等を挙げて紹介した上で、四国の三例(「沖ノ島木型」「篠山模型(木彫)」「目黒山形模型」)は、「いずれもこれらより作製時期が古い」、「「鳥海山張抜模型」「防長土図」「芸州郡山之図」は土図あるいは張抜きであるのに対し、四国の三例はいずれも木彫であって、その作製法も注目される。」としています。
四国の三例について、それぞれの内容と作製経緯を報告しています。
また、「表1 現存する地形模型の事例」7件を掲載しています。

【資料5】河村克典「大和と河内の国境論争に伴って作製された立体図」
https://ci.nii.ac.jp/naid/10006392600
【資料7】【資料11】【資料13】等を挙げて、江戸時代の木図・土図の報告例を8件紹介した上で、同じ著者が【資料4】で四国の三例を報告した後、奈良県御所市に土図が現存していることがわかったとして、その内容と作製経緯を報告しています。

【資料6】河村克典「愛媛県明浜町に伝わる江戸期作成の立体図」
https://ci.nii.ac.jp/naid/10007154501
江戸時代の立体図の例を紹介した上で、境界争論という同じ事情で作製されたものとして、明浜町立俵津民俗資料館蔵の木彫立体図を取り上げ、その内容と作製経緯を報告しています。
また、「表1 現存する立体図の事例」11件を掲載しています。

【資料7】木全敬蔵「愛媛県松野町に伝わる17世紀作成の地形模型について」
https://ci.nii.ac.jp/naid/130003813285
「目黒ふるさと館に宇和島市内から松野町地内の高知県との県境に至る山岳地帯の地形模型が展示されている。(中略)本論は、写真測量で地形模型を図化するとともに、史料から作製の経緯や、作製の方法、作製にたずさわった人々、地形模型の精度について考察したもの」ということです。

【資料8】三浦肇・川村博忠「江戸時代作製の張抜き地形模型『防長土図』」
https://ci.nii.ac.jp/naid/130003998518
「明和4年(1767)に作製された「防長土図」と称する周防・長門2か国の張抜き地形模型が山口県立博物館に収蔵されている。(中略)「防長土図」の現存状況とその構成・内容を調査」して報告しています。

【資料9】山田稔「有馬喜惣太製作『防長土図』について」
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/7933701
「防長土図とは、山口県立山口博物館が所蔵する、明和4年(1767)萩藩郡方地理図師有馬喜惣太によって製作された防長両国全土に及ぶ立体地形模型である。(中略)土図収納箱(長持)の紹介をおこなうとともに、防長土図の基礎データを中心に報告」するものです。

【資料10】山田稔「豊栄神社蔵の立体地形模型『芸州郡山之図』について」
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/7933703
「既述の「防長土図」に続いて、近世防長における立体地形模型の製作例として」、「芸州郡山之図」の内容、製作方法、制作者、制作年、製作目的について報告しています。

【資料11】長野覚「山岳霊場における聖・俗境界の諸相 九州英彦山を事例として」
「「彦山小形・山ノ木図」などと称され、現在に至るまで英彦山の宝物として保存されている立体模型の存在」を紹介しています。

【資料12】佐藤甚次郎「1704(宝永元)年作の鳥海山地形模型について」
https://ci.nii.ac.jp/naid/130003704032
「5宗教集落が、その生活の依存体である鳥海山の山頂の占有を長いあいだ争い、ついに庄内・矢島両藩の藩境論争にまで進展し、(中略)両藩の主張について実地検証を行ったが、このときの調査資料によって「土図張抜」を作製」したということです。模型の状態や作製過程について報告しています。

【資料13】佐藤甚次郎「18世紀初頭作の鳥海山の張抜き模型と「おこし立て絵図」」
https://ci.nii.ac.jp/naid/130003998436
「宝永元年(1704)に作製された鳥海山の地形模型(中略)は元禄16年(1703)から宝永元年にかけての庄内藩と矢島藩との鳥海山の山頂に関する境界論争の際につくられたもので、日本で現存する地形模型のもっとも古いもの」として、その作製年代や作製経緯について報告しています。

【資料14】佐藤甚次郎「江戸時代の立体地図」( http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/7955314
「境界紛争などの訴訟で、(中略)起伏の実態など地形の実情が具体的に表現するものが切実に要求された。このような必要に基づいて「張抜き絵図」が考案された」として、「鳥海山の張抜き絵図」と「防長土図」を紹介し、さらに立体的な地図の一種として「起し立て絵図」について説明しています。

(インターネット最終アクセス:2018年1月31日)
回答プロセス
(Answering process)
検索エンジンで「江戸時代」「近世」「製作」「作製」「土地」「境界」「立体」「地形」「模型」等のキーワードで検索して関連資料を参照しました。また、そこに挙げられている参考文献から、その他の関連資料にも当たりました。

なお、千葉県立図書館OPAC(蔵書検索システム)で、全項目「村絵図」「村図」「近世」「地方」「在地」や件名「絵図」「地図」「歴史」等のキーワードを組み合わせて以下の資料に当たりましたが、関連情報は見当たりませんでした。
『江戸・明治百姓たちの山争い裁判』(渡辺尚志著 草思社 2017)
『江戸幕府の日本地図 国絵図・城絵図・日本図』(川村博忠著 吉川弘文館 2010)
『近世日本の地図と測量』(鳴海邦匡著 九州大学出版会 2007)
『絵図と景観の近世』(水本邦彦著 校倉書房 2002)
『国絵図』(川村博忠著 吉川弘文館 1996)
『近世絵図と測量術』(川村博忠著 古今書院 1992)
『近世地図史研究』(木村東一郎著 古今書院 1987)
『近世村絵図研究』(木村東一郎著 小宮山書店 1962)
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
日本  (291 9版)
参考資料
(Reference materials)
【資料1】『近世絵図と測量術』(川村博忠著 古今書院 1992)(9100301110)
【資料2】『村図の歴史地理学』(木村東一郎著 日本学術通信社 1975)(千葉県内市立図書館所蔵)
【資料3】河村克典「近世の境論と地形模型」(『地理』37巻12号 古今書院 1992.12)p.48-50(1500810810)
【資料4】河村克典「境論にともなって作製された近世「地形模型」の三例」(『地図』31巻1号 日本国際地図学会 1993.3)p.34-40( https://ci.nii.ac.jp/naid/10006392516
【資料5】河村克典「大和と河内の国境論争に伴って作製された立体図」(『地図』32巻2号 日本国際地図学会 1994.6)p.13-17( https://ci.nii.ac.jp/naid/10006392600
【資料6】河村克典「愛媛県明浜町に伝わる江戸期作成の立体図」(『地図』37巻4号 日本国際地図学会 1999.12)p.14-18( https://ci.nii.ac.jp/naid/10007154501
【資料7】木全敬蔵「愛媛県松野町に伝わる17世紀作成の地形模型について」(『地図』31巻1号 日本国際地図学会 1993.3)p.27-33( https://ci.nii.ac.jp/naid/130003813285
【資料8】三浦肇・川村博忠「江戸時代作製の張抜き地形模型『防長土図』」(『地図』20巻2号 日本国際地図学会 1982.6)p.20-26( https://ci.nii.ac.jp/naid/130003998518
【資料9】山田稔「有馬喜惣太製作『防長土図』について」(『山口県立山口博物館研究報告』16号 1990.3)p.47-64(国立国会図書館デジタルコレクション 国立国会図書館/図書館送信参加館内公開)( http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/7933701
【資料10】山田稔「豊栄神社蔵の立体地形模型『芸州郡山之図』について」(『山口県立山口博物館研究報告』18号 1992.3)p.47-57(国立国会図書館デジタルコレクション 国立国会図書館/図書館送信参加館内公開)( http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/7933703
【資料11】長野覚「山岳霊場における聖・俗境界の諸相 九州英彦山を事例として」(『歴史地理学紀要』30号 歴史地理学会 1988)p.123-151(0106207648)
【資料12】佐藤甚次郎「1704(宝永元)年作の鳥海山地形模型について」(『新地理』7巻2号 日本地理教育学会 1958)p.194-199( https://ci.nii.ac.jp/naid/130003704032
【資料13】佐藤甚次郎「18世紀初頭作の鳥海山の張抜き模型と「おこし立て絵図」(『地図』17巻3号 日本国際地図学会 1979.9)p.12-18( https://ci.nii.ac.jp/naid/130003998436
【資料14】佐藤甚次郎「江戸時代の立体地図」(『地図情報』5巻4号 地図情報センター 1986.3)p.11-14(国立国会図書館デジタルコレクション 国立国会図書館/図書館送信参加館内公開)( http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/7955314
キーワード
(Keywords)
地図(チズ)
地形模型(チケイモケイ)
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献調査
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000232425解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
Twitter

このデータベースについて
国立国会図書館が全国の図書館等と協同で構築している、調べ物のためのデータベースです。詳細

活用法

刊行物・グッズ
新着データ
最近のアクセスランキング
レファ協PickUP!