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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000231524
提供館
(Library)
神奈川県立図書館 (2110018)管理番号
(Control number)
地-1700003
事例作成日
(Creation date)
2017年07月28日登録日時
(Registration date)
2018年02月28日 10時53分更新日時
(Last update)
2018年02月28日 17時54分
質問
(Question)
幕末に浦賀及び神奈川に詰めた和蘭陀通詞たちの氏名と赴任期間がわかる資料があれば教えてほしい。
回答
(Answer)
1.浦賀に詰めたオランダ通詞の氏名についてわかる資料として、下記の①~③があります。浦賀詰での赴任期間について記載のある資料は見つかりませんでした。

①『阿蘭陀通詞の研究』 片桐一男著 吉川弘文館 1985年 <801.7/33>(12684205)
 「第五節 天文台詰通詞について」(p355-p419)に浦賀詰についての記述があります。
 p366に「浦賀出張の阿蘭陀通詞としては、先には馬場佐十郎の例があるが、継続的なものではなく、その後、堀達之助の前には天保十四年六月二日長崎を出立して、浦賀に詰めた森山栄之助の例をみるに過ぎない。」とあり、当初は浦賀詰ではなく、出張であったことがわかります。
 また、p367に「馬場佐十郎の天文台勤務以降、阿蘭陀通詞の天文台勤務が継続していたことがわかる。例から判明したように、その任期は原則として一期三年で、交替の事務引き継ぎは江戸で行われた。(中略)開港前後から、江戸や浦賀で外交・応接事務が輻輳したため、天文台に二、三人詰めた時期もあり、浦賀詰・下田詰・函館詰の通詞もみるようになった。ただし、これら各地詰の通詞も、一度は江戸の天文台に入り、それから出向いたことがわかる。」という記述があり、江戸の天文台勤務になった阿蘭陀通詞が浦賀詰になっていたことがわかります。

②『<通訳>たちの幕末維新』 木村直樹著 吉川弘文館 2012年 <210.58/364>(22578785)
 p69-70に浦賀の阿蘭陀通詞について、「一八四〇年代になると、日本近海を欧米諸国の船舶が数多く航海し、さまざまな理由で寄港する船舶も出てきた。江戸の入り口にあたる浦賀には、当時浦賀奉行が設置されており、それまでは、外国船が江戸湾入口に至ると、江戸からの天文方のオランダ通詞などがやってくるというシステムがとられていた。ところが、相次ぐ来航を受けて、弘化四年(1847)からは、夏から秋にかけて、江戸へ出て来ている天文方詰オランダ通詞と昌平坂学問所詰の唐通詞が、あらかじめ浦賀に滞在するという体制へ変更した。」という記述があり、浦賀に阿蘭陀通詞が詰め始めたのは1847年以降のようです。
 また、p161-167に「神奈川の通詞」という章があり、阿蘭陀通詞の配置を浦賀から神奈川に切り替える旨や神奈川に勤務することになった6名の阿蘭陀通詞の名前の記載があります。

③『江戸時代の通訳官 阿蘭陀通詞の語学と実務』 片桐一男著 吉川弘文館 2016年 <210.5/906>(22859417)
 「三 天文台詰通詞の御用と私用」(p285-p291)のp288-290に江戸の天文台詰通詞の任命、交替の様子が列挙されています。また、「制度化してからの天文台詰通詞は、原則三ヵ年勤務ののち交替しており、若手の小通詞、稽古通詞から選ばれていたようである。」(p290)という記述等があり、天文台詰の阿蘭陀通詞の任期についての記載があります。また、p292-293「四 江戸からの出張通詞」に、異国船の来航した地へ出張又は詰めた天文台勤務の阿蘭陀通詞について列挙されています(浦賀については8件)。

2 神奈川に詰めた阿蘭陀通詞の氏名についてわかる資料として、下記の④~⑧があります。神奈川での赴任期間について記載されている資料は見つかりませんでした。

④『神奈川県奉行所職員録―開港当時の役人たち』 横浜郷土研究会 <K05.1/62/16 常置>(60204575)
 この資料は、神奈川奉行所の職員録4冊と、神奈川県の官員録3冊を各原本から影印復刻したものですが、そのうちの下記のものに阿蘭陀通詞の氏名が記載されていました。誤記もあるようで、記載されている6名の氏名は、全く同じものではありません。*印のものが、神奈川奉行所の職員録となります。
 *『港の礎』(万延元年十二月)の13丁オ(p15)に阿蘭陀通詞として6名記載されています。
 *『金川司鑑 全』(万延二年正月)の13丁オ(p41)に阿蘭陀通詞として6名記載されています。
 *『黄金花』(文久元年八月)の21丁オ(p66)に阿蘭陀通詞として5名記載されています。
 *『大平餘樂 全』(文久元年廩秋)(p82)に阿蘭陀通詞として6名記載されています。
 ・『神奈川縣官員録』(明治四年十二月)の文書課に作文掛3名、新聞翻譯掛に3名、解語掛に6名、絛約未濟國事務取扱課に1名、「譯官」(唐通詞も含む)として記載があります(p121-p123)。
 ・『神奈川縣官員録』(明治五年五月)に、文書課に作文掛3名、新聞翻譯掛に4名、解語掛に6名、「譯官」(唐通詞も含む)として記載があります(p132)。

⑤『神奈川県史 資料編10 近世(7)』 神奈川県県民部県史編集室 1978年 <K21/16/10 常置>(50020403)
 「三八八 万延元年十二月 神奈川奉行所職員録」(p550-565)のp555に、「阿蘭陀通詞」として、6名が記載されています。

⑥『横浜市史 第三巻上』 横浜市編 横浜市 1961年 <K21.1/4/3-1b 常置> (50329911)
 「第1表:神奈川府裁判所職員と神奈川奉行所職員との対照」(p12-18)に「翻訳方」「通詞」「通弁」「翻訳方手伝」という職名で、氏名の記載があります。

⑦『開港と生絲貿易 上巻』 藤本実也著 名著出版 1987年 <K67.1/16A/1 常置> (50694199)
 p239-245に「神奈川奉行所支配役付一覧」が掲載されており、p245に「通詞兼飜譯方」として6名の氏名が記載されています。

⑧「横浜通詞とガイド」 熊原政男著 (『郷土よこはま19』横浜市図書館郷土資料室 1960年p1-6) <K05.1/15/19a 常置> (60167012)
 嘉永6年にペリーが浦賀に来た当初に通訳にあたった和蘭陀通詞から始まり、神奈川奉行所の職員録の他、『神奈川奉行職員明細帳』(金沢文庫蔵)に記載されている訳官の氏名が記載されています。

 なお、『神奈川県史料 第八巻 附録部一』神奈川県立図書館編集・発行 1972年<K27/19/8 常置>(50467851)には、明治元年から明治17年の「旧官員履歴」が掲載されており、「通詞」「通弁」等の役職が見受けられます。
回答プロセス
(Answering process)
①神奈川県・横浜・浦賀の歴史、職員録等を調査
②阿蘭陀通詞について調査
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC 
参考資料
(Reference materials)
片桐一男 著 , 片桐, 一男, 1934-. 阿蘭陀通詞の研究. 吉川弘文館, 1985.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001729959-00 , ISBN 4642031154
木村直樹 著 , 木村, 直樹, 1971-. 〈通訳〉たちの幕末維新. 吉川弘文館, 2012.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I023344115-00 , ISBN 9784642080729
片桐一男 著 , 片桐, 一男, 1934-. 江戸時代の通訳官 : 阿蘭陀通詞の語学と実務. 吉川弘文館, 2016.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I027111186-00 , ISBN 9784642034722
神奈川県県民部県史編集室 編 , 神奈川県県民部県史編集室. 神奈川県史 資料編10 近世(7). 神奈川県県民部県史編集室, 1978.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I003597372-00
横浜市. 横浜市史 第三巻上. 横浜市, 1961. (当館請求記号 K21.1/4/3-1b 常置, 当館資料番号 50329911)
藤本実也 著 , 藤本実也. 開港と生絲貿易 上巻. 名著出版, 1987.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I004018064-00
キーワード
(Keywords)
阿蘭陀通詞
オランダ通詞
通訳官
神奈川
浦賀
幕末
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介
内容種別
(Type of subject)
郷土
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000231524解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
未解決
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