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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000229272
提供館
(Library)
東京都立中央図書館 (2110013)管理番号
(Control number)
0050003829
事例作成日
(Creation date)
20150610登録日時
(Registration date)
2018年01月28日 00時30分更新日時
(Last update)
2018年01月31日 18時09分
質問
(Question)
昭和20年当時、「藝」の漢字が当用漢字だったかどうか知りたい。また、「芸」は「藝」の略字なのか、「ウン」という読みを持つ別字なのか確認したい。
回答
(Answer)
(1)1945(昭和20)年当時「藝」は当用漢字か
「文化庁」( http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kakuki/syusen/tosin02/index.html  最終アクセス日:2017年11月15日)より、1946(昭和21)年当時は当用漢字であったことがわかる。
「当用漢字表」は1946(昭和21)年11月に制定されている。文化庁ホームページの「国語施策・日本語教育>国語施策情報>国語審議会(終戦~改組)」に記載がある。このページ内の「聿部~辛部」のリンクを開くと「艸部」の項目があり、」「藝」が掲載されていることが確認できる。

 (2)「芸」は「藝」の略字か別字か
資料1、2、4より、「ウン」と読む「芸」は「藝」とは別字であると思われる。
『当用漢字辞典』(資料1)のp.378に「芸〔藝〕」の項目があり、「凡例」(p.2)に「検索語又は説明文中、当用漢字表になく他の漢字をもって代用したものは〔 〕又は( )の中にもとの漢字を示してある」との記載がある。したがって「芸」は当用漢字表にないことがわかる。
 また、『大漢和辞典 巻9』(資料2)のp.557に「芸」(草冠が二つに分かれている四画のもの)の項目があり、「ウン」の発音が記載されている。さらにp,558に「芸」(草冠が三画のもの)の項目があり、「藝の略字(「藝」の草冠は四画)」という説明と「ゲイ」の発音が記載されている。「藝」(草冠が三画)は、『大漢和辞典』では確認できなかった。

(参考)くさかんむりについて 
くさかんむりの三画と四画について『日本国語大辞典 第4巻』(資料3)のp.803「くさかんむり」の項目には、古い楷書体では四画であり、常用漢字では三画である、と説明されている。
 
 手がかりを得るために「漢字文化資料館 漢字 Q&A<旧版> Q0289 「芸」という字をウンと読んでいるのを見かけたのですが、そんな読み方があるのですか?」( http://kanjibunka.com/kanji-faq/old-faq/q0289/  最終アクセス日:2017年11月15日)この「漢字文化資料館」は『大漢和辞典』の出版社である大修館が作成しているものである。このWebページには、当用漢字制定時に「藝」という漢字として、「芸」が使われるようになったが、当時「ウン」と読む「芸」の字が別に存在していたと記載がある。

過去のレファレンス記録をもとに、「当用漢字字体表の問題点(林 大著、昭和38年10月)」(資料4に収録)を調査した。

資料4p.278の「当用漢字字体表」の解説に、「当用漢字字体表」は、1949(昭和24)年4月、国語審議会から文部大臣に答申され、3か条の「まえがき」がある、と記載がある。この「まえがき」には「当用漢字表」の字体の標準、選定、異体の統合、略称の採用、点画の整理について書かれている。p.284-300にまえがきの備考についての解説があり、p.285に「この表の字体には、(一)活字に従来用いられた形をそのまま用いもの、(二)活字として従来二種類以上の形があった中から一を採ったもの、(三)従来活字としては普通に用いられていなかったものがある。この表では、(三)のうち著しく異なったものには、従来の普通の形を下に注した。」とある。
この(三)の類型としてp.296に「(7)部分的に省略された例」が挙げられており、芸藝の文字がある。
「これらは、1点1画を減ずるというよりも、比較的複雑な構成をもつ字体の、あるまとまった部分を省略するものである。」と解説している。
p.297に「「芸」については、別に香草のウンが本来この字形をもつのとさしさわるという点で非難がある。しかし、当用漢字の範囲内としては問題がない。(中略)「芸」(ウン)は芸香、芸草、芸閣、芸亭などと熟語も多く、目に触れる機会もまれではないところに問題がある。(中略)「芸」(ゲイ)は現に世間で用いられているとして採用されることになった。」と記載がある。

このことから、「芸」は本来ウンの意味の字形だった。複雑な字形「藝」を省略した漢字としての「芸(ゲイ)」は問題ないとされ、「当用漢字字体表」に採用されたと思われる。
回答プロセス
(Answering process)
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
音声.音韻.文字  (811 9版)
参考資料
(Reference materials)
【資料1】当用漢字辞典/関宦市/共編/中教出版 ,1951 <8132/ 9/>
【資料2】大漢和辞典 巻9/諸橋轍次/著/大修館書店,1989.12 <R/8132/61/9C>
【資料3】日本国語大辞典 第4巻/小学館国語辞典編集部/編集/小学館 ,2001.4 <R/813.1/5020/4>
【資料4】漢字/教育出版 ,1974 <8108/5/6>
キーワード
(Keywords)
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
言葉
質問者区分
(Category of questioner)
登録番号
(Registration number)
1000229272解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決