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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000221621
提供館
(Library)
大阪市立中央図書館 (2210006)管理番号
(Control number)
1G17004446
事例作成日
(Creation date)
2017年03月17日登録日時
(Registration date)
2017年09月07日 00時30分更新日時
(Last update)
2017年11月24日 00時30分
質問
(Question)
アンデルセンの「絵のない絵本」の初版に挿し絵はあったのか。
回答
(Answer)
「絵のない絵本」の初版は、デンマークで1839年12月20日に刊行された『Billedbog uben Billeder』1840年版(コペンハーゲン大学図書出版、C・A・ライツェル発行)で、第20夜までが収録されています。33夜全編を収録した最初の単行本は、1855年11月28日に刊行された1856年版(第4版)です。
上記の初版の挿絵の有無について記載されている資料を見つけることはできませんでしたが、挿絵がなかったことをうかがわせる記載があった資料や、上記初版についての記載があった資料を以下にご紹介します。

『絵のない絵本』(アンデルセン/著  山野辺 五十鈴/訳 集英社, 1991.11)
p.108-125「解説」のうち、p.124にデンマークでアンデルセン生誕150年記念に挿絵つきの『絵のない絵本』(マリエ・ブランデ(デンマークの画家)挿絵、アンデルセン記念館発行)が出版され、トプセー・イエンセンが「これで(挿絵を入れることで)はじめて責任重大な課題が果たされた」と序文に記載されています。

『アンデルセン自伝-わが生涯の物語-』(アンデルセン/著 大畑 末吉/訳 岩波書店, 1981.12)
p.228「この小さな本は批評と版の数から見て、ドイツでは異常な幸運に遭遇したらしい。(中略)スウェーデンでもイギリスでもこの本の翻訳が出た。」とあり、イギリスでの出版について「まもなくこの本を豪華版で出すからといって、校正刷りが送られてきた。それは後にドイツでも作られたような絵入りの『絵のない絵本』であった。さて、かんじんの本国ではあまり注目されなかった。」と記載されています。

『アンデルセンの研究』(平林広人/著 東海大学出版会, 1967)
「1. 絵のない絵本ができるまで」の章(p.7-36)のうち、p.9-10に『絵のない絵本』が、メンデルスゾーンが作曲した「Lieder ohne Worte(言葉のない歌)」にヒントを得たものであることが知られており、また、アンデルセンは『絵本ない絵本』の巻頭に「もっと天分のある画家か、詩人かまたは作曲家などに、心ゆくまで手がけてもらったならば、これよりもはるかに立派なものに仕上げてもらえたことでしよう」と述べていると記載されています。
p.10-11に「イギリスとドイツで<絵のない絵本>の翻訳書が現れた。ところがドイツの本には絵が入れてあったというので、いまもってデンマークで話題にのぼっている」と記載されています。また、このことに関する文学史論家シュワネンフュリゲル博士の文章が、次のように引用されています。
「その当時ライツェル兄弟社で、何かそのような低俗な絵入りドイツ語訳本でもあったら手に入れたいと思って探してみたが一切無効であった。それはアンデルセンの詩人としての権威に対する尊敬のあらわれである。(中略)もともとこの小冊子は一片の絵も入れてはならない本として一人の芸術家の手によって生み出された特殊な書物なのである。彼自身はまことに絵を超絶した真実の画家であるのだ。」
p.18-19に、上記『アンデルセン自伝-わが生涯の物語-』のp.228にある、イギリスでの出版についての部分の引用があります。
p.26-28には「絵のない絵本の成立年表」の項があり、発行年月日や版等についての記載があります。この年表によると、『絵本ない絵本』の初版は、「コペンハーゲン大学図書出版、C・A・ライチェル発行一八四〇年版(但し、最初の二十夜分だけで、一八三九年十二月二十日に刊行されている。)」と記載されています。また、第四版について「三十三夜全編を結集した最初の単行本、(中略)、C・A・ライツェル、一八五六版(一八五五年十一月二十八日刊行)」と記載されています。
なお、年表には、挿絵の有無については記載されておりません。

『アンデルセンの研究』は国立国会図書館デジタルコレクション( http://dl.ndl.go.jp/ )(2017.09.27確認)でも閲覧いただけます。

・国立国会図書館デジタルコレクション『アンデルセンの研究』(平林広人 著 東海大学出版会, 1967)(図書館送信参加館内公開)
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1698671 (2017.09.27確認)
回答プロセス
(Answering process)
1. 商用データベース「JapanKnowledge」で“絵のない絵本”→「日本大百科全書(ニッポニカ)」の「絵のない絵本」の項より、原題「Billedbog uden Billeder」であること、1840年初版出版であることを確認。(資料1)

2. データベースCiNii Articlesで“絵のない絵本”ד初版”全文検索→有用資料なし。

3. NDL-OPACで“絵のない絵本”ד初版”全文検索→有用資料なし。

4. 当館所蔵資料をフリーワード“絵のない絵本”、AJ区分(おとな向け/子ども向け)「おとな向け」で検索し、資料2が見つかる。

5. 当館所蔵資料を件名“アンデルセン”、AJ区分(おとな向け/子ども向け)「おとな向け」で検索し、資料3が見つかる。

6. 国立国会図書館デジタルコレクション( http://dl.ndl.go.jp/ )(2017.09.27確認)をキーワード“Billedbog uden Billeder”を検索し、資料4が見つかる。

7. 当館蔵書検索で資料4の現物を検索し、資料5が見つかる。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
その他のゲルマン文学  (949 9版)
参考資料
(Reference materials)
当館書誌ID <0000557443>  絵のない絵本(集英社文庫) アンデルセン/[著] 集英社 1991.11 9784087520187 (資料2)
当館書誌ID <0070035953>  アンデルセン自伝 -わが生涯の物語- [アンデルセン/著] 岩波書店 1981.12  (資料3)
当館書誌ID <0080044351>  アンデルセンの研究 平林 広人/著 東海大学出版会 1975  (資料5)
商用データベース「JapanKnowledge」 (資料1)
国立国会図書館デジタルコレクション『アンデルセンの研究』(平林広人 著 東海大学出版会, 1967)(図書館送信参加館内公開)  http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1698671  (資料4)(2017.09.27確認)
キーワード
(Keywords)
アンデルセン
絵のない絵本
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
内容種別
(Type of subject)
こども
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000221621解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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