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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000216217
提供館
(Library)
国立国会図書館(National Diet Library) (1110001)管理番号
(Control number)
D161122152611
事例作成日
(Creation date)
2016/12/3登録日時
(Registration date)
2017年05月18日 00時30分更新日時
(Last update)
2017年05月18日 00時30分
質問
(Question)
『紅葉婆』(金剛社・1922年)がどういう経緯、背景で、日本に入ってきたかを知るために最初の訳者である恵美敦郎について調べている。当該資料を下記の国立国会図書館デジタルコレクションで確認したが、本編以外の情報 は、記載されていない。
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I001839336-00
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/920406
出典:
『図説児童文学翻訳大事典第 1巻』(児童文学翻訳大事典編集委員会大空社2007年6月)。
回答
(Answer)
バロネス・オルツィ(Orczy, Emmuska Orczy, 1865-1947)による小説『The Scarlet Pimpernel』(1905)を訳した次の図書の訳者・恵美敦郎について調べました。
・オーツイ夫人 著 ; 恵美敦郎 訳. 紅[ハコベ]. 金剛社, 大正11. 248p(世界伝奇叢書 ; 第7編)【特114-238】

次の図書や個人のウェブサイトによれば、恵美敦郎は同じ金剛社「世界伝奇叢書」シリーズの第5編で『悪の巷』(当館未所蔵、他館所蔵先も見当たらず)を訳しているとされています。
・伊藤秀雄 著 大正の探偵小説 : 三一書房, 1991【KG381-E47】269 ページ
・MISDAS>翻訳ミステリ総目録 1916-2005>出版社別リスト 032( http://www.ne.jp/asahi/mystery/data/WD/PB/PB_032.html

次の新聞に掲載された『悪の巷』出版広告によれば、「訳者は文壇某氏の覆面」とされていました。
・「(広告)東雲堂 世界伝奇叢書 秘密の函 セクストンブレエク 酒井一郎訳 悪の巷 ル・キユー 恵美敦郎訳ほか」『朝日新聞』1922年5月25日 東京/朝刊 4ページ
恵美敦郎という筆名からは「文壇某氏」は判然としませんでした。
以下、参考までに探索ポイントを述べておきます。

初訳について確認したところ、次の専門書誌に次のような記述がありました。
・青山富士夫 編 20世紀イギリス文学作家総覧 1 (小説) 北星堂書店 1979 【KS72-7】
p.42「The Scarlet Pimpernel (1905 〔略〕植松正訳『紅ハコベ』紅玉堂1915 金剛社1926〔以下略〕」
『紅はこべ』初訳とされる図書の訳者を「植松正」としていますが、後述の理由から、植松の訳書は『The Scarlet Pimpernel 』(1905年刊)の翻訳ではなく、『Lord Tony's Wife 』(1917年刊)の翻訳(を2分冊にしたもの)と考えられます。

・国立国会図書館 編 明治・大正・昭和翻訳文学目録 風間書房 1984【KE111-22】p.73
「恐怖の巷    植松正  金剛社    〔大15〕
 [略]
 紅ハコベ    植松正  金剛社    〔大15〕
 紅ハコベ    植松正  紅玉堂書店  〔大4〕」
上記のように、紅玉堂大正4年版があったとしていますが、この翻訳書誌の巻頭「凡例」を見ると「〔 〕内はすべて推定による記入である。」とあるので、年代「〔大4〕」は必ずしも図書現品から採録したものではないようです。

当館所蔵の次の2冊の目次とウェブサイト上にある『Lord Tony's Wife』の原作目次を比較すると概ね一致するようです。また金剛社本の奥付には発売所「紅玉堂書店」とあります。
・オルツイ 著 、 植松正 訳 紅ハコベ 金剛社 大正15【特107-605】
・オルツイ 著 、 植松正 訳 恐怖の巷 金剛社 大正15【特107-606】
・The Project Gutenberg eBook of Lord Tony's Wife: An Adventure of the Scarlet Pimpernel, by Baroness Emmuska Orczy.( http://www.gutenberg.org/files/35117/35117-h/35117-h.htm

また訳者とおぼしき人物による回想文にも同様のことが書かれていました。
・植松正 著 去日来日 勁草書房 1977【A118-58】
p.6「一八歳の時オルツイ男爵夫人(Baroness Orczy)の『トニイ卿の妻』(Lord Tony's Wife)の翻訳を出版〔略〕邦訳の題名は『紅ハコベ団』および『恐怖の巷』という二冊ものにして〔以下略〕」
一方で、恵美敦郎訳『紅[ハコベ]』の目次と次の欧文サイトの『The Scarlet Pimpernel』の原作目次を比べると意味は概ね一致するようです。
・The Scarlet Pimpernel, by Baroness Emmuska Orczy. Read it now for Free! (Homepage)( http://www.pagebypagebooks.com/Baroness_Emmuska_Orczy /The_Scarlet_Pimpernel/index.html)

恵美敦郎訳『紅[ハコベ]』・植松正訳『紅ハコベ』を出版・販売した金剛社および紅玉堂書店の経営者・西村辰五郎(西村陽吉)から何か分からないか、次の文献を参照しましたが明確には判りませんでした。
・斉藤英子 著 西村陽吉 短歌新聞社 1996【KG582-G41】

その他に参照したレファレンス・ツール類は次のとおりです。
・安藤勝 編 英米文学研究文献要覧 日外アソシエーツ 1987【KE111-10】ほか
・山前譲 編 ミステリー文学資料館 監修 探偵雑誌目次総覧 日外アソシエーツ 紀伊國屋書店 (発売) 2009【KG1-J20】
・Googleブックス
・皓星社ざっさくプラス
・聞蔵IIビジュアル
・皓星社 雑誌記事索引集成データベース(ざっさくプラス)   

※【 】内は当館請求記号です。
※上記で参照したウェブサイトでURLの記載のないものは次のリンク集にあります。
・人文リンク集(国立国会図書館)
http://rnavi.ndl.go.jp/humanities/jinbunlinks.php
※ウェブサイトの最終アクセス日は2016年11月30日です。
回答プロセス
(Answering process)
事前調査事項
(Preliminary research)
大正時代の人物事典
Whoplus
NDC 
参考資料
(Reference materials)
キーワード
(Keywords)
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
登録番号
(Registration number)
1000216217解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
未解決
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