レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015/10/24
- 登録日時
- 2017/03/01 00:30
- 更新日時
- 2024/03/30 00:37
- 管理番号
- M15111813477321
- 質問
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『備陽記』の原本・類本・刊本等の伝存状況が知りたい。
- 回答
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・『岡山県大百科事典』(資料①)によれば、「備陽記」は「岡山藩士石丸定良が一生を費やして編さんした岡山藩最初の私撰の地誌」で「岡山大学附属図書館の池田家文庫に収められている」とある。
・『岡山の古文献』(資料②)の「備陽記」の解題によれば、「明治期、郷土資料の蔵書家として知られた塚本吉彦の蔵書は、戦前岡山県立図書館に寄託されていたが、大正五年(一九一六)彼の没後遺族の手で売り捌かれて散逸した」とある。本書収録の「備陽記原本入手覚書」には、塚本が原本とみなす「備陽記」の入手経緯に加えて「巻二一」の欠巻を旧国学文庫蔵本から補写したことが示され、「その行方は不明」としている。本書より確認できる「備陽記」諸本の伝存状況は次のとおり。
A 旧国学文庫 蔵本 35巻(所在不明)
B 池田家文庫 蔵本 35巻16冊(Aを謄写したもの)
C 岡山市立中央図書館 蔵本 合本16冊(Bを底本としたもの)
D 塚本吉彦所蔵本 25巻25冊
なお、同書(資料②)の「備前記」の解題によれば「石丸はこの備前記をもとに、享保六年(一七二一)著名な備陽記を編さんしたと考えられる」としている。
・復刻版『備陽記』(資料③)は、上記Cの底本であることが書かれている。
・岡山県立図書館所蔵『備陽記 13』(資料④)には、「備前國學之記」と「侯爵池田家寄贈」の旧蔵印が押され、塚本吉彦の旧蔵印は見えなかった。
・『正宗文庫所蔵典籍分類目録 郷土関係編』(資料⑤)には、正宗文庫が所蔵する「備陽記」を次のとおり確認することができる。
「備陽記 二五巻 石丸定良編 享保六・九写(編者自筆)巻二一塚本吉彦補写 塚本吉彦旧蔵印」
そのほかに下記機関でも「備陽記」写本の所蔵が確認できる。
九州大学附属図書館蔵「備陽記」(1837年,井土直縄写本)
http://hdl.handle.net/2324/432109
内閣文庫蔵「備陽記」(明治10年,写本)
http://www.digital.archives.go.jp/das/meta/F1000000000000002371
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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日本古典籍総合目録データベースにより「備陽記」の所蔵状況を確認した。
- NDC
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- 図書.書誌学 (020 9版)
- 参考資料
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①岡山県大百科事典編集委員会『岡山県大百科事典 下 た?ん』岡山 山陽新聞社,1980,1462p. 参照はp.626.
②中野美智子『岡山の古文献』岡山 日本文教出版,1988,173p. 参照はp.14-25.
③石丸定良『備陽記』岡山 日本文教出版,1965,791p. 参照はp.1.
④深井紀夫『正宗文庫所蔵典籍分類目録 郷土関係編』備前 正宗文庫,1995,218p. 参照はp.114.
⑤〔石丸 定良/編〕『備陽記 13(22巻 23巻)』〔製作地不明〕 〔製作者不明〕,〔製作年不明〕,1冊.
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①岡山県大百科事典編集委員会『岡山県大百科事典 下 た?ん』岡山 山陽新聞社,1980,1462p. 参照はp.626.
- キーワード
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- 備陽記
- 石丸定良
- 正宗文庫
- 照会先
- 寄与者
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- 岡山市立中央図書館
- 岡山大学附属図書館
- 備考
- M2015111813465677321
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 全年齢
- 登録番号
- 1000210790