レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017/01/18
- 登録日時
- 2017/02/25 00:30
- 更新日時
- 2017/03/22 18:25
- 管理番号
- 6000031422
- 質問
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解決
ロウバイの古名はカラウメというそうだが、この由来について、「唐」は、唐の時代なのか、中国の別名の唐の国からきたという意味なのか、わかる本はあるか。
- 回答
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『植物和名語源新考』(八坂書房)p.201に「蠟梅は、わが国へは、後水尾天皇の時代(1611~29年)に、朝鮮を経て渡来したといわれる」
p.200に「梅とはいっても、花期と香気とがこれと似ているだけで、まったく別科(ロウバイ科)の植物である。」
『日本国語大辞典 第二版 第13巻』(小学館)p.1152に「中国原産で、江戸初期に朝鮮を経て渡来し」とある。『日本国語大辞典』には「カラウメ」では載っていなかった。
『日本国語大辞典 第二版 第3巻』p.1046「から【唐・韓・加羅】」の説明文に「〖語素〗語の上に付けて、朝鮮や中国、さらにひろく外国から渡来した人や物を表す。」と
記載あり。例に唐衣(からころも)・唐囀(からさえずり)・唐玉(からたま)・唐人(からびと)が挙げられている。
『古事類苑 植物部一』(吉川弘文館)p.252では大和本草を引用して「近年中夏ヨリワタル」「中華ノ書ニ多ク記シ」、
p.253では重修本草綱目啓蒙を引用して「コノ木ハ百九代後水尾帝ノ時、朝鮮ヨリ来ルト云傳フ、故ニ俗ニカラムメ等ノ名アレドモ、今ニ至テハ皆蠟梅ト稱ス」とある。
ちなみに唐王朝は『世界大百科事典 第19巻』(平凡社)によるとpp.496-499に「618-907年」「923-936年」「937-975年」と3つ載っていた。
唐王朝の時代は蠟梅が日本に渡来した時期より何世紀も前。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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『原色樹木大図鑑』、Webサイト「筑波実験植物園」、『最新園芸大事典 第4巻』(誠文堂新光社 S.46年)、『園芸植物大事典 1』、『園芸植物大事典 5』(小学館 1989年)、『四季の花事典』(八坂書房)
- NDC
- 参考資料
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- 日本国語大辞典第3巻小学館国語辞典編集部/編集小学館 (p.1046)
- 日本国語大辞典第13巻小学館国語辞典編集部/編集小学館 (p.1152)
- 植物和名語源新考深津 正/著八坂書房 (p.201)
- 古事類苑49吉川弘文館 (p.252)
- キーワード
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- 蠟梅(ロウバイ)
- ロウバイ(ロウバイ)
- カラウメ(カラウメ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 庁内
- 登録番号
- 1000210564