レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016年12月26日
- 登録日時
- 2016/12/28 00:30
- 更新日時
- 2017/12/28 00:30
- 管理番号
- 3A16004011
- 質問
-
解決
お年玉付き年賀はがきの発案者、林正治氏について知りたい。大阪・心斎橋で商売をしていたらしいが、どのような商売をしていたのか。
- 回答
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お年玉付き年賀はがきは昭和24(1949)年12月1日に初めて発行されました。発案者である林正治さんは、京都在住で、大阪の心斎橋で洋(用)品雑貨会社「洋服林」(のちに「株式会社ハヤシ」)を経営していたようです。また、そのかたわら水彩画を描く画家でもあったようです。
関連記述のある資料を以下にご紹介します。
・商用データベース「JapanKnowledge(ジャパンナレッジ)」(イミダス2017)(2017.11.27確認)
【お年玉付き年賀はがき[イミダス編 社会・健康] 】の記事に、「くじ付きのアイデアは、京都に住む用品雑貨会社経営の林正治さん」とあり、提案された経緯についての記述があります。
また、「初めて発行されたのは、昭和24(1949)年12月1日に売り出された昭和25年用」とあり、当時の賞品も紹介されています。
・『童夢へ』(林 みのる/著 幻冬舎, 2009.1)
林正治さんの子である林みのるさんの自伝で、p.9-23に「林正治という父親」の章があります。
うち、p.9-10に「父は画家に憧れ続けその夢を成就させているが、祖父の経営していた樹脂加工の会社を継いで敏腕をふるっていた最中に、火災で工場が全焼してしまったのを契機に閉鎖してしまい念願の専業作家生活が始まった」とあります。ただし、会社の場所や年代についての記述はありません。
・『年賀状の戦後史』( 内藤 陽介/[著] 角川書店, 2011.11)
p.26に「京都在住で大阪・心斎橋北詰で洋品雑貨店「株式会社ハヤシ」を経営していた林正治(まさじ)」とあります。
・『サンデー毎日 66巻1〜7号』(毎日新聞社, 1987.1-2)
66巻1号(1987.1/4,11号)p.27に「当時林さんは42才。京都に住み、大阪の心斎橋で用品雑貨の会社を経営。そのかたわら、水彩画を描くプロ級の“町の画家”であった」とあります。
・日本郵政株式会社:『年賀状の歴史と話題』 (郵政研究所附属資料館(逓信総合博物館)平成8年11月)
http://www.post.japanpost.jp/kifu/data/h0811_nenga.pdf (2017.11.27確認)
「くじ付き年賀葉書の誕生」に「京都に住む林正治氏によって考案された」、「氏は全くの一民間人で、大阪の心斎橋で用品雑貨の会社を経営していた」とあります。
また、昭和24(1949)年当時ではありませんが、当館所蔵の昭和29(1954)年から昭和59(1984)年にかけての電話帳や地図で「洋服林」または「(株)ハヤシ」等と記載された資料が見つかりましたのでご参考まで以下にご紹介いたします。
[電話帳]
『職業別電話番号簿 : 大阪市尼崎・布施・吹田・守口』 (日本電信電話公社近畿電気通信局大阪管理部, 1954.12)
p.929「洋品雑貨」の項に「ハヤシ株式 南、末吉橋」の記載があります。
『大阪市職業別電話帳 昭和56年5月1日現在 下』(日本電信電話公社近畿電気通信局, 1981.9)
p.474「洋品雑貨:南区」の項に「ハヤシ(株)南、末吉橋」の記載があります。
『大阪市職業別電話帳 昭和57年11月1日現在 下』(日本電信電話公社近畿電気通信局, 1983.3)
p.489「洋品雑貨:南区」の項に「ハヤシ(株)」の記載があります。電話番号は上記電話帳と同じですが、住所は「南船場」となっています。
『タウンページ : 大阪市 : 職業別電話帳 昭和59年5月1日現在 中巻』(日本電信電話公社近畿電気通信局, 1984.9)
p.611「洋品雑貨:南区」の項に「ハヤシ(株) 南、南船場」の記載があります。
この翌年以降、昭和60(1985)、61(1986)、62(1987)年の電話帳を確認しましたが、「洋品雑貨」の項に「ハヤシ(株)」は見当たりません。
[地図]
『大阪市全商工住宅案内図帳 南区 昭和34年版』(住宅協会出版部/編 住宅協会出版部, 1959)
p.2 心斎橋筋北詰、南区末吉橋通に「洋服林」の記載があります。
『大阪市全商工住宅案内図帳 南区 昭和43年』 (住宅協会出版部/[編] 住宅協会出版部, 1968-1986)
昭和43(1968)、46(1971)、50(1975)、56(1981)、57(1982)、59(1984)、61(1986)年の地図が合冊になった資料です。
昭和43年、46年のp.2 南区末吉橋通に「洋服林」があります。
また、昭和50年のp.2 南区末吉橋通に「(株)ハヤシ」の記載があります。
昭和56年以降には上記住所に「洋服林」や「(株)ハヤシ」の記載は見当たりません。
『大阪市精密住宅地図 南区 : 大阪市全商工住宅案内図帳 昭和53年8月(再版)』(吉田地図/[編] 吉田地図, 1978.8)
p.2 南区末吉橋通に「(株)ハヤシ」の記載があります。
『大阪市精密住宅地図 南区 : 全商工住宅案内図帳 [昭和55年](再版)』( [吉田地図], [2007])
p.2 南区末吉橋通に「(株)ハヤシ」の記載があります。
- 回答プロセス
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1.商用データベース「JapanKnowledge」で“お年玉付き年賀はがき”を検索し、「イミダス2017」の記事が見つかる(資料1)。
2.商用データベース「日外e-レファレンス・ライブラリー」(人物レファレンス事典plus)で“林正治”を検索し、【林みのる】(伝記・評伝情報)の項から資料2が見つかる。
3.インターネット検索エンジンを“お年玉付年賀はがき”ד林正治”で検索し、資料3が見つかる。
4.プロセス3でヒットしたホームページの情報より資料4が見つかる。
5.当館所蔵の電話番号簿、住宅地図を確認。資料5、6、7、8、9、10、11、12が見つかる。
6.商用データベース「magazineplus」で“林正治”を検索し、資料13が見つかる。
- 事前調査事項
- NDC
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- 郵便.郵政事業 (693 9版)
- 日本 (291 9版)
- 参考資料
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- 当館書誌ID <0011789491> 童夢へ 林 みのる/著 幻冬舎 2009.1 978-4-344-01608-8 (資料2)
- 当館書誌ID <0012399810> 年賀状の戦後史(角川oneテーマ21 B-152) 内藤 陽介/[著] 角川グループパブリッシング(発売) 2011.11 978-4-04-110087-5 (資料4)
- 当館書誌ID <0080242241> 大阪市全商工住宅案内図帳 南区 昭和34年版 住宅協会出版部/編 住宅協会出版部 1959 (資料5)
- 当館書誌ID <0080242228> 大阪市全商工住宅案内図帳 南区 昭和43年 住宅協会出版部/[編] 住宅協会出版部 1968-1986 (資料6)
- 当館書誌ID <0000435524> 大阪市精密住宅地図 南区 :再版 -大阪市全商工住宅案内図帳- 昭和53年8月 吉田地図/[編] 吉田地図 1978.8 (資料7)
- 当館書誌ID <0011381507> 大阪市精密住宅地図 南区 :再版 -全商工住宅案内図帳- [昭和55年] [吉田地図] [2007] (資料8)
- 当館書誌ID <0010182760> 職業別電話番号簿-大阪市尼崎・布施・吹田・守口- 日本電信電話公社近畿電気通信局大阪管理部 1954.12 (資料9)
- 当館書誌ID <0000527655> 大阪市職業別電話帳 昭和56年5月1日現在 下 日本電信電話公社近畿電気通信局 1981.9 (資料10)
- 当館書誌ID <0000527657> 大阪市職業別電話帳 昭和57年11月1日現在 下 日本電信電話公社近畿電気通信局 1983.3 (資料11)
- 当館書誌ID <0000527536> タウンページ -大阪市- 昭和59年5月1日現在 中巻 日本電信電話公社近畿電気通信局 1984.9 (資料12)
- 当館書誌ID <0080299450> サンデー毎日 66巻1〜7号 毎日新聞社 1987.1-2 (資料13)
- 商用データベース「JapanKnowlage」 (イミダス2017)(2017.11.27確認) (資料1)
- 日本郵政株式会社:『年賀状の歴史と話題』 (郵政研究所附属資料館(逓信総合博物館)平成8年11月)(2017.11.27確認) http://www.post.japanpost.jp/kifu/data/h0811_nenga.pdf (資料3)
- キーワード
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- 大阪府大阪市南区
- 心斎橋
- お年玉付き年賀はがき
- 年賀状
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000205457