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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000200807
提供館
(Library)
千葉県立中央図書館 (2120001)管理番号
(Control number)
千県中参考-2016-32
事例作成日
(Creation date)
2016/08/28登録日時
(Registration date)
2016年12月04日 00時30分更新日時
(Last update)
2016年12月04日 09時17分
質問
(Question)
海で起こる波の一種に「三角波」というのがあるが、そのメカニズムから対策まで全般的に知りたい。
回答
(Answer)
下記の辞典類や一般図書のうちの一項目として「三角波」の概要が載っています。
【資料1】『気象ハンドブック』(新田尚編集 朝倉書店 2005)
p.661「三角波」
「大きい場合(pyramidal wave)と小さい場合(chopping wave)とがあり、複数の波がぶつかり合ってできる大きな尖った波を、俗に三角波と呼んでいる」。大きい場合と小さい場合それぞれの発生原因について述べており、特に前者は三角波のほか「一発大波」や「気まぐれ波」とも呼ばれるそうです。

【資料2】『自然災害と防災の事典』(京都大学防災研究所監修 丸善出版 2011)
p.172「三角波」(森信人)
三角波を高波とは区別した上で、高波による災害に関して、天気予報で伝えられる波の高さ(有義波高)の「2.0倍を超える最大波は、異常波浪やフリークウェーブ(Freak Wave)とよばれる」としています。

【資料3】『海の自然と災害』(宇野木早苗著 成山堂書店 2012)
p.139「わが国では危険な波として古くから三角波が注目されていました。これは台風内のように混乱した海域で方向の異なる発達した波同士が衝突してできるもので、上記のフリーク波とはイメージが異なります」。

【資料4】『海の気象がよくわかる本』(森朗著 枻出版社 2012)
p.52~53「一発大波」
「波が重なると波の高さが足し算されて、大きな三角波が出現する。(中略)大きな波同士が重なれば、一発大波、あるいはフリークウェイブ、ローグウェイブと呼ばれる、想像を絶するような大波が出現することになる」。

【資料5】『海の波を見る』(光易恒著 岩波書店 2007)
p.22「異常な波(三角波)」
「平均波高の3~5倍の波が出現することも報告されている。こういう波は「異常波浪」、あるいは「フリーク・ウェーブ」とよばれて、最近さかんに研究されている。異常波浪に関連して、昔から船乗りたちが、船の遭難を引き起こす波として恐れてきた「三角波」とよばれる波がある」。
筆者が北大西洋で撮影した三角波の写真が載っています。

また、「三角波」についてより詳細に書かれた記事を紹介します。
【資料6】松本次男「三角波」(『海と安全』11巻9号)p.17
三角波の成因について、気象的要因、海象的要因、地形的要因の3点から述べています。「悪条件が重なると、波エネルギーが一ヶ所に集中して、突如波頭の険しい異常高波を発生させる。この高波を外国ではアブノーマル・ウェーブまたはフリーク・ウェーブと呼ぶ。日本では稀に、しかも突如として発生するので一発大波、また形から三角波または鉄砲波などと呼んでいる」。

【資料7】野口岩男「三角波」(『気象』195号)p.11
「狭義の三角波」(進行方向の異なる二つの波がぶつかったときにできる、峰のとがった波)のほか、「重複波」や「しお波」も三角波の一種として解説しています。

なお、必ずしも三角波との関係が明確ではありませんが、フリーク波についてはより詳細な研究がなされているようです。国立国会図書館サーチや検索エンジンで「フリーク波」「Freak wave」「巨大波」「異常波」等のキーワードで検索することで関連論文を探すことができます。以下、特に「三角波」について言及されている論文を挙げます。

【資料8】冨田宏・早稲田卓爾・川村隆文[他]「巨大海洋波・Freak Waveの発生機構の解明と予測 海洋流体力学の一章として」(『ながれ』25巻1号)p.39~48
p.43「Freak Wave 研究の起源」として、「この様な一種の異常波浪についてはそれ以前から多くの研究者や観察者によって言及されており、特に海員の間では「一発大波」、「三角波(Pyramidal Wave)」等の呼称で何世紀も前から知られかつ恐れられてきた」としています。

【資料9】早稲田卓爾「外洋に突発的に現れる異常波の発生と気象条件」(『海と空』85巻2号)p.49~56
p.49「日本語の三角波という言葉は、円錐形の波形を想起させるが、例えば衛星画像で捉えたフリーク波は、どちらかというと波の頂の長さが長い2次元的な波である。(中略)確率的に稀な波という定義を明らかにした上で、フリーク波と呼ぶことが適切と思われ、三角波はフリーク波の日本語訳と解釈するのが正しい」。

上記の早稲田氏については下記のようなインターネット情報も見つかりました。

東京大学大学院新領域創成科学研究科「海難事故のフリーク波解析」
https://www.k.u-tokyo.ac.jp/news/20090619press-03.html
「外洋に突発的に現れるフリーク波(Freak Wave)は、Rogue Wave、Mad-dog Wave(瘋狗浪)、そして三角波と様々な呼称を持つ」。
「三角波:おそらく、日本の漁師や船乗りの間では一般的な言葉で、必ずしもピラミッド状の波形を表すわけではなく、突発的に現れる波のことを指していると思われる。フリーク波という言葉は、日本の船員たちには浸透していない」。

早稲田研究室「フリーク波」
http://www.orca.k.u-tokyo.ac.jp/WasedaLab/Research/Freak_wave.html
「一般に言われる巨大波や三角波はフリーク波の一部と考えられる」。

【資料10】石黒仁規「海洋におけるフリーク波の統計的予測とその船舶設計への応用に関する研究」
p.9「フリーク波のような異常波の研究が進むにつれ、異常波を指す多くの用語が使用されるようになった。Rogue wave やFreak wave などは多くの論文で使用されているが、近年、Unexpected wave という異常波も提案されている。さらに、船員の間では一発大波や三角波と呼称される異常波が知られている」。
p.13「三角波:様々な方向に進む波の合成や、波が流れに逆らって進行する場合に生じる波形勾配の大きな波の俗称である」。

(インターネット最終アクセス:2016年9月28日)
回答プロセス
(Answering process)
NDC451(気象学)及びNDC452(海洋学)付近の辞典類に「三角波」の用語を探したところ、【資料1】に該当項目の記載がありました。『陸水の事典』(日本陸水学会編集 講談社 2006)(p.185)にも「三角波」(pyramidal wave)として数行程度の説明がありました。
国立国会図書館リサーチ・ナビ( http://rnavi.ndl.go.jp/rnavi/ )の検索結果から【資料2】【資料3】が見つかりました。

自館の蔵書検索システムで件名「波」で、また分類「452」と全項目「波」を組み合わせて検索して、関連資料にあたりました。【資料4】【資料5】のほか下記資料を確認しました。

『謎解き・津波と波浪の物理』(保坂直紀著 講談社 2015)
『波浪学のABC』(磯崎一郎著 成山堂書店 2006)p.8「三角波」
『波・浜・港の話』(村木義男著 山海堂 2005)
『海洋物理学概論』(関根義彦著 成山堂書店 2000)
『波浪の解析と予報』(磯崎一郎著 東海大学出版会 1999)
『海知られざる世界 3』(NHK「海」プロジェクト著 日本放送出版協会 1998)
『海洋の波と流れの科学』(宇野木早苗著 東海大学出版会 1996)
『海洋波の物理』(光易恒著 岩波書店 1995)p.160「三角波」

国立国会図書館デジタルコレクション( http://dl.ndl.go.jp/ )の検索結果から【資料6】【資料7】が見つかりました。

また、国立国会図書館サーチや検索エンジンで「フリーク波」「Freak wave」「巨大波」「異常波」等のキーワードで検索して、【資料8】~【資料10】が見つかりました。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
気象学  (451 9版)
海洋学  (452 9版)
参考資料
(Reference materials)
【資料1】『気象ハンドブック』(新田尚編集 朝倉書店 2005)(0105894347)
【資料2】『自然災害と防災の事典』(京都大学防災研究所監修 丸善出版 2011)(1102286903)
【資料3】『海の自然と災害』(宇野木早苗著 成山堂書店 2012)(1102310900)
【資料4】『海の気象がよくわかる本』(森朗著 枻出版社 2012)(2102492215)
【資料5】『海の波を見る』(光易恒著 岩波書店 2007)(2102027340)
【資料6】松本次男「三角波」(『海と安全』11巻9号 1977.9)p.17(国立国会図書館デジタルコレクション国立国会図書館/図書館送信参加館内公開)( http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3271905
【資料7】野口岩男「三角波」(『気象』195号 日本気象協会 1967.3)p.11(国立国会図書館デジタルコレクション国立国会図書館/図書館送信参加館内公開)( http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3203473
【資料8】冨田宏・早稲田卓爾・川村隆文[他]「巨大海洋波・Freak Waveの発生機構の解明と予測 海洋流体力学の一章として」(『ながれ』25巻1号 日本流体力学会 2006.2)p.39~48(オープンアクセス)( http://ci.nii.ac.jp/naid/110004471058
【資料9】早稲田卓爾「外洋に突発的に現れる異常波の発生と気象条件」(『海と空』85巻2号 2009.9)p.49~56(国立国会図書館デジタルコレクションインターネット公開)( http://www.dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10116095
【資料10】石黒仁規「海洋におけるフリーク波の統計的予測とその船舶設計への応用に関する研究」(2013)(JAIRO本文公開)( http://jairo.nii.ac.jp/0001/00367399
キーワード
(Keywords)
波(ナミ)
海洋(カイヨウ)
海洋気象(カイヨウキショウ)
海洋物理学(カイヨウブツリガク)
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介
内容種別
(Type of subject)
一般
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000200807解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
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