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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000197001
提供館
(Library)
千葉県立西部図書館 (2120003)管理番号
(Control number)
千県西-2016-9
事例作成日
(Creation date)
2016年04月26日登録日時
(Registration date)
2016年09月15日 16時23分更新日時
(Last update)
2017年06月30日 11時53分
質問
(Question)
双子の先に生まれた方が弟・妹という俗信について知りたい。
回答
(Answer)
【資料1~3】のとおり、戸籍上は出生の前後によって兄姉、弟妹が決まりますが、【資料4~6】のように、日本では先に生まれた方が弟、妹とする習慣がありました。
国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧できる昭和10年代の資料には、習慣によった考え方(【資料7】)や、それを否定する啓蒙的な記述(【資料8~9】)を見ることができます。
また、参考までに、実際の育児や教育で周囲の人が双子のきょうだいを平等に扱う傾向が強まっていることを示した【資料10~12】を紹介しました。

【資料1】『戸籍用語ハンドブック』(鈴木敬爾[ほか]編集 日本加除出版 1991)
p67「父母との続柄欄(ふぼとのつづきがららん)」の項
実父母との続柄の戸籍への記載法として、「嫡出子であれば、出生の順に「長男・長女、二男・二女、三男・三女」のように定め(昭22・10・14民事甲1263号通達)(略)、双生子については従前から出生の前後によって定めることとされている(明31・11・10民刑1857号回答)」より、現在は出生の前後によって兄姉、弟妹が決まることがわかります。

【資料2】『体系・戸籍用語事典 法令・親族・戸籍実務・相続・旧法』(高妻新著 日本加除出版 2001)
p217「父母との続柄欄」に「双子については、出生の前後をもって長男(女)・二男(女)の順序を定められる(明32・11・10民刑1857号回答)」と記載があります。

【資料3】『新戸籍実務の基本講座 2 各論・届出編』(吉岡誠一著 日本加除出版 2008)
p41出生の届出の届書の記載事項として父母との続柄の記載についても記述があり、双子については明記されていませんが、出生の順序に従うことが書かれています。
「嫡出子については、父母を同じくする子の中でのその出生の順序に従い、長男(長女)、二男(二女)と記載します。嫡出でない子については、父の認知の有無にかかわらず、母との関係のみにより認定し、母が分娩した嫡出でない子の出生の順序に従い、長男(長女)、二男(二女)と記載します(平成16・11・1民一第3008号通達)」

【資料4】『民俗の事典』(大間知篤三[ほか]編 岩崎美術社 1972)
p76双生児(ふたご)
「双生児は先に生まれたものが弟妹、あとの者が兄姉」とあり、民俗学的には先に生まれた方を弟妹とする習慣があったことがわかります。

【資料5】『誕生と死の民俗学』(板橋春夫著 吉川弘文館 2007)
p56-88「双生児観の変容」収録。
p66「双生児のキョウダイは、生まれた順番で兄(姉)と弟(妹)を決めている。(略)かつての各地の慣習によると、先に生まれた子が弟あるいは妹であった。」として、明治13年刊『全国民事慣例類集』(【資料6】)から例を引いています。

【資料6】『全国民事慣例類集』(生田精編 司法省 1880)
国立国会図書館デジタル化資料送信サービス(インターネット公開) http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/786945
40コマ目(四八)「三子出生スレハ必ス即日届出ル例ナリ官ヨリ男子ヘハ玄米五号女子ヘハ三合ヲ扶持ス二子ハ手宛ナシ前生ヲ弟妹トシ後生ヲ兄姉トスル習慣ナリ 相模国足柄郡」
41コマ目(五一)「二タ子三ツ子ノ順序ハ第一ニ産ルルヲ弟妹トシ第二ニ産ルルヲ兄姉トスル例ナリ 加賀国能美郡」
42コマ目(五二)「二タ子アレハ前生ヲ兄姉トシ後生ヲ弟妹トスル慣例ナリ 越後国古志郡」

【資料7】『満蒙』18巻8号(1937年8月)
国立国会図書館デジタル化資料送信サービス(参加館公開) http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3564757
永尾龍造「民俗漫稿 双生兒に關する民俗」p166-171
p167-168(100コマ-101コマ)
「理から云へば後から生れる子は母胎の奥に宿つて居るので、先に受胎したものであり、先に生れる児は後から受胎したのであるから、兄弟の順序も然か有るべき様に考へられるが、此の世に於ける位置は母胎から離れて出る順序に依るもので、生まれた前後に依つて兄弟となる習慣である」
『満蒙』は当時の植民地であった満州・内蒙古に関する雑誌です。「満州及び支那」における風習を解説していますが、「理から云へば」として紹介しているのは後から生まれる方を弟・妹とする考え方です。

【資料8】『遺伝・体質・混血』(谷口虎年著 吐鳳堂 1939
国立国会図書館デジタル化資料送信サービス(参加館公開) http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1046675
p121-125「雙生兒と迷信」
p124(70コマ)
「比較的最近まで、先に生れた者を弟又は妹とし、後に生れた者を兄又は姉としたが、今日では民法に従ひ先に生れたものが、兄又は姉であり後に生れた者が弟又は妹であるは論を俟たない」
末尾に(科学ペン、昭和十二年十一月)の記述があります。

【資料9】『結婚の医学』(中井卓次郎著 大新社 1942)
国立国会図書館デジタル化資料送信サービス(参加館公開) http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1045745
「結婚衛生、ないしは、結婚医学」について、通俗的に、一般の人が読みこなせるように書かれた本です。
p204-207「双生兒」
p206-207(107コマ)「どちらが兄か弟か」の見出しがあり、「昔から、先に生まれた者を弟に、妹にといふふうにいひ傳へてゐますが」としながら、この考えの根拠(【資料7】のような考え方)を「妊娠の実際を知らぬ空論で」などと退けて説明しています。

【資料10】『ふたごの世界 双生児の二十五年間の追跡研究』(天羽幸子著 ブレーン出版 1988)
p179-190「兄弟としての扱い方」
昭和28年ごろの家庭での双子の扱い方と兄弟的性格についての調査について「一卵性双生児の間にもはっきりした兄弟的扱い差」があったとし(p182)、それに比べて「現在、双生児を育てている家庭では兄弟的な差をつけて扱っているものは、ごく少数」(p186)としています。

【資料11】『ふたごのお母さんへ ツインマザースクラブが贈るお母さんの知恵』(天羽幸子編著 ブレーン出版 1992)
p81-91「どっちがお兄ちゃん」
上記の調査についての言及に加えて、双子の保護者の体験談等も書かれています。
p90「ふたごは対等であり、序列のついたきょうだいではないという目で、社会の人みんなが見守ってくれるようになってほしい」

【資料12】『ふたごと教育 双生児研究から見える個性』(東京大学教育学部附属中等教育学校編 東京大学出版会 2013)
p68,92 ふたごを「平等」に扱うことについて記述があります。
p237-242 あとがき 命名の傾向などからふたごに対する意識を分析しています。
(インターネットの最終アクセス:2016年8月14日)
回答プロセス
(Answering process)
・「俗信」についての本が見たいとお尋ねがあったため迷信等のことかと確認すると、迷信に限らず例えば双子の先に生まれた方が弟のような…というお話。実際に一番お知りになりたいのは双子の事と判明。「双子の先に生まれた方が弟・妹という人がいるが、おかしいのでは」とのこと。
・googleで「双子」を検索。Wikipediaの「双生児」の項( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%8C%E7%94%9F%E5%85%90 )に「双子の出生順と兄弟姉妹」の見出しがあり、この記述を参考に戸籍関係の資料を調査、【資料1~3】を確認。
・OPACを件名「双生児」で検索し、天羽幸子氏や東京大学教育学部附属中等教育学校関連の資料にあたった。
・OPACを全項目「双生児 俗信」で検索し、【資料5】を確認した。
・国立国会図書館デジタルコレクション( http://dl.ndl.go.jp/ )を、「双生児 迷信」「双生児 民俗」などで検索し、【資料7~9】を確認した。
事前調査事項
(Preliminary research)
『日本大百科全書 14』(小学館 1995)p74-75「双生児(そうせいじ)」の項
p75「産科では、先に生まれた第一児を兄または姉としている。」
NDC
民間信仰.迷信[俗信]  (387 9版)
参考資料
(Reference materials)
【資料1】『戸籍用語ハンドブック』(鈴木 敬爾[ほか]編集 日本加除出版 1991)(1101015951)
【資料2】『体系・戸籍用語事典 法令・親族・戸籍実務・相続・旧法』(高妻 新著 日本加除出版 2001)(1101732790)
【資料3】『新戸籍実務の基本講座 2 各論・届出編』(吉岡 誠一著 日本加除出版 2008)(1102140936)
【資料4】『民俗の事典』(大間知 篤三[ほか]編 岩崎美術社 1972)(1100000702)
【資料5】『誕生と死の民俗学』(板橋 春夫著 吉川弘文館 2007)(2102062878)
【資料6】『全国民事慣例類集』(生田 精編 司法省 1880) 国立国会図書館デジタル化資料送信サービス(インターネット公開) http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/786945
【資料7】『満蒙』18巻8号(1937年8月) 国立国会図書館デジタル化資料送信サービス(参加館公開) http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3564757
【資料8】『遺伝・体質・混血』(谷口虎年著 吐鳳堂 1939)国立国会図書館デジタル化資料送信サービス(参加館公開) http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1046675
【資料9】『結婚の医学』(中井卓次郎著 大新社 1942)国会図書館デジタル化資料送信サービス(参加館公開) http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1045745
【資料10】『ふたごの世界 双生児の二十五年間の追跡研究』(天羽幸子著 ブレーン出版 1988)(1100576397)
【資料11】『ふたごのお母さんへ ツインマザースクラブが贈るお母さんの知恵』(天羽幸子編著 ブレーン出版 1992)(9105004084)
【資料12】『ふたごと教育 双生児研究から見える個性』(東京大学教育学部附属中等教育学校編 東京大学出版会 2013)(1102346387)
キーワード
(Keywords)
双生児
双子
ふたご
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000197001解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
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