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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000196457
提供館
(Library)
同志社大学 今出川図書館 (3310014)管理番号
(Control number)
2016-008
事例作成日
(Creation date)
2016年05月10日登録日時
(Registration date)
2016年08月29日 15時11分更新日時
(Last update)
2018年04月02日 12時33分
質問
(Question)
マルクスの著作の中で、ヘーゲル『法哲学』で使われる「ミネルヴァの梟」という表現を用いてヘーゲルを批判している箇所を知りたい。日本語訳を探している。

※ミネルヴァはローマ神話の知恵・工芸・戦争の女神。
回答
(Answer)
「ミネルヴァの梟」という表現を直接的に用いて批判している箇所は見つかりませんでしたが、
以下の2つの著作に「ミネルヴァの梟」が表す事柄を批判している箇所がありました。

・『デモクリトスの自然哲学とエピクロスの自然哲学の一般的差異』(1841年にイエナ大学へ提出した学位論文)
 「第一部 第一章 論考の主題」に、
 ”ギリシアにおける客観的な哲学史は終わり、男らしくて力強いストア派の人々でさえも(中略)成功していないようにみえる。”とあります。
 訳注によりますと”もとは、『ミネルヴァのふくろうの翼があがらないようにみえる。』と書いていた。”とありました。

・『へーゲル法哲学批判序説』
 末尾に”ドイツ復活祭の暁を、ガリアの鶏が鳴き声で告げるであろう。”とあり、これはヘーゲルの「ミネルヴァの梟」に対抗し、
 マルクスは「ガリアの雄鶏」として新しい時代の夜明けを告げようとしていると論じられています。

詳細は回答プロセスをご覧ください。
回答プロセス
(Answering process)
1.マルクスの著作を調査
本学所蔵のマルクスの著作集の索引を調査。
・『マルクス=エンゲルス全集』大月書店の事項索引(別巻4)
→「ミネルヴァの梟」「ガリアの雄鶏」の項目はなし。

・同全集40,41巻(初期作品集)の巻末付録 文学・聖書・神話人名索引を調査
初期作品集は事項索引対象外のため、巻末付録 文学・聖書・神話人名索引を調査。
→40巻p.193『デモクリトスの自然哲学とエピクロスの自然哲学の一般的差異』(1841年にイエナ大学へ提出した学位論文)
 「第一部 第一章 論文の対象」の訳注に、マルクスによってもとは”ミネルヴァのふくろうの翼があがらないようにみえる。そして、男らしくて力強いストア派の人々でさえも、…成功しなかったようにみえる。”と書かれていたとある。
最初は「ミネルヴァの梟」と表現されていた。
 ※博士論文の原文は『Differenz der demokritischen und epikureischen Naturphilosophie』
  Karl Marx/Friedrich Engels Gesamtausgabe, Band 1, Dietz Verlag, 1975. に収録。
 ※また、この訳注の文は、訳者によって訳が少し異なっている。
  ・『マルクス=エンゲルス全集』第1巻、改造社
   ”ミネルヴァの梟の翼は衰へるやうに見え”
  ・『デモクリトスの自然哲学とエピクロスの自然哲学の差異 ; ヘーゲル法哲学批判 : 序説 ; ユダヤ人問題によせて ; 経済学・哲学草稿』(マルクス・コレクション1)筑摩書房
   ”ミネルヴァの梟はその翼を畳んだようにみえる”

2.CiNii Articles で論文検索 
・牧野広義「ヘーゲルとマルクス―社会哲学と論理学―」(『阪南論集 社会科学編』51(3)、2016年3月)
 p.298「1.ミネルヴァの梟とガリアの雄鶏」に、
  ”マルクスは、ヘーゲルの「ミネルヴァのフクロウ」に対抗して、「ガリアの雄鶏」として、新しい時代の夜明けを告げようとする。”と書かれている。
 →マルクス『へーゲル法哲学批判序説』末尾の”ドイツ復活祭の暁を、ガリアの鶏(雄鶏)が鳴き声で告げるであろう。"とあり。
 こちらの著作中に「ミネルヴァの梟」は引用されていないが、上記論文より、「ミネルヴァの梟」を批判したものだと思われる。
事前調査事項
(Preliminary research)
マルクスの著作『資本論』『ヘーゲル法哲学批判序説』を読んだが、見つからなかった。
NDC
社会思想  (309 9版)
法学  (321 9版)
参考資料
(Reference materials)
牧野 広義 , 牧野 広義. ヘーゲルとマルクス : 社会哲学と論理学. 2016-03. (辰巳浅嗣学長退任記念号) 阪南論集. 社会科学編 51(3) p. 297-310
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I027239672-00  (NCID:AN1039247X)
カール・マルクス 著 , 的場昭弘 訳・著 , Marx, Karl, 1818-1883 , 的場, 昭弘, 1952-. 新訳初期マルクス : ユダヤ人問題に寄せて/ヘーゲル法哲学批判-序説. 作品社, 2013.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I024259696-00 , ISBN 9784861824074 (NCID:BB1206298X)
マルクス=エンゲルス全集刊行委員会 [編] , マルクスレーニン主義研究所 (ドイツ統一社会党中央委員会). マルクス=エンゲルス全集 別巻 4 (事項索引). 大月書店, 1991.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002151641-00 , ISBN 4272004247 (NCID:BN01222954)
ドイツ社会主義統一中央委員会付属マルクス=レーニン主義研究所 編 , 大内兵衛, 細川嘉六 監訳 , 大内, 兵衛, 1888-1980 , 細川, 嘉六, 1888-1962 , マルクスレーニン主義研究所 (ドイツ統一社会党中央委員会). マルクス=エンゲルス全集 第40巻. 大月書店, 1975.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001193951-00  (NCID:BN02124021)
herausgegeben vom Institut für Marxismus-Leninismus beim Zentralkomitee der Kommunistischen Partei der Sowjetunion und vom Institut für Marxismus-Leninismus beim Zentralkomitee der Sozialistischen Einheitspartei Deutschlands , Engels, Friedrich, 1820-1895 , Institut marksizma-leninizma (Moscow, Russia) , Institut für Marxismus-Leninismus beim ZK der SED , Institut für Geschichte der Arbeiterbewegung Berlin , Internationale Marx-Engels-Stiftung , Marx, Karl, 1818-1883. Karl Marx, Friedrich Engels Gesamtausgabe : MEGA. Dietz, 1972.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000006396714-00  (NCID:BA00138318)
改造社 編 , Marx, Karl, 1818-1883 , Engels, Friedrich, 1820-1895 , 改造社. マルクス=エンゲルス全集 第1巻. 改造社, 1928.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000859204-00  (NCID:BN08153678)
カール・マルクス 著 , 今村仁司, 三島憲一 監修 , Marx, Karl, 1818-1883 , 今村, 仁司, 1942-2007 , 三島, 憲一, 1942- , 中山, 元, 1949- , 徳永, 恂, 1929- , 村岡, 晋一, 1952-. マルクス・コレクション 1. 筑摩書房, 2005.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007820005-00 , ISBN 4480401113 (NCID:BA7238709X)
山中隆次 著 , 山中, 隆次, 1927-2005. 初期マルクスの思想形成. 新評論, 1972.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001189575-00  (NCID:BN01240821)
角田 修一 , 角田 修一. マルクス「学位論文」の哲学と思想. 2015-05. 立命館経済学 = The Ritsumeikan economic review : the bi-monthky journal of Ritsumeikan University 64(1) (372) p. 39-59
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I026627788-00
http://r-cube.ritsumei.ac.jp/handle/10367/6439 (立命館学術成果リポジトリ「R-Cube」) [参照 2016-05-09] (NCID:AN00249968)
宮本 十蔵 , 宮本 十蔵. マルクス学位論文の検討. 1968-12-00. 人文科学論集 / 信州大学人文学部 編 (3) p. 1~9
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I945272-00
https://soar-ir.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=1254&item_no=1&page_id=13&block_id=45 (信州大学機関リポジトリ) [参照 2016-05-09] (NCID:AN0012272X)
キーワード
(Keywords)
マルクス
ヘーゲル
『法哲学』
ミネルヴァの梟
ガリアの雄鶏
『へーゲル法哲学批判序説』
『デモクリトスの自然哲学とエピクロスの自然哲学の一般的差異』
Differenz der demokritischen und epikureischen Naturphilosophie
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
大学院生
登録番号
(Registration number)
1000196457解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決