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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000196192
提供館
(Library)
天草市立中央図書館 (2310283)管理番号
(Control number)
中央-H28-2
事例作成日
(Creation date)
登録日時
(Registration date)
2016年08月19日 16時39分更新日時
(Last update)
2016年08月20日 10時03分
質問
(Question)
青葉しげれる櫻井の~で始まる「楠公の歌」の歌詞、落合直文作詞の全文を知りたい。
回答
(Answer)
『楠公の歌』 落合直文 作詞、奥山朝恭 作曲、明治36年

―桜井の訣別―
1.青葉茂れる桜井の 里のわたりの夕まぐれ
  木(こ)の下陰に駒とめて 世の行く末をつくづくと
  忍ぶ鎧(よろい)の袖の上(え)に 散るは涙かはた露か

2.正成(まさしげ)涙を打ち払い 我が子正行(まさつら)呼び寄せて
  父は兵庫に赴かん 彼方(かなた)の浦にて討ち死にせん
  汝(いまし)はここまで来つれども とくとく帰れ故郷へ

3.父上いかにのたもうも 見捨てまつりてわれ一人
  いかで帰らん帰られん この正行は年こそは
  未だ若けれ諸(もろ)ともに 御供(おんとも)仕えん死出の旅

4.汝をここより帰さんは 我が私の為ならず
  おのれ討死為さんには 世は尊氏の儘(まま)ならん
  早く生い立ち大君(おおきみに) 仕えまつれよ国の為

5.この一刀(ひとふり)は住(い)にし年 君の賜いしものなるぞ
  この世の別れの形見にと 汝(いまし)にこれを贈りてん
  行けよ正行故郷へ 老いたる母の待ちまさん

6.共に見送り見返りて 別れを惜しむ折からに
  またも降りくる五月雨の 大空に聞こゆる時鳥(ほととぎす)
  誰か哀れと聞かざらん あわれ血に泣くその声を

―敵軍襲来―
7.遠く沖べを見渡せば 浮かべる舟のその数は
  幾千万とも白波の 此方(こなた)をさして寄せて来ぬ
  陸(くが)はいかにと眺むれば 味方は早くも破られて

8.須磨と明石の浦づたい 敵の旗のみ打ちなびく
  吹く松風か白波か よせくる波か松風か
  響き響きて聞ゆなり つづみの音に閧(とき)の声

―湊川の奮戦―
9.いかに正季(まさすえ)われわれの 命捨つべき時は来ぬ
  死す時死なでながらえば 死するに勝る恥あらん
  太刀の折れなんそれまでは 敵のことごと一方(かたえ)より

10.斬りすてなん屠(ほう)りてん 進めすすめと言い言いて
   駆け入るさまの勇ましや 右より敵の寄せくるは
   左の方(かた)へと薙(な)ぎ払い 左の方より寄せくるは

11.右の方へと薙ぎ払う 前よりよするその敵は
   後ろよりするその敵も 見ては遁(のが)さじ遁さじと
   奮いたたかう右ひだり とびくる矢数は雨あられ

12.君の御為(みため)と昨日今日 数多の敵に当りしが
   時いたらぬをいかにせん 心ばかりははやれども
   刃(やいば)は折れぬ矢はつきぬ 馬もたおれぬ兵士(つわもの)も

13.かしこの家にたどりゆき 共に腹をば切りなんと
   刀を杖に立ちあがる 身には数多の痛矢串(いたやぐし)
   戸をおしあけて内に入り 共に鎧の紐とけば

14.緋おどしならぬくれないの 血潮したたる小手の上
   心残りはあらずやと 兄のことばに弟は
   これみなかねての覚悟なり 何か嘆かん今さらに

15.さはいえ悔し願わくは 七度(ななたび)この世に生まれ来て
   憎き敵をば滅ぼさん さなりさなりとうなづきて
   水泡(みなわ)ときえし兄弟(はらかた)の 心も清き湊川
回答プロセス
(Answering process)
「楠公の歌」の中には大きく3つの歌で構成されているが「櫻井の訣別」が一般的に知られている。

「櫻井の訣別」は図書館所蔵の書籍の
・日本唱歌集
・明治文学全集44「櫻井の里」として掲載されている。
・現代短歌全集「萩之家歌集」の中には見当たらなかった。

また、国立国会図書館の「近代デジタルライブラリー」から検索を行い、該当する資料を印刷して渡す。
 注1→国立国会図書館の『近代デジタルライブラリー』に収録されている『萩之家遺稿』(落合直文著、明治書院、明治37年5月5日発行、明治37年9月 30日再版発行、明治37年12月10日3版発行、明治38年6月15日4版発行。発行者・落合直文によりました)
 注2→講談社文庫『日本の唱歌〔上〕明治篇』(金田一春彦・安西愛子編、昭和52年10月15日第1刷発行、昭和57年7月30日第3版発行)には、「桜井の訣別」という題で6番までの歌詞が載せてあります。そしてその解説の中に「堀内敬三氏によると、これはもと明治32年6月に神戸の熊谷久栄堂から単行本として出版された『湊川』という歌の本があり、全体で15章あるうちのここにあげた初め6章に特に「桜井の訣別」という小見出しがついており、これが広く歌われた。のち「青葉茂れる桜井の」という題で歌われた。」とあります。
  ※上記の『湊川』は、岩波文庫『日本唱歌集』に出ている表紙の写真によると、『学校生徒/行軍歌 湊川』(従六位落合直文先生作家/岡山県  師範学校教諭奥山朝恭作曲 熊谷久栄堂蔵梓)とあります。同文庫の注によれば、作曲捨奥山朝恭は兵庫県立師範学校教諭在職中に「湊川」を作曲した、とあります。
 注3→ここに掲載した『萩之家遺稿』に収められている「楠公の歌」が、『湊川』という歌の本に載せてあるものと同じものかどうかは、確認してい ません。<」>で区切ってあるものの数は、「桜井の訣別」が6、「敵軍襲来」が2、「湊川の奮戦」が8で、全部で16になります。これが章だとすると、上の「全体で15章ある」と合わないことになります。ただし、6句ずつ区切っていくと、全部で15にはなります。
 注4→ワイド版岩波文庫『日本歌謡集』(堀内敬三・井上武士編、1991年6月26日第1刷発行、2001年4月5新第10冊発行)所収の「青葉茂れる桜井の」 の歌詞を引いておきます。(ただし、仮名遣いを歴史的仮名遣いに改めました。また、振り仮名を一部省略しました。)

ほかに、インターネットから「明成社編集部有志のブログ」にも、「青葉茂れる桜井の~15番まである「楠公の歌」」がのっていた。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC 
参考資料
(Reference materials)
日本唱歌集 堀内 敬三/編 東京:岩波書店
明治文学全集 44  東京:筑摩書房
キーワード
(Keywords)
青葉茂れる桜井の
楠公の歌
落合直文
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
内容種別
(Type of subject)
言葉
質問者区分
(Category of questioner)
登録番号
(Registration number)
1000196192解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
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