レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016-02-13
- 登録日時
- 2016/07/21 00:30
- 更新日時
- 2016/07/21 00:30
- 管理番号
- D160130104435
- 質問
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解決
小林善八(こばやし ぜんぱち)という人物について、生没年や略歴などを知りたい。
- 回答
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小林善八(号は小林鶯里)のプロフィール(生没年など)についてお調べしたところ、次の文献が見つかりました。
これらによれば、1878年生まれ、没年不明の出版関係者ということになります。
○後代の文献
1)出版文化人物事典. 稲岡勝 監修 ; 日外アソシエーツ株式会社 編集. 日外アソシエーツ ;紀伊國屋書店 (発売), 2013【UE2-L1】
pp.160-161に「[生年月日]明治11年(1878年)3月31日 [没年月日]没年不詳 〔略〕明治30年代後半東京書籍商組合主事に招聘され組合行政事務をとる一方、機関誌「図書月報」を編集発行。〔略〕勤めの傍ら、大正11年東京・牛込に文芸社を創業。月刊誌「文芸」を創刊した他、文芸書や歴史書などを発行した」とあります。
2)理想の家庭. 小林鶯里 著.クレス出版,1997.9【EF34-G243】
解説p.1に「残念ながら、著者小林善八(鶯里)の経歴は明らかではない」とあります。
3)出版人物事典. 鈴木徹造著. 出版ニュ-ス社, 1996【UE2-G1】
pp.136-137に「一八七八~没年不詳〔略〕文芸社主宰者。〔略〕鶯里と号し、該博な知識とエネルギッシュな活動で、三〇〇余の著述をし〔略〕東京書籍商組合の主事として、多年にわたり組合行政につくした」とあります。
4) 図書月報. 複製版. ゆまに書房, 1985-1987. 63冊 (別巻とも)【Z21-1513】
pp.5-18別巻「解説」で小林鶯里の『図書月報』における活動を略述しています。
5)日本出版文化史. 小林善八 著. 青裳堂書店,1978.3. 日本書誌学大系 ; 1【UE17-22】
巻末の解説p.5に少し記述があります。「生没年も判らないが」としながら、同時代の執筆家、赤堀又次郎の知的影響、帝国図書館の利用などが推測されています。
○同時代の文献
6)出版・書籍商人物情報大観. 昭和初期. 大久保久雄 監修. 金沢文圃閣, 2008【UE57-J7】
人と事業 / 出版タイムス社 編 (出版タイムス社昭和5年刊)の復刻です。
p.121に「君は東京神田の生れ、東京高師に学んだが中途退学し明治三十五年日本最初の文芸通信社をし〔略〕後東京毎日新聞社々会部に記者として入社し〔略〕明治三十八年頃〔略〕東京書籍商組合の主事に聘せられ〔略〕現在なほ其の職にあって組合の生字引とされてゐる。(略)其の余暇を得て大正十一年より文芸社を創立し雑誌「新文芸」を発行し」とあります。
7)出版文化人名辞典. 第3巻. 日本図書センター, 1988【UE4-E2】
現代出版業大鑑-名鑑第3篇(現代出版業大鑑刊行会昭和10年刊)の復刻。
p.118に「東京神田の生れ、かつて東京高師に学んだが、中途退学、明治三十五年日本最初の文芸通信社を起し、地方の新聞雑誌に文芸其他の作品を供給し、のち東京毎日新聞社会部記者として活躍したことがある」とあります。
8)出版文化人名辞典. 第4巻. 日本図書センター, 1988【UE4-E2】
全国書籍商総覧 昭和10年版(新聞之新聞社昭和10年刊)の復刻です。
p.131に「大正十一年二月十一日、東京市牛込区新小川町に文芸社を創立し、月刊雑誌「文芸」を発行」とあります。
○没年について
文献1)で没年は不明とされています。文献4)の解説で、解説者は没年を「一九四〇以降か」と推測しています。
そこで、次の出版業界誌を、小林善八の最後の著書が出版された時点(1941年11月)以降の号から参照しました。すると1943年2月に息子の訃報が見つかりました。小林善八はこの時点で存命だったと思われます。
9)出版通信・出版同盟新聞. [復刻] 新文化通信社, 2001. 11冊【Z99-1055】
昭和18年2月号(p.4)に「小林鶯里氏次男博氏」が享年34で死去した訃報があります。
小林善八が65歳の時の記事です。
そのほか、戦後の人名事典類も参照しましたが、見当たりませんでした。
以下、探索経過を示します。
Web NDL Authorities(国立国会図書館典拠データ検索・提供サービス)を「小林善八」で検索すると、「小林, 豊次郎」「小林, 鶯里, 1878-」「小林, 紫軒, 1878-」と同一人で、生年が1878年であると表示されます。
日本人名情報索引(人文分野)データベース (国立国会図書館)を検索すると人物文献が5件ほど提示されます。
上記のサイトは当館で作成している次のリンク集から参照できます。
人文リンク集> 人物・肖像 http://rnavi.ndl.go.jp/humanities/entry/post-11.php
また、当館のNDL-OPACで、当該人物の著書の復刻版を見つけ、その解説を参照しました。
事典等の情報から、当該人物が関係していた雑誌『図書月報』の解説を参照しました。
※ウェブサイトの最終アクセスは2016年2月5日です。
※書誌事項末尾の【 】内は当館請求記号です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000194933