レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014年05月27日
- 登録日時
- 2016/03/31 09:43
- 更新日時
- 2016/11/10 12:31
- 管理番号
- 0131224053
- 質問
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解決
きな粉はなぜきな粉というのか。大豆粉ではないのか。
- 回答
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きな粉とは大豆を炒った後に挽いて粉にした食品です。風味豊かで滋養があり、餅にからめたり、和菓子の材料として用いられます。
大豆を粉にしたものは品種により青豆粉と黄豆粉に大別されますが、一般的にきな粉というと黄豆粉を指します。(青豆粉は鶯粉、青きな粉などと呼ばれます)
きな粉は古くから食品として用いられていますが、もともとは「末女豆岐(まめつき)」と呼ばれ、平安時代の事典『和名類聚抄』には「大豆麩 末女豆岐(まめつき)」とあります。(麩とは粉末のこと)大豆を炒ってから臼で搗いて粉にふるい分けるという工程からこの名前がついたようです。
現在の「きな粉」という呼び名は、その外観から出た女房ことばが元と考えられ、室町時代の書物『女房躾書』にその名が記されています。ただしこの呼び方は上流階級に限られ、一般的には「豆の粉」と呼ばれていたようです。
「きな粉」という名称が一般に普及したのは元禄の頃のようで、明治期の本には「豆粉」と書いて「きなこ」と読ませるものもあったようです。
また、佐藤武義著『日本語の語源』には、「黄なる粉」の「る」が脱落して「黄な粉」となったとの記述があります。
以下、当館所蔵の参考資料になります。
たべもの語源辞典 p42
事物起源辞典 衣食住編 p101-102
日本古代食事典 p352-353
まめつき
日本語の語源 p25
- 回答プロセス
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語源事典を中心にあたる。
またweb検索により『日本語の語源』に記載があるとの情報を得る。
- 事前調査事項
- NDC
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- 衣食住の習俗 (383 9版)
- 参考資料
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清水桂一 編 , 清水, 桂一, 1907-1980. たべもの語源辞典 新訂版. 東京堂出版, 2012.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I023938867-00 , ISBN 9784490108224 (当館資料番号 115008237) -
朝倉治彦 [ほか]編 , 朝倉, 治彦, 1924-2013. 事物起源辞典 : 衣食住編 新装版. 東京堂出版, 2001.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000003031582-00 , ISBN 4490105843 (当館資料番号 113122329) -
永山久夫 著 , 永山, 久夫, 1934-. 日本古代食事典. 東洋書林, 1998.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002728283-00 , ISBN 4887213301 (当館資料番号 116154428) -
佐藤武義 著 , 佐藤, 武義, 1935-. 日本語の語源. 明治書院, 2003.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000004008132-00 , ISBN 4625633168 (当館資料番号 113379879)
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清水桂一 編 , 清水, 桂一, 1907-1980. たべもの語源辞典 新訂版. 東京堂出版, 2012.
- キーワード
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- だいず
- 大豆
- きな粉
- きなこ
- 黄粉
- 語源
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 2016.11.10:定番事例
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000190493