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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000190482
提供館
(Library)
北海道立図書館 (2110028)管理番号
(Control number)
参調 15-0043
事例作成日
(Creation date)
2015/07/28登録日時
(Registration date)
2016年03月31日 00時30分更新日時
(Last update)
2016年03月31日 00時30分
質問
(Question)
満蒙開拓団で長野県大日向村から渡った人の数と死亡者の数が知りたい
  (『満洲開拓史』(全国拓友協議会・1980)をみたが、死者数の記載をみつけられず)
回答
(Answer)
大日向村は、現在の長野県南佐久郡佐久穂町大日向にあった村で、満州移民は分村移民のモデルとされ、戦前の国策事業を研究する上で注目されていると同時に、昭和恐慌に端を発する分村移民に活路を見出そうとした村内勢力の興亡の顛末といった二重の面においても注目されている。

<移民の経緯について>
 大日向村が現在でも研究対象となっている理由の一つが、1985年に製作されたドキュメンタリー映画『大日向村の46年』にある。偶然見つかった戦前製作の国策喧伝映画『大日向村』が見つかった経緯を元にしたもので、国の関与や和田伝が著した開拓移民に村民を駆り立てるきっかけとなった喧伝文学作品『大日向村』があり、県を介して行われた国策事業と村の事情については、次の論文に詳しくまとまっている。

・『大日向村』という現象 満州と文学 田中益三著 
 日本文學誌要 38, 78-89, 1987-12-25  (ネットに全文が公開されています)
  http://ci.nii.ac.jp/lognavi?name=nels&lang=jp&type=pdf&id=ART0000583750  最終確認日 2016年2月25日

・『「満州」分村移民の論理と背景 長野県大日向村の事例研究』 池上甲一著
 村落社会研究 1(2), 19-29, 1995
  https://www.jstage.jst.go.jp/article/jrs/1/2/1_19/_pdf  最終確認日 2016年2月25日

<移民数について>
 「『大日向村』という現象」によると、政府の「二十か年百万戸計画」という大量移民政策により北海道と沖縄を除く全国各地から移民送出が1936年から始まり、大日向村は第7次移民として採用されたものとある。
 一方で、『「満州」分村移民の論理と背景 長野県大日向村の事例研究』においては次のような箇所がある。
「(略) 1939年3月をもって村としての分村移民は終了する。/1939年12月時点の移民戸数は191戸、移民者数は586人だった(那須皓、1940114-29頁)。また1945年8月9日時点の満州大日向村の段員数は216戸、796人であった(長野県開拓自興会満州開拓史刊行会、1984c、249-274頁)。数字だけみると、当初の計画通りに移民が行われたようにみえる。しかし1939年時点の移民のうち、村外からの移民が62戸を占めた。しかもその60%は、大日向とまったく無関係だった。このように、村外からも移民をかき集めなければ、分村移民計画は達成できなかった。(略)」(p.26)
⇒ 実態は、この論文の通りとすると、1939年時点の191戸中62戸が村外からなので、大日向村からは129戸が移民したことになるが、人数は586人中の何人であったかは記されていない。調査対象の「移民数」が大日向村のみの実数なのか、他の村からのものも含めたものかで、数は変わる。
 また、同論文では、分村移民といいつつ、実態としては直系相続ができない次男、三男が“戸”として移住していることなど、分村によって母村の戸当たりの耕地面積の拡大などの目標が実質破綻していたことなども指摘してある。

<『近代民衆の記録 6 満州移民』>
大日向村の分村移民に関するまとまった資料が本書。
大日向に帰村した数については、「残る257人が大日向に帰村したのは1946年9月13日だった。しかし土地・家屋を処分して渡満した以上、母村にとどまれる者は少なかった。1947年2月11日、先遣隊が、4月に65戸165名が軽井沢町長倉(現在通称軽井沢町大日向」へ、残りの人々は南佐久郡南牧村野辺山および小海原、茨城県筑波郡大穂町へ入植し、ここに本当の開拓が始まった。(略))(p.46)」とあり。
回答プロセス
(Answering process)
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
人口.土地.資源  (334 7版)
参考資料
(Reference materials)
1 近代民衆の記録 6 満州移民 新人物往来社 1978.5 362.1/KI/6 内容:大日向分村計画の解説 長野県更生協会編. 満州農業移住地視察報告 長野県編. 大日向村第一年度建設情況報告 長野県更生協会編. 大日向村開拓団農家経済調査 満州国立開拓研究所編. 大日向村満州移民聞き書き-長野県南佐久郡大日向村(現佐久町) 歴史教育者協議会大学部会満州移民研究会編(他)

2 文学作品に見る太平洋戦争と信州 下巻 随筆・記録編 井出/孫六?ほか編 一草舎出版 2005.9 918.6/B/2 大日向村 望月/百合子?著

3 長野県史 近代史料編 第2巻 1 政治・行政・県政 長野県∥編 長野県史刊行会 1981.10 215.2/NA/2-1

4 長野県史 近代史料編 第8巻 3 社会運動・社会政策 長野県∥編 長野県史刊行会 1984.10 215.2/NA/8-3

5 長野県史 近代史料編 別巻 統計 2 長野県∥編 長野県史刊行会 1985.3 215.2/NA/ベツ-2

6 長野県史 近代史料編 別巻 統計 1 長野県∥編 長野県史刊行会 1989.10 215.2/NA/ベツ-1

7 地方史研究 第24巻第2号通巻128号 地方史研究協議会 地方史研究協議会 1951- Z304 p.16-18 満州移民についての覚書き--長野県南佐久郡大日向村(現佐久町)の調査から (近代地方史へのアプローチ(特集)) 山田 昭次

8 人文研究 : 神奈川大学人文学会誌 通巻79号 神奈川大学人文学会 神奈川大学人文学会 1981/04/30 Z304 p.47-73 満州移民と農地改革--長野県旧大日向村の事例 宮井 隆

9 日本文學誌要 38 法政大学 1987/12/25 E-Journal p.78-89 <論文>『大日向村』という現象 : 満州と文学 田中 益三

10 村落社会研究 Vol. 1 (1994-1995) No. 2 日本村落研究学会 p.19-29 「満州」分村移民の論理と背景 長野県大日向村の事例研究 池上 甲一

11 満州移民関係資料集成 第10巻 第2編分村分郷移民計画・移民村調査資料 不二出版 1990.12 334.4225/MA/10

12 満州移民関係資料集成 第7巻 第2編分村分郷移民計画・移民村調査資料 不二出版 1990.12 334.4225/MA/7

13 満州移民関係資料集成 第8巻 第2編分村分郷移民計画・移民村調査資料 不二出版 1990.12 334.4225/MA/8

14 満州移民関係資料集成 第9巻 第2編分村分郷移民計画・移民村調査資料 不二出版 1990.12 334.4225/MA/9

15 昭和戦前期の農村と満州移民 高橋/泰隆?著 吉川弘文館 1997.12 611.921/SH

16 満洲分村移民の昭和史 残留者なしの引揚げ大分県大鶴開拓団 渡辺/雅子?著 彩流社 2011.1 334.4225/MA

17 満洲泰阜分村 <満洲泰阜分村-七〇年の歴史と記憶>編集委員会?編 泰阜村 2007.10 334.4225/MA

1 和田伝全集 第4巻 家の光協会 1978.6 918.6/W/4

2 満洲開拓史 満洲開拓史刊行会∥編 満洲開拓史刊行会 1966 222.5/MA

3 大日向村 和田伝∥著 朝日新聞社 1939 F/W

4 昭和戦争文学全集 第1 戦火満州に挙がる 昭和戦争文学全集編集委員会∥編 集英社 1964 918.6/SH/1 大日向村 和田 伝∥著
キーワード
(Keywords)
満蒙開拓団
 大日向村
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事項調査
内容種別
(Type of subject)
その他
質問者区分
(Category of questioner)
図書館
登録番号
(Registration number)
1000190482解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決