レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015/05/19
- 登録日時
- 2016/03/31 00:30
- 更新日時
- 2016/03/31 00:30
- 管理番号
- 参調 15-0035
- 質問
-
解決
福沢諭吉の「脱亜論」の現代語訳について
- 回答
-
脱亜論は福沢が興した時事新報の社説として明治18(1885)年3月16日に発表されたもの。
福沢というと学問のすすめの一節が有名だが、脱亜論によってアジア蔑視の視点を持ったその後の日本を侵略の道に導いた悪者といった二面的に語られる題材として多くの論説が見られます。
昨今の東アジアの緊張と嫌韓論調が数多く世の中に蔓延している中で脱亜論に学ぶといった雑誌論文もさざまま見られるようになっていて、一向に過去の論文とはいえないものになっています。福沢研究については、現在も数多く出されており、その評価はまだ出尽くしたものとはいえないようです。
また、一方で、脱亜論についても、平川洋氏の『福沢諭吉の真実』に挙げられているように時事新報の社説すべてを福沢が書いていたわけではなく、脱亜論は他の者も関わって書かれたものではないかといった資料もあります。(佐高信著『福沢諭吉伝説』にもこの説の引用解説あり)
こうした状況から、種々の著書や関係論文などについて調査を進めることにし、お尋ねの「脱亜論」が福沢の手によるものかどうかはともかく、発表された「脱亜論」の現代語訳または現代注釈について調べてみました。
結果、元々が社説ということもあり、全集でも3ページ足らずのそれほど長文といった内容ではないこともあり、『脱亜論』の引用は一部がカタカナ部をかなに直す程度で引用元の「全集」を紹介するにとどまっているものがほとんどでした。このため、当館の資料では現代語訳といったものは見つかりませんでした。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 外交.国際問題 (319 7版)
- 参考資料
-
- 1 福沢諭吉全集 第10巻 時事新報論集 慶応義塾∥編 岩波書店 1960 081.6/F/10 「脱亜論」(p.238-240)
-
2 福沢諭吉の真実 平山/洋?著 文芸春秋 2004.8 S289.1/F -
3 アジア独立論者福沢諭吉 平山/洋?著 ミネルヴァ書房 2012.7 289.1/F 福沢諭吉はアジア侵略論者なのか。福沢のナショナリズムの由来を踏まえたうえで、膨大な著作を通じて、石河幹明らの主張と明確に仕分け。福沢の「独立自尊」と「文明政治」の核心を詳細に論じる。 -
4 異文化としての日本 法政大学国際日本学研究所?編集 法政大学国際日本学研究センター 2010.3 210.04/I 学問体系における「脱亜論」 周/程?著 -
5 坂本多加雄選集 1 近代日本精神史 坂本/多加雄?著 杉原/志啓?編集・解題 藤原書店 2005.10 311.21/SA/1 福沢諭吉「脱亜論」をどう読むか -
6 福沢諭吉伝説 佐高/信?著 角川学芸出版 2008.10 289.1/F 近代日本と日本人、その精神の「礎」を問う-。日本の国際化に献身した“明治の俊傑”福沢諭吉の実像を探ると共に、朝鮮独立に対する熱い友誼が明らかにする、脱亜論の“真実”を読み解く。 -
7 福沢諭吉と自由民権運動 飯田/鼎?著 御茶の水書房 2003.10 308/I/6 福沢諭吉の著作のうち、明治10年代から20年代にかけて関わった自由民権運動を中心に、彼が新しい時代を迎えた日本において、自由と民権そしてそれを支える文明との関係をどのように把握していたかについて論じる。 -
8 福沢諭吉と朝鮮 杵淵/信雄?著 彩流社 1997.9 221.05/F 福沢諭吉の朝鮮論を、自ら創刊した「時事新報」の論説を中心に忠実にたどり、「脱亜論」を文明主義の立場から再検討する。当時の日本と朝鮮との国際関係の中で、一人の思想家の軌跡を明らかにする。 -
9 丸山眞男話文集 [正]4 丸山/眞男?[著] 丸山眞男手帖の会?編 みすず書房 2009.3 304/MA/4 福沢諭吉の「脱亜論」とその周辺 -
10 福沢諭吉のアジア認識 安川/寿之輔?著 高文研 2000.12 210.6/F 「福沢諭吉全集」21巻から、朝鮮・中国に関する発言を洗い出し、そこに貫流する蔑視と偏見、帝国主義的指向を直視。丸山真男はじめ先行研究がつくりだした「福沢神話」を根底から打ち砕く問題作。 -
1 福沢諭吉伝 第1巻 石河/幹明?著 岩波書店 1981 289.1/F/1 市立釧路貸出中
- キーワード
-
- 福沢諭吉
- 脱亜論
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事項調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000190475