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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000189626
提供館
(Library)
千葉県立中央図書館 (2120001)管理番号
(Control number)
千県中千葉-2016-3
事例作成日
(Creation date)
2015年04月21日登録日時
(Registration date)
2016年03月19日 13時43分更新日時
(Last update)
2016年03月21日 12時06分
質問
(Question)
『日本猟奇史 江戸時代篇一』 国書刊行会2008年出版のp46-p47に房州の大鮑の話が掲載されている。房州平群郡の亀崎とあるがそれは今のどのあたりか知りたい。
回答
(Answer)
『日本猟奇史 江戸時代篇一』掲載の房州の大鮑の話の平群郡の亀崎について調査したところ「鋸南町」であることがわかりました。また、「亀ケ崎」であるらしいという資料が見つかりました。地形図では亀ヶ崎を確認できましたが、明治以前の資料に別の名前が掲載されているなど、不明な点もあります。以下に調査したことを記します。

出典が【資料1】『日本猟奇史 江戸時代篇1』ということで、確認したところ、「房州の海に怪光を放った七、八間の大鮑」の項目があり、時代は寛文5年(1665)で、この記述の出典は『新著聞集』であることがわかります。

『新著聞集』の翻刻は【資料2】『日本随筆大成 第2期 5』に所収されています。p439に「大蚫光をはなつ」の項目が掲載され、「房州平群郡の内、亀崎の海中、俄かに光かゞやきて(後略)」と書かれています。

以下【資料3】【資料4】には新著聞集の大アワビについて書かれており、平群郡亀崎についても記載されていました。

【資料3】『房総の大アワビ』p123に、『新著聞集』のアワビのことが紹介され、「房州平群郡亀崎(現在、安房郡鋸南町)」と書かれています。

【資料4】『妖怪事典』
p29「アワビノカイ」の項目中、「『新著聞集』には房州平群郡亀崎(安房郡鋸南町の亀ケ崎か)の海中で、七、八間(約12~14メートル)もの大鮑が光を発して付近の漁師たちを恐れさせたという話がある。」と記載されています。

また、鋸南町ということから町史を調べたところ、【資料5】『鋸南町史(改訂)通史編』(鋸南町史編さん委員会編 鋸南町教育委員会1995) p499に民話の「亀が崎の大あわび」の項目があり、『完成年間梅翁随筆』の「寛文五年(1665)五月安房国亀が崎の海上に、毎夜不思議な光物があったので、海士がもぐってみると大あわびがいたという。」が紹介されています。

【資料6】『角川日本地名大辞典 12 千葉県』で調べてみると、安房地域の「亀崎」及び「亀ケ崎」という項目はありませんでした。同資料の小字一覧でp1434鋸南町を調べたところ、「大六」に「亀ケ崎」という小字があります。「大六」の項目をひくと、明治22~現在の大字名ではじめ保田村、明治30年保田町、昭和34年からは鋸南町の大字です。
ちなみに「平群郡」を引くと「鋸南町 富山町 富浦町 三芳村 館山市の一部」です。これらの市町村は後に合併したところも多く現在の市、町に至っています。

【資料7】『千葉県市町村合併史 平成の市町村合併の記録』p14「千葉県の市町村(平成の第合併後)」及びp15「平成の大合併により誕生した市町(12市町) 平成22年3月31日現在」で確認すると館山市、南町はそのまま残っていますが、 富山町、富浦町 三芳村は南房総市に変わっています。千葉県のホームページでそれ以降の合併のないことを確認しました。
地形図で「亀ケ崎」を調べると、【資料8】『2万5千分の1地形図 保田』(国土地理院2013)(平成24年度更新)の鋸南町の海岸の近くに小さな島があり「亀ヶ崎」とかかれています。【資料9】『2万5千分の1地形図 保田』(陸地測量部参謀本部1937)(昭和10年測図)に同箇所は「亀ヶ崎」と書かれています。

【資料10】『明治十三年~十九年迅速測図二万分之一 千葉県3巻』「加知山村 明治16年測量」の地図では同箇所は「上之﨑」と記載されています。

千葉県立中央図書館所蔵の次の二絵地図を調べてみたところ、【資料11】『安房国図 写』には記載されていません。
【資料12】『安房国輿地全図』にも「亀ヶ崎」は見つかりませんが、鋸南町の佐久間川河口付近に「亀島」という島が掲載されています。
回答プロセス
(Answering process)
・出典『日本猟奇史 江戸時代篇一』を確認。
・『角川日本地名大辞典 千葉県』を調査。安房地域の「亀崎」の項目はみつからなかった。
・以前大アワビについて調査したときの文献『房総の大アワビ』『妖怪事典』を調べ、鋸南町であることがわかる。
・地名辞典を再調査
・鋸南町史を調査
・地図を調査
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
日本  (291 9版)
伝説.民話[昔話]  (388 9版)
参考資料
(Reference materials)
【資料1】『日本猟奇史 江戸時代篇1』(富岡 直方著 国書刊行会 2008)(0106069069)
【資料2】『日本随筆大成 第2期 5』(日本随筆大成編輯部編 吉川弘文館 1974)(9102587090)
【資料3】『房総の大アワビ』(大場 俊雄著 1977)(『採集と飼育』第39巻第3号の抜刷 内田老鶴圃新社 1977.3)(9200333494)
【資料4】『妖怪事典』(村上 健司編著 毎日新聞社 2000)(0105552888)
【資料5】『鋸南町史 通史編』(鋸南町史編さん委員会編 鋸南町教育委員会1995)(9200270634)
【資料6】『角川日本地名大辞典 12 千葉県』(「角川日本地名大辞典」編纂委員会編 角川書店 1984)(9200306648)
【資料7】『千葉県市町村合併史 平成の市町村合併の記録』(千葉県総務部市町村課編 千葉県 2010)(0200938441)
【資料8】『2万5千分の1地形図 保田 NI-54-26-2-3(横須賀2号-3) 平成24年更新』(国土地理院[編] 国土地理院 2013)(0200977360)
【資料9】『2万5千分の1地形図 保田』(陸地測量部参謀本部 1937)(昭和10年測図)
【資料10】『明治十三年~十九年迅速測図二万分之一 千葉県3巻』(昭和礼文社1977 )(9200385730)
【資料11】『安房国図 写』(〔出版年不明〕) (9200380830)
【資料12】『安房国輿地全図』(西盛 旭窓作図 三河屋善兵衛 1869)(9200380959)
キーワード
(Keywords)
平群郡亀崎
千葉県-安房郡鋸南町
大アワビ
あわび
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
郷土
質問者区分
(Category of questioner)
登録番号
(Registration number)
1000189626解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決