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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000188518
提供館
(Library)
千葉県立東部図書館 (2110047)管理番号
(Control number)
千県東-2015-0006
事例作成日
(Creation date)
2015/09/03登録日時
(Registration date)
2016年02月25日 00時30分更新日時
(Last update)
2017年08月22日 16時02分
質問
(Question)
山部赤人の和歌「田子の浦に うち出でてみれば白妙の 富士の高嶺に雪は降りつつ」(百人一首)と、「田子の浦ゆ うち出でてみれば真白にそ 富士の高嶺に雪は降りける」(万葉集)の「田子の浦」が千葉県鋸南町であるという説の根拠が知りたい。また、文献があれば読みたい。
回答
(Answer)
「田子の浦」が千葉県鋸南町であるという説は、鋸南町役場公式サイト きょなんまち「きょなんのむかしばなし」【資料1】によると、江戸時代の神代学者、山口志道(山口杉庵)が発表した説であり、以下がその根拠である。
・勝山の田子台の下の海が田子の浦と呼ばれていたこと
・赤人が上総国山辺郡(東金市)出身であるらしいこと
また、以下の資料には関連した記述がある。
『安房先賢遺著全集』【資料2】p15に、杉庵が田子の浦の詠を房州の田子の浦であると主張したことで「田子の浦人」の號を貴紳から賜ったと記載あり。p677-680には、山口杉庵が著した『百首正解 3巻』【資料3】を活字化した文章が掲載されており、「山部赤人」の項に山部赤人および田子の浦についての解釈が書かれている。
『房総万葉地理の研究』【資料4】p359に、安房の田子の浦説について次のような記述がある。「発生説の第一には、田子台の地名と地形との関連が考えられ、第二には杉本説のように、赤人の生国を上総の山辺郡に考える説のあること、第三には『万葉集』の中に、赤人の東国方面の作として、富士と真間の手古奈の歌があることが考えられる。」
『安房先賢偉人伝』【資料5】p128に田子の浦を房州勝山町付近の海辺とする説を杉庵が唱えたことが書かれている。
回答プロセス
(Answering process)
まず、質問の句の解釈を調べるために、以下の資料に当たった。
・『百人一首私注』【資料6】(長谷川哲夫著 風間書房 2015)
・『新古今和歌集全注釈 2』【資料7】(久保田淳著 角川学芸出版 2011)
・『万葉集全解 1』【資料8】(多田一臣著 筑摩書房 2009)
・『日本古典文学全集 2』【資料9】(小学館 1978)
百人一首の句、万葉集の句のいずれも「田子の浦」は、静岡県の薩埵峠の西、由比・蒲原あたりの海岸や、静岡県富士市の海岸を指していると解釈されている。
田子の浦が静岡ではなく鋸南であるという説について調べるため、キーワード「田子の浦」「鋸南」を組み合わせてgoogle検索すると、「きょなんのむかしばなし」【資料1】に鋸南説の記載を見つけた。説を唱えた山口志道について調べるため、googleでキーワード「山口志道」で検索。ヒットした鴨川市ホームページ「国学者 山口志道」【資料10】には、“山口志道(山口杉庵、さんあん、すぎあん)”と記載されていたため、自館蔵書検索システムで全項目「山口杉庵」で検索、【資料2】が検出された。また、全項目「房総 万葉集」で検索した結果から、【資料4】を発見。さらに、千葉県内図書館横断検索で全項目キーワード「山口杉庵」で検索し【資料5】を発見した。
(インターネットの最終アクセス:2015年11月12日)
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
詩歌  (911 9版)
参考資料
(Reference materials)
【資料1】鋸南町役場公式サイト きょなんまち「きょなんのむかしばなし」( http://www.town.kyonan.chiba.jp/kyonan/categories/kikaku-12/?taxno=item&taxno2=kyonaninfo
【資料2】『安房先賢遺著全集』(安房先賢偉人顕彰会編 国書刊行会 1981)| 2100625340 ;
【資料3】『百首正解 3巻』(杉庵志道著 1838)| 9103851258 ;
【資料4】『房総万葉地理の研究』(今井福治郎著 春秋社 1964)| 2101511951 ;
【資料5】『安房先賢偉人伝』(安房先賢偉人顕彰会編 国書刊行会 1981)| 2100625330 ;
【資料6】『百人一首私注』(長谷川哲夫著 風間書房 2015)| 2102696064 ;
【資料7】『新古今和歌集全注釈 2』(久保田淳著 角川学芸出版 2011)| 2102473200 ;
【資料8】『万葉集全解 1』(多田一臣著 筑摩書房 2009)| 21002234604 ;
【資料9】『日本古典文学全集 2』(小学館 1978)| 2100500327 ;
【資料10】鴨川市ホームページ「国学者 山口志道」( http://www.city.kamogawa.lg.jp/kanko/rekishi_bungaku_bunkazai/ijin/1412857384412.html
キーワード
(Keywords)
田子の浦(タゴノウラ)
千葉県-鋸南町(チバケン キョナンマチ)
山口志道(ヤマグチシドウ)
山口杉庵(ヤマグチサンアン)
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
郷土
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000188518解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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