レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016年02月10日
- 登録日時
- 2016/02/18 11:47
- 更新日時
- 2016/03/12 10:21
- 管理番号
- 千葉市中央065
- 質問
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解決
恵方巻の起源について知りたい。
- 回答
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『大辞林 第3版 松村 明/編』によれば、江戸末期の大坂船場に始まり、一度廃れたが1977年以降に復活した、と記載されていた。
『年中行事大辞典 加藤 友康/編』にも、「恵方巻きという太巻き寿司のブームも大阪発信の言説とともに起こってきて、いまやコンビニエンス=ストアの目玉商品となっている。」と書かれていた。
『食で知ろう季節の行事 高橋 司/著』によれば、節分の日に、恵方を向いて、巻き寿司を丸かぶりするという風習は、大阪地方で行われたのが最初であるといわれているそう。
『すしの本 岩波現代文庫 篠田 統/著』を確認したところ、日本風俗史学会食物史分科会の月次例会の席上における美登利鮓の久保登一氏の返事として、節分に巻きずしを食べる風は大正初めにはすでにあったという記載あり。おもに、花街で行われ、新こうこうを芯に巻いたノリ巻を、切らずにまるごと恵方のほうへ向いて食べていたようだ。
インターネットで「恵方巻」で検索。wikipediaの「恵方巻」のページで参考文献を発見。筑波大学のリポジトリで閲覧できる「比較民俗研究」という雑誌あり。2009年3月31日の23号の中に「現代人における年中行事と見出される意味:恵方巻を事例として」という記事があった。その中で著者は、少なくとも大正期~戦前には恵方巻が存在しており、大阪のごく限られた地域で行われていた風習であったと推察している。また、恵方巻という呼称はもともとは使用されておらず、「節分の巻ずし」あるいは、「幸運巻ずし」と呼ばれており、1998年にセブンイレブンが「恵方巻」という呼称を用いたことで、それがメジャーになっていったようだ。
また、セブンイレブンのホームページ内に「まるわかり豆知識」というページがあり、Vol.5として恵方巻きについて特集されていた。それによれば、恵方巻は1989年に広島県のセブンイレブンより始まっているそうだ。その当時に関西の風習としてあった「節分の日にその年の縁起のいい方角(恵方)を向いて無言で太巻き寿司をまるかぶりする」という情報にもとづいて恵方巻を一部の店舗で販売したのが始まりだそう。
- 回答プロセス
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自館所蔵の百科事典や国語辞典等を確認し、イベントや行事関係の参考資料にあたった。
その後、自館端末で「恵方巻」「巻き寿司」等のキーワードで検索。
インターネットでも、同様のキーワードで検索。
- 事前調査事項
- NDC
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- 衣食住の習俗 (383 9版)
- 年中行事.祭礼 (386 9版)
- 食品.料理 (596 9版)
- 参考資料
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松村明, 三省堂編修所 編 , 松村, 明, 1916-2001 , 三省堂. 大辞林 第3版. 三省堂, 2006.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008343719-00 , ISBN 4385139059 -
加藤友康, 高埜利彦, 長沢利明, 山田邦明 編 , 加藤, 友康, 1948- , 高埜, 利彦, 1947- , 長沢, 利明, 1954-. 年中行事大辞典. 吉川弘文館, 2009.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000010045541-00 , ISBN 9784642014434 -
高橋司 著 , 高橋, 司, 1949-. 食で知ろう季節の行事 : 親子で楽しむものしりbook. 長崎出版, 2008.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009899172-00 , ISBN 9784860952464
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松村明, 三省堂編修所 編 , 松村, 明, 1916-2001 , 三省堂. 大辞林 第3版. 三省堂, 2006.
- キーワード
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- 恵方巻
- 巻きずし
- 丸かぶりずし
- 節分
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000188313