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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000187688
提供館
(Library)
所沢市立所沢図書館 (2310110)管理番号
(Control number)
所沢新所-2015-010
事例作成日
(Creation date)
2014/02/19登録日時
(Registration date)
2016年01月30日 00時30分更新日時
(Last update)
2016年01月31日 16時44分
質問
(Question)
土壌線虫の生態について知りたい。特に、害虫ではなく有益な虫であるということ、雌雄はどうなっているのか、を知りたい。
回答
(Answer)
『世界大百科事典16巻』 平凡社 2007年 p.150-p.151に以下の記述があります。 
 土壌線虫が有益な虫であることについて
  「自活性センチュウの多くは、他の微小生物と複雑にからみ合いながら土壌中での有機物分解過程の一端を担っており、土壌の肥沃度や通気性、保水力など農業上重要な諸性質を維持、改良していくうえで大きな役割を果たしている」
「室内培養が容易で、薬品による突然変異が作りやすく、遺伝子地図や胚子空から成虫に至るまでの細胞系統図も明らかにされていることから、遺伝子のシス・トランス検定や遺伝子発現、神経抑制性決定、老化などの機構解明のための生化学的研究の材料として利用価値が高い」
 雌雄について
  「センチュウはふつう雌雄異体で、有性生殖によって繁殖するが、単為生殖の種類も多い。卵は体内または体外に産出」
 
また、以下の資料及びホームページにも記述があります。
 〇『はじめに線虫ありき そして、ゲノム研究が始まった』 アンドリュー・ブラウン/著 青土社 2006年
 〇『土壌生態学入門』 金子信博/著 東海大学出版 2007年  
 〇『線虫学実験』 水久保隆之/編 二井一禎/編 京都大学学術出版会 2014年
 〇「佐賀大学農学部線虫学研究室」ホームページ
 〇「地方独立行政法人 北海道立総合研究機構 林業試験場」ホームページ
回答プロセス
(Answering process)
1、所蔵資料の内容確認 
 〇『世界大百科事典16巻』 平凡社 2007年 
  p.150-p.151に以下の記述あり。
  「自活性センチュウの多くは、他の微小生物と複雑にからみ合いながら土壌中での有機物分解過程の一端を担っており、土壌の肥沃度や通気性、保水力など農業上重要な諸性質を維持、改良していくうえで大きな役割を果たしている」
「室内培養が容易で、薬品による突然変異が作りやすく、遺伝子地図や胚子空から成虫に至るまでの細胞系統図も明らかにされていることから、遺伝子のシス・トランス検定や遺伝子発現、神経抑制性決定、老化などの機構解明のための生化学的研究の材料として利用価値が高い」
「センチュウはふつう雌雄異体で、有性生殖によって繁殖するが、単為生殖の種類も多い。卵は体内または体外に産出」
その他、生態について詳細な記述あり。 
 
 〇『はじめに線虫ありき そして、ゲノム研究が始まった』 アンドリュー・ブラウン/著 青土社 2006年
  p.44~63「第二章 線虫とは」に生態の記述があり、エレガンスという線虫は雌雄同体で雄は染色体の事故で生じる、とある。 
 
 〇『土壌生態学入門』 金子信博/著 東海大学出版 2007年
  p.26、30、65、91に有機物の分解を促すなどの記述あり。   
 
 〇『線虫学実験』 水久保隆之/編 二井一禎/編 京都大学学術出版会 2014年
  p.36線虫の形態的特徴についての項目があり、p.42-43には生殖器官についての記述がある。雌性生殖器官と雄性生殖器官について分けて説明しているが、雌雄同体や雌雄異体についての詳細な説明はない。p.78、108、161に「種類によって、雌雄同体と雌雄異体が存在する」旨の記述が散見される。  
 また、有益な虫が否かについては、p.137に植物と線虫の相互関係研究としてコラムが掲載されている。それによると、ネコブセンチュウ、シストセンチュウ、ネグサレセンチュウに代表される植物寄生性線虫は植物にとって非常に厄介な存在であり、植物にとって線虫に寄生される利点が1つもないとある。
 
 △『線虫の研究とノーベル賞への道』 大島靖美/著  裳華房 2015年
  p.5線虫のひとつの種であるエレガンス線虫については雌雄同体との記述あり。
 
 △『生物の事典』 石原勝敏/総編集 朝倉書店 2010年 
  p.261に、線虫の成体は雌雄同体で959個、オスで1031個の分裂終了細胞で構成されており、通常2~3週間で死を迎えるとある。生態等に関しての記述はなし。 
 
 
2、インターネット検索
 〇「佐賀大学農学部線虫学研究室」ホームページに以下の記述あり
「昆虫病原性線虫:世界中の土壌中に広く分布します。昆虫に感染し、病気を引き起こす線虫です。人間には感染しません。宿主昆虫を自ら探索し、感染する能力を利用しているため、その能力を応用してゴルフ場などの土壌中の害虫や果樹などの樹幹内に穿孔する害虫などに対する生物農薬として利用されています。線虫自体は病原性がほとんどなく、相互依存的な共生関係をもつ特殊な細菌によって線虫に感染した宿主昆虫は死亡します」
 
 〇「地方独立行政法人 北海道立総合研究機構 林業試験場」ホームページに以下の記述あり。
  「光珠内季報-昭和44年度-林業相談線虫について」というページ「土壌線虫のうち、植物寄生性線虫以外の腐食性線虫、肉食性線虫は有益な線虫群である」
 
 △「明治大学農学部植物線虫学研究室」ホームページに以下の記述あり。
  「有害線虫もあるが物質循環において大きな役割を果たすものもある」
  
 △「九州沖縄農業研究センター線虫研究グループ」ホームページには、有害害虫であるネコブセンチュウとネグサレセンチュウの生態が書かれている。雌雄についての記述もあるが、種類によって生殖方法が異なる。
 
 
3、調査をしたが掲載の無かった資料は以下の通り
 ×『野菜・草花・果樹・庭木の病害虫がわかる本』 根本久/監修 善林六朗/監修 成美堂出版 2011年
  p.141に「センチュウ類」として項目あるが、害虫として紹介されている。 
 ×『原生生物の世界』 丸山晃/著 内田老鶴圃 1997年
  p.20には、「線形動物」として項目があるが、該当内容記述なし。  
 ×『生活害虫の事典』 佐藤仁彦/編集 朝倉書店 2009年
  センチュウの項目なし。 
 ×『野菜を病気と害虫から守る本』 根本久/著 NHK出版 2013年
  センチュウについて記述はあるが、該当内容記述なし。  
 ×『細胞生物学事典』 石川統/編集 黒岩常祥/編集 永田和宏/編集 朝倉書店 2005年
  線虫の項目はあるが該当内容記述なし。  
 ×『岩波生物学辞典』 山田常雄/[ほか]編集 岩波書店 1983年
  動物分類表p.47には線形動物門の中に「桿線中 類」としてだけ記述あり。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
微生物学  (465 9版)
生態学  (468 9版)
園芸植物学.病虫害  (623 9版)
参考資料
(Reference materials)
土壌生態学入門 金子信博/著 東海大学出版会 2007.6 481.76 978-4-486-01759-2
はじめに線虫ありき アンドリュー・ブラウン/著 青土社 2006.2 467.3 4-7917-6254-1
世界大百科事典 16 平凡社 2007.9 031
線虫学実験 水久保隆之/編 京都大学学術出版会 2014.10 615.84 978-4-87698-538-8
佐賀大学農学部線虫学研究室 http://www.ag.saga-u.ac.jp/japanese/senchu/senchu.html 2016/1/29
地方独立行政法人 北海道立総合研究機構 林業試験場 http://www.hro.or.jp/list/forest/research/fri/kanko/kiho/kihos44.htm 2016/1/29 (光珠内季報-昭和44年度-)
キーワード
(Keywords)
線虫
害虫
土壌生態学
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介
内容種別
(Type of subject)
その他
質問者区分
(Category of questioner)
一般
登録番号
(Registration number)
1000187688解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決