レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015/10/07
- 登録日時
- 2016/01/26 16:28
- 更新日時
- 2016/03/18 15:06
- 管理番号
- 埼久-2015-120
- 質問
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解決
芥川龍之介の「或旧友へ送る手記」内の用語について、「僕の体験」「僕の経験」のどちらが正しいのか知りたい。
- 回答
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「或旧友へ送る手記」の自筆原稿は「経験」であるが、掲載紙誌により「體驗」と表現されているものがあり、これを紹介した。
「僕の體驗」としている資料
『東京朝日新聞 1927年7月25日』(朝日新聞東京本社 1927)
『文芸時報 復刻版 2』(不二出版 1987)
p158「僕の體驗」
- 回答プロセス
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「手紙遺産 未来に贈るこころ」(中川越著 文月書房 2012)は、国会図書館、県内公共図書館とも未所蔵のため、未確認である。
自館目録を〈中川越〉で検索する。
『文豪・名文家に習う手紙の書き方』(中川越著 同文書院 1998)
p6 「手紙遺産」と同様の「或旧友へ送る手記」の引用があり、「僕の体験」になっている。
p222 参考文献あり。
上記参考文献から関係する資料を確認する。
「毎日グラフ(別冊) 芥川龍之介」(毎日新聞社 1992 県内公共図書館所蔵)
関連する記述なし。
青空文庫の底本を確認する。
『芥川龍之介全集43(現代日本文学大系)』(筑摩書房 1968)
p303 「僕の経験」とあり。
自館目録を〈或旧友へ送る手記〉で検索する。
『芥川竜之介全集 16』(岩波書店 1997)
p3「僕の経験」
p356 後記によると、「作品八篇は、著者の死後「遺稿」として公表されたものばかりであり、新聞・雑誌に発表された際も筆者自身の校正を経たものはない。したがって、自筆原稿が残されているものについては、自筆原稿によることとした。一方自筆原稿の無いものについては、初出紙誌によった。」とあり。
p347 「或旧友へ送る手記」について、「一九二七(昭和二)年七月二五日の「東京日日新聞」「東京朝日新聞」にまず掲載され、その後七月三一発行の「サンデー毎日」第六年第三四号、八月四日の「文芸時報」第四二号、九月一日発行の「文芸春秋」第五年第九号(芥川龍之介追悼号)、九月一日発行の「改造」第九巻第九号などに掲載された。本全集は著者自筆原稿(日本近代文学館蔵)を底本とし、明らかな間違いと思われる箇所のみ、「文藝春秋」掲載のものを参照して訂正した。」とあり。
掲載誌を確認する。
『東京日日新聞 1927年7月25日』(東京日日新聞社 1927)
「僕の經験」
『文芸春秋 5(9)』(文芸春秋社 1927)
p5「僕の經験」
『東京朝日新聞 1927年7月25日』(朝日新聞東京本社 1927)
「僕の體驗」
『文芸時報 復刻版 2』(不二出版 1987)
p158「僕の體驗」
「サンデー毎日 6(34)」(毎日新聞社 1927)(国会図書館所蔵)
「改造 9(9)」(改造社 1927)(国会図書館所蔵)
自館未所蔵のため確認できず。
- 事前調査事項
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調査済み事項
「手紙遺産 未来に贈るこころ」(中川越著 文月書房 2012)の第5章p248の7行目では「僕の体験」と引用されているが、出典不明である。青空文庫によると「僕の経験」となっている。
- NDC
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- 日記.書簡.紀行 (915 9版)
- 参考資料
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- 『芥川竜之介全集 16』(岩波書店 1997) , ISBN 978-4-00-091986-9
- 『文芸春秋 5(9)』(文芸春秋社 1927)
- キーワード
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- 書簡文
- 芥川 龍之介(アクタガワ リュウノスケ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000187553