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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000183965
提供館
(Library)
千葉県立中央図書館 (2120001)管理番号
(Control number)
千県中参考-2015-26
事例作成日
(Creation date)
2015/06/04登録日時
(Registration date)
2015年11月19日 00時30分更新日時
(Last update)
2015年11月19日 10時12分
質問
(Question)
『大漢和辞典 第2巻』p505「十年一昔」の出典となっている『魯堂雑話』が見たい。所蔵機関や著者について知りたい。
回答
(Answer)
(1)所蔵機関について
「魯堂雑話」の所在に関する情報については確認できませんでした。

「魯堂雑話」を引用している資料としては、『大漢和辞典』の他に『広辞苑』(えびで鯛を釣る)、前尾繁三郎「油断の語源」(油断)、『俚諺大辞典』(えびで鯛を釣る、十年一昔、油断大敵)等がありました。

うち、『俚諺大辞典』の緒言には、「余が俚諺研究に着手せしは、(中略)明治35年祖考魯堂翁の篋底に、俗諺叢なるものを蔵し、翁が折に触れ事に感じ、之に雌黄を加へしものあるを発見して、大いに感ずる所あり、茲に俚諺大辞典編纂の念を発し(以下略)」と書かれています。
『俚諺大辞典』には、「魯堂雑話」からの引用3例(えびで鯛を釣る、十年一昔、油断大敵)がすべて収録されており、「魯堂雑話」が掲載されている資料の中では出版年が一番古いことから、明治35年に発見した魯堂の俗諺叢を「魯堂雑話」と名付けた可能性はないか探りましたが、中野吉平と魯堂の関係、明治35年に魯堂の俗諺叢を発見した経緯、俗諺叢と「魯堂雑話」との関係等については確認できませんでした。

(2)著者について
「魯堂雑話」の著者は、『大漢和辞典 12巻』p726「魯堂」の項に「那波師曽の号。那波魯堂を見よ」、前尾繁三郎「油断の語源」に、「那波師曽の『魯堂雑話』」との記述があることから、江戸時代の漢学者「那波魯堂(なばろどう・なわろどう)」ではないかと思われます。

那波魯堂については、以下の資料があります。
『日本漢文学大事典』(近藤春雄著 明治書院 1985)p.497 上~中段に18行程度の記述あります。
著作物としては「学問源流一巻」「道統問答」「東遊篇」「左伝標例一巻」「魯堂文集」「魯堂先生手録一巻(門人編)」「春秋左伝(校)三十巻」
参考文献として「日本教育史資料巻五」「先哲叢談後編」「阿波偉人伝初編」「近世漢学者著述目録大成」「漢学者伝記及び記述集」が挙げられています。

参考文献の中で確認できた当館所蔵資料は下記の通りです。
『近世文芸者伝記叢書 第3巻 先哲叢談 後編巻五~八』(ゆまに書房 1988)
p.256-262に影印が、p.458-462に翻刻が収録されています。那波魯堂の小伝、著作についての記述はありません。

『近世漢学者著述目録大成』(関儀一郎共編 東洋図書刊行会 1941)
p.350上段に5行程度の記述あり、著作物として挙げられている資料は『日本漢文学大事典』と同じ。

『漢学者伝記及著述集覧』(小川貫道編 関書院 1935)
p.363に13行程度の記述あり、著作物として挙げられている資料は『日本漢文学大事典』と同じ。

『近世阿波漢学史の研究』(竹治貞夫著 風間書房 1989)p.137-299 第三章 那波魯堂
特にp.172-215 「第二節 魯堂の著書」で著書についての解題や紹介文があります。
『日本漢文学大事典』で挙げられている資料以外もいくつか紹介されていますが、『魯堂雑話』については記載されていませんでした。
回答プロセス
(Answering process)
(1)データベース検索  
「魯堂雑話」、「那波魯堂」等で以下検索。「魯堂文集」などはあるが「魯堂雑話」はなし。「那波魯堂」については、以前自館で受けたレファレンス調査記録あり
・NDLサーチ  http://iss.ndl.go.jp/
・Cinii Books  http://ci.nii.ac.jp/books/
・日本古典籍総合目録データベース(国文学研究史料館)
  http://base1.nijl.ac.jp/~tkoten/about.html
・所蔵史料目録データベース(東京大学史料編纂所)
  http://wwwap.hi.u-tokyo.ac.jp/ships/shipscontroller

(2)インターネット検索
「魯堂雑話」をGoogle Book等で検索し、『大漢和辞典』の「十年一昔」の他、『広辞苑』に「えびで鯛を釣る」、前尾繁三郎「油断の語源」(『自由民主』vol.218 1974.3 p37-39)に「油断」の出典として掲載されていることがわかる。それぞれの資料を確認するが、出典に関する詳細な情報なし。

(3)国立国会図書館にレファレンス依頼
那波魯堂の著作に関する資料・データベース等を調査したが、「魯堂雑話」、「魯堂雑筆」の所在等に関する情報は得られなかったとのこと。
(関連資料・調査資料)
・中野吉平 編『俚諺大辞典』東方書院、1933【388.81-N486r】
・檜谷昭彦「日本のことわざ222」(『國文學 : 解釈と教材の研究』26(10) (通号 377) 1981.7 pp.163-193 【Z13-334】)(「魯堂雑話」ではなく「魯堂雑筆」から同様の引用があったとのこと)
・竹治貞夫 著『近世阿波漢学史の研究』風間書房、1989.8【HA34-E6】
・関儀一郎, 関義直 共編『近世漢学者伝記著作大事典』関義直、1981.7【H2-G3】
・小川貫道 編『漢学者伝記及著述集覧』東出版、1997.9【H2-G11】
・文淵閣四庫全書電子版. デジタル文化出版, [2005] CD-ROM 182枚【YH231-H8892】

(4)『広辞苑』編集部問合せ
岩波書店ホームページの問合せフォームより問合せ
https://www.iwanami.co.jp/aidoku/index1.html
『広辞苑』の「えびで鯛を釣る」にこの用例が入ったのは、1969年刊行の第二版からだが、当時何を参照したのかは、すでに資料が散逸してしまって不明。平凡社の『大辭典』(1936年)に同じ「魯堂雑話」の用例があるのでこれを引いたのかもしれない、典拠が示せない説明は用いることができないため次回の改訂時には用例自体を再検討したい、との回答があった。

(5)『俚諺大辞典』の著者について調べる
国会図書館からの情報により、自館所蔵の『俚諺大辞典』を確認、「緒言」に魯堂に関する記述を発見。魯堂の俗諺叢を発見した経緯等がわかればと思い、著者を調べる。
・中野吉平の他の著作に『飯坂湯野温泉史』(1924)あり。著者住所は福島県信夫郡中野村。
・ヨミダス歴史館で検索→『俚諺大辞典』の著作権侵害の記事が1934.7.15、同7.18にヒット。
・渋沢社史データベース http://shashi.shibusawa.or.jp/index.php より、『岩波書店八十年史』(岩波書店 1996)の年表に以下の記述発見。
「昭和9年(1934)4月 《諺語大辞典》(有朋堂刊)の編者藤井乙男、《俚諺大辞典》(東方書院刊)の編者中野吉平を提訴、辞典の著作権侵害問題として注目される。(7月26日、中野吉平の謝罪により解決)」
・『諺語大辞典』(藤井乙男編 有朋堂書店 1910)には「魯堂雑話」が引用されていないため、「魯堂雑話」の部分は『俚諺大辞典』のオリジナルと思われるが、詳細は確認できなかった。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
伝説.民話[昔話]  (388 9版)
参考資料
(Reference materials)
『俚諺大辞典』(中野吉平編 東方書院 1933)|9102906629
『国書人名辞典 第3巻』(岩波書店 1996)|0105129672
『日本漢文学大事典』(近藤春雄著 明治書院 1985)| 9102935433
『近世文芸者伝記叢書 第3巻 先哲叢談 後編巻五~八』(ゆまに書房 1988)| 9102109331
『近世漢学者著述目録大成』(関儀一郎共編 東洋図書刊行会 1941)| 9102937170
『漢学者伝記及著述集覧』(小川貫道編 関書院 1935)| 9102877142
『近世阿波漢学史の研究』(竹治貞夫著 風間書房 1989)| 9102239120
キーワード
(Keywords)
魯堂雑話
那波魯堂
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
国立国会図書館
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
書誌的事項調査
内容種別
(Type of subject)
一般
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000183965解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
未解決
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