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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000183907
提供館
(Library)
岩手県立図書館 (2110044)管理番号
(Control number)
岩手-249
事例作成日
(Creation date)
2015年09月03日登録日時
(Registration date)
2015年11月17日 13時31分更新日時
(Last update)
2015年11月26日 14時38分
質問
(Question)
松尾芭蕉の旅に同行した曾良の旅日記には、午前十時から午後四時まで平泉を訪れたことになっている。『奥の細道』には「笠打敷て、時のうつるまで泪を落し侍りぬ」とあるが、平泉の高館で涙を流していた時間を知りたい。
回答
(Answer)
『奥の細道』『曾良旅日記』に関する資料を調査したが、高館で涙を流していた時間の記述は確認出来なかった。しかし下記の資料などの記述を総合してみると、午前九時半過ぎから正午ごろまでの間ではないかと考えられる。

①涙を流した時間の長さについて

『芭蕉と奥の細道論』には、次のような記述がある。
《芭蕉はこの杜甫の詩句の景を脳裡に思い合わせつつ、「笠打敷て、時のうつるまで泪を落し」たのであった。「時のうつるまで」とは一刻が過ぎるほどの時間である。》p60~61

『日本国語大辞典 第1巻』 小学館国語辞典編集部∥編集 小学館∥出版 によると、「一刻」とは《昔の一時(ひととき)の四分の一。現在の約三〇分》とある。

②芭蕉が平泉に居た時間帯について、下記資料には次のように記されている。

『奥の細道を歩く』
⇒p65「平泉」《(略)雨の翌日の一〇時に出発して午後四時前には一関に帰りついている。その間、約二里、往復に三時間みると、正味の見物時間は三時間ほど。》
『奥の細道の旅ハンドブック』
⇒p119「平泉」《(略)午前八時ごろから午後四時ごろまで、往復の時間を三時間とすれば、平泉見物も三時間余りとなる。相当精力的に見物して回ったことが想像される。》
『おくのほそ道謎解きの旅』
⇒p135「平泉」《(略)一関を午前九時ころに出発して二キロメートル(ママ)ほど歩き平泉に着き、(略)午後四時四十分ころ一関に帰着している。したがって、本章は、概算で約四時間余りの平泉見物の体験をもとに記述された、ということになる。》
『おくのほそ道を歩く 宮城・岩手』
⇒p168「一関」《十三日には午前九時ごろ一関を出て平泉へ向かい、高館、中尊寺、和泉が城、金鶏山、无量劫院跡などを観、午後四時ごろに一関へ戻った。》
⇒p171「伽羅之御所跡・柳之御所跡・無量光院跡」《芭蕉と曽良は午前九時ころ出立し、一関からニ里の平泉へ二時間弱をかけてやって来て、午後四時ごろには一関に戻っている。》


③平泉を巡った順路について『奥の細道』『曾良旅日記』いずれも、高館へ一番はじめに行ったように記されている。

『おくのほそ道: 付 曽良旅日記 奥細道菅菰抄 』
⇒p40「おくのほそ道〈平泉〉」《三代の栄耀一睡の中にして、大門の跡は一里こなたに有(略)先高館にのぼれば、北上川南部より流るゝ大河也。》
⇒p103「曾良旅日記(五月)」《十三日、天気明。巳ノ尅ヨリ平泉へ趣。一リ、山ノ目。壱リ半、平泉へ以上弐里半ト云ドモ弐リニ近シ(伊沢八幡壱リ余リ奥也)。高館・衣川・衣ノ関・中尊寺・(別当案内)光堂(金色堂)・泉城・さくら川・さくら山・秀平(衡)やしき等ヲ見ル。》
回答プロセス
(Answering process)
・『奥の細道』関連資料をブラウジング。特に平泉の滞在時間が記されている資料を調査。

・『曾良旅日記』に記された「巳ノ尅」(宿泊していた一関を出立した時間)が、現代の時間であらわすと資料によって、午前八時、九時、十時とまちまちであった。

・一関から平泉までの往復時間を三時間、あるいは往路二時間弱とする記述から、片道の所要時間は一時間半から二時間弱と推測。

・平泉に到着して、はじめに高館に足を運んでいる事、涙を流したのが約三十分あまりとすると、出立時間に約二時間のずれがあったとしても、正午ごろまでと判断した。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
日記.書簡.紀行  (915 9版)
参考資料
(Reference materials)
『芭蕉と奥の細道論』丸山 茂∥著 新典社∥出版 1995年, ISBN 4787940864 ( http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002454353-00 )
『奥の細道を歩く』関屋 淳子∥監修 JTBパブリッシング∥出版 2009年, ISBN 9784533073724 ( http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009999793-00 )
『奥の細道の旅ハンドブック』久富 哲雄∥著 三省堂∥出版 2002年, ISBN 438541047X ( http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000003662890-00 )
『おくのほそ道謎解きの旅』石 寒太∥著 リヨン社∥出版 2004年, ISBN 4576040995 ( http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007364583-00 )
『おくのほそ道を歩く 宮城・岩手』田口 惠子∥著 歴史春秋出版∥出版 2009年, ISBN 9784897577388 ( http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000010594265-00 )
『おくのほそ道:付 曽良旅日記 奥細道菅菰抄』芭蕉∥〔著〕 萩原 恭男∥校注 岩波書店∥出版 1982年 ( http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I004546581-00 )
キーワード
(Keywords)
奥の細道
曾良旅日記
松尾芭蕉
曾良 (河合曾良)
平泉
高館
随行
同行
時のうつるまで
泪/涙
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000183907解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
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