レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014年11月06日
- 登録日時
- 2015/11/06 15:38
- 更新日時
- 2018/01/16 17:27
- 管理番号
- 塩尻296
- 質問
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解決
とってきたスズメバチの巣を置き物にして飾りたいが、そのやり方が載っている本はないか。
(巣はもうとってきてあって、ハチはいない。壊れてきているので、長持ちさせる方法が知りたい。)
- 回答
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ハチに関する資料を中心に確認したが、図書では明確な答えが得られなかった。
外部団体に問い合わせをし、情報をいただいたので、資料と合わせそれらをお伝えした。
- 回答プロセス
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①ハチに関する資料を確認したところ、それぞれ次のような記述があった。
【資料1】中川村ハチ博物館について、著者の富永さんの取り組みについて、ハチの駆除のやり方等
【資料2】ハチの生態全般、巣やハチの駆除の詳細
【資料3】p64 巣の採集方法について簡単な記述
【資料4】ハチの巣作りについて等
【資料5】巣の発見のしかた等
【資料6】スズメバチ研究科によるスズメバチ全般の記述
【資料7】p38、39「スズメバチのくらし」 巣の中の様子、狩りのことなど
【資料8】p50-55 さまざまな種類のハチの巣のカラー写真と簡単な解説
いずれも、スズメバチやその巣については分かるものの、巣の保存方法についての記述はなかった。
そのほか、標本学、民俗学、郷土資料等も確認したが、それらしい記述はなかった。
②当館で所蔵のない資料で、載っていそうなものについて、所蔵館に内容を問い合わせた。
・雑誌『昆蟲』(日本昆虫学会、2012/10/5 15巻4号)「博物館だより(7)自然史博物館の教育普及活動における駆除スズメバチ巣の活用」奥島 雄一、岩田 泰幸
問い合わせ先:岡山県立図書館
解体方法や標本としての保存、殺法等は掲載されているが、飾るためのやり方などは書かれていないとのこと
・『標本の作り方-自然を記録に残そう-大阪市立自然史博物館叢書(2)』(大阪市立自然史博物館編著, 東海大学出版会, 2007年7月)
問い合わせ先:松本市立中央図書館
巣の標本の作り方は掲載されているが、飾るためのやり方は書かれていない
・『あっ!ハチがいる!』(千葉県立中央博物館/監修、晶文社出版、2004年07月)、『蜂は職人・デザイナー』(INAX出版、1998年03月)
問い合わせ先:長野市立長野図書館
飾るためのやり方等は書かれていないとのこと
③図書では明確な答えが得られなかったため、複数の外部団体に問い合わせた。
【ニューロンサニター株式会社】(害虫駆除等)
●よく乾いた状態で、ニスを重ねて3回塗る。(艶消しのものだと自然の風合い)
●ガラスケースの中に入れ、コップに水を入れたものと一緒に置き、乾燥を防ぐ
※巣の中に、幼虫などがいる状態の場合は内側から腐る場合があるので、保存には適さない
ホームページ(http://newron.co.jp/blog/)2014.11.8最終確認
ハチの巣を使用したワークショップの様子、ハチの種類ごとの生態・巣について等写真付きで紹介。(PDFあり)
【倉敷市自然史博物館】
●巣の中に、ハチ以外にも虫がいる可能性があるため、殺虫作業を行う
・ビニール袋等、密閉できるまるごと巣が入れられるものを用意し、濃度の高いエタノール(博物館ではシンナー系の酢酸エチルを使用。一般入手は難しいかもしれない)等を綿やティッシュに湿らせて入れ、一晩置く
・まるごと冷凍庫に一晩入れても同じ効果がある
・どちらも難しいようであれば、しばらく防虫剤を入れて密閉しておく
●長持ちさせるためには、乾燥した状態で、
・スプレーニスを表面に何往復か吹きかける
※艶がでるため、見た目の質感が変わってしまうが、持ちが強い
・フキサチーフ(薄いスプレーのり。画材やコンテの固定剤)を表面に何往復か吹きかける
※べたつきはないため自然のままの質感が保てる
●容器に入れて保存することにより、より長期の保存が可能
・アクリル等で密閉させて置く
・密閉が難しければ、防虫剤と一緒に置く(巣が有機質の塊のため、中に虫がつく可能性がある)
【信州日本ミツバチの会】のホームページ(http://shinshu328.wix.com/shinshumitubachi# 2014.11.8最終確認)には、ハチに関するQ&Aなどがいくつか掲載されているが、巣に関することはない。
問い合わせてみたところ、『蜂になった男』の著者であり、会の会長でもある富永さんの連絡先を教えていただき、個人的な質問にも応じてくださるとのこと。
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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【資料1】富永朝和, 「蜂になった男」編集委員会 著 , 富永, 朝和, 1938-. 蜂になった男. 信濃毎日新聞社, 2000.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000003021069-00 , ISBN 4784098801 -
【資料2】松浦誠[ほか]著 , 松浦, 誠(1941-). 蜂の生態と蜂毒及びその予防,治療対策. 林材業労働災害防止協会, 1988-09.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000074-I000235511-00 -
【資料3】春田俊郎 著 , 春田, 俊郎, 1922-1996. 昆虫-採集と標本づくり. 日本文芸社, 1983.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001622767-00 , ISBN 4537001259 -
【資料4】松浦誠 著 , 松浦, 誠, 1941-2005. 社会性ハチの不思議な社会. どうぶつ社, 1988. (自然誌選書)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001945279-00 , ISBN 4886222331 -
【資料5】松浦誠 著 , 松浦, 誠, 1941-2005. スズメバチを食べる : 昆虫食文化を訪ねて. 北海道大学図書刊行会, 2002.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000003634241-00 , ISBN 4832973312 -
【資料6】中村雅雄 著 , 中村, 雅雄, 1948-. おどろきのスズメバチ. 講談社, 2013. (世の中への扉)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I024613183-00 , ISBN 9784062182881 -
【資料7】寺山守 監修 , 寺山, 守. 昆虫のふしぎ. ポプラ社, 2007. (ポプラディア情報館 = Poplardia information library)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008501566-00 , ISBN 9784591095966 -
【資料8】ローレンス・モード 著 , リリーフ・システムズ 訳 , Mound, Laurence Alfred , リリーフシステムズ. 昆虫 : 魅惑に満ちた昆虫の体のつくり、生活史など にぎやかで興味深い昆虫の世界を探る. 同朋舎出版, 1991. (ビジュアル博物館 ; 第17巻)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002127890-00 , ISBN 4810409635 - 【資料9】(第9回) 冬は安心してお宅訪問 ハチの巣. 小学館, 2011. (見分けの達人養成塾 ひと目でわかる自然観察入門) Be-pal 15(4) p. p114-117
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【資料1】富永朝和, 「蜂になった男」編集委員会 著 , 富永, 朝和, 1938-. 蜂になった男. 信濃毎日新聞社, 2000.
- キーワード
- 照会先
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- 松本市立中央図書館
- 長野市立長野図書館
- 岡山県立図書館
- 倉敷市自然史博物館
- 信州日本ミツバチの会
- ニューロンサニター株式会社
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000183319