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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000177715
提供館
(Library)
練馬区立光が丘図書館 (2310087)管理番号
(Control number)
nerima-光が丘-0019
事例作成日
(Creation date)
2014年7月5日登録日時
(Registration date)
2015年07月26日 00時30分更新日時
(Last update)
2015年07月26日 09時50分
質問
(Question)
古代武蔵府中から豊島郡衙へ行く街道の途中にある乗瀦駅が西武線練馬駅近くの白山神社付近にあったということを聞いたことがありますが、これに関する資料をお教えください。また乗瀦駅を通る街道のルートの推定はされているのでしょうか、併せて資料がありましたらお教えください。
回答
(Answer)
「乗猪駅」について下記の資料により調査いたしました。読み方は「のりぬま」「あまぬま」があり、場所につきましても諸説あります。

①『国史大辞典2』国史大辞典編集委員会編 吉川弘文館 ISBN4-642-00502-1
【えきせい 駅制】の項P.252「古代駅馬伝馬一覧」の『延喜式』以前廃止駅の欄に「乗瀦」が記載されています。また駅の廃止・改置・再興などの理由について記載があります。

②『角川日本地名大辞典13 東京都』角川日本地名大辞典編纂委員会編 角川書店 P.67に「あまぬま 天沼」 P.566に「ねりま 練馬」 P.572に「のりぬまえき 乗瀦駅」それぞれに“説”として記載があります。P.881に「杉並区の沿革 古代」に乗瀦駅と海田郷、P.971「練馬区の沿革 古代」に「のりぬま」説があり、確証があるわけでないとあります。


③『続日本紀3』直木孝次郎ほか訳注 ワイド版東洋文庫 平凡社 ISBN978-4-256-80524-4
 P259~P260「神護景雲二年三月乙巳朔」条に下総の井上、河曲、浮島、武蔵の乗瀦、豊島、の五駅の記載があります。

④『坂本太郎著作集 第8巻 古代の駅と道』坂本太郎著 吉川弘文館 ISBN4-642-02223-6
  P343~P356、続日本紀に記述のあるもののうち乗瀦以外の四駅はその後、延喜式・倭名抄に載せられているのに、乗瀦に関しては漏れており、「(乗瀦が)文献史的に不運な位置にある」とあります。本書には乗瀦の訓み方に「アマヌマ」「ノリヌマ」があり、杉並区天沼町説、・大宮市天沼町説、・北埼玉郡岩瀬村小松説、・練馬区谷戸部落説などが挙げられており、さらに「乗瀦関係路線を示す史料とその解釈」から東山道と東海道の両道の一本の交通線上に位置したであろうことが記載されています。「東海道の新古二様の路線」などの小節を経て、神護景雲の史料にいう東海道は古道であり延喜式では五駅が分裂し、乗瀦は下総から東山道への、言い換えれば武蔵国府への連絡の必要がなくなったのではとしています。「乗瀦の位置に関する私見」が詳述されており、乗瀦駅は豊島駅と武蔵国府の両者から適当な距離の中間地点にあったと推測されています。豊島駅の駅址については諸説ありますが、豊島の位置を麹町の旧江戸城辺りと見て、そこから武蔵国府への一線が正西方を指向し、その線上に乗瀦があることを推定しています。練馬を「ノリヌマ」の転とみることは少々無理があり、杉並の「アマヌマ」を乗瀦の位置であったと考察しています。

⑤『事典 日本古代の道と駅』木下良著 吉川弘文館 ISBN978-4-642-01450-2
 P112~P113、『続日本紀』に見える武蔵国乗瀦、豊嶋二駅については、豊嶋駅は「延喜式」に載せられているが乗瀦駅は見えない、との記載があります。さいたま市大宮区天沼説、・杉並区天沼説、・練馬区練馬説、・東京都旧荏原郡中延村から馬込牟田にかけての字天沼説、が詳解されており、安房・上総両国の古代交通路の図には乗瀦以外の四駅が明記されます。相模・武蔵両国の古代交通路(P108図Ⅱ-7)には、カッコ付の乗瀦駅が記された図が掲載されています。

⑥『古代日本の交通路 Ⅰ』 藤岡謙二郎編 大明堂
「武蔵国」には、坂本太郎の詳しい論考をもとにして「杉並区の天沼に比定することで誤りのないものと考えられる。」とあります。同書にはP175迅速図による乗瀦駅推定地の図も掲載されており、下荻窪村の地名が見えます。

⑦『練馬区史 歴史編』練馬区史編さん協議会編集 1982年
 P.161~P162第二節『続日本紀』に記載されていた武蔵国乗瀦は「延喜式」が編纂された10世紀初めには姿を消している(『国史大辞典2』国史大辞典編集委員会編 吉川弘文館 ISBN4-642-00502-1【えきせい 駅制】の項P.252『延喜式』以前廃止駅の欄に「乗瀦」が記載されていることを参照しても明らか。)「なお、乗瀦駅の区内位置については、平安期創建の本区最古の古社で知られる白山神社付近に充てられている。」と(「西郊文化」第7輯)の地図の掲載があります。白山神社付近の説については『練馬を往く』練馬区教育委員会 1983年 P17にも記載があります。

●乗瀦を通る街道のルートについては
・『杉並区の歴史』杉並郷土史会・文/東京にふる里をつくる会編 名著出版会P.33~37 三「乗瀦の駅」の項。
・『日本古代道路事典』古代交通研究会/編 八木書店 ISBN4-8406-2021-0武蔵国項P95~P96にも記述があります。
・⑥の「『古代日本の交通路 Ⅰ』 藤岡謙二郎編 大明堂 P176「乗瀦駅推定地と武蔵と下野を結ぶルート」の記載があります。
回答プロセス
(Answering process)
①『国史大辞典2』国史大辞典編集委員会編 吉川弘文館 ISBN4-642-00502-1
【えきせい 駅制】の項P.252「古代駅馬伝馬一覧」の『延喜式』以前廃止駅の欄に「乗瀦」が記載されています。また駅の廃止・改置・再興などの理由について記載があります。

②『角川日本地名大辞典13 東京都』角川日本地名大辞典編纂委員会編 角川書店 P.67に「あまぬま 天沼」 P.566に「ねりま 練馬」 P.572に「のりぬまえき 乗瀦駅」それぞれに“説”として記載があります。P.881に「杉並区の沿革 古代」に乗瀦駅と海田郷、P.971「練馬区の沿革 古代」に「のりぬま」説があり、確証があるわけでないとあります。このことから、読み方、場所に諸説あることが判明。

③『続日本紀3』直木孝次郎ほか訳注 ワイド版東洋文庫 平凡社 ISBN978-4-256-80524-4
 P259~P260「神護景雲二年三月乙巳朔」条に下総の井上、河曲、浮島、武蔵の乗瀦、豊島、の五駅の記載があります。

④『坂本太郎著作集 第8巻 古代の駅と道』坂本太郎著 吉川弘文館 ISBN4-642-02223-6
  P343~P356、続日本紀に記述のあるもののうち乗瀦以外の四駅はその後、延喜式・倭名抄に載せられているのに、乗瀦に関しては漏れており、「(乗瀦が)文献史的に不運な位置にある」とあります。本書には乗瀦の訓み方に「アマヌマ」「ノリヌマ」があり、練馬を「ノリヌマ」の転とみることは少々無理があり、杉並の「アマヌマ」を乗瀦の位置であったと考察しています。

⑤『事典 日本古代の道と駅』木下良著 吉川弘文館 ISBN978-4-642-01450-2
  P112~P113、相模・武蔵両国の古代交通路(P108図Ⅱ-7)には、カッコ付の乗瀦駅が記された図が掲載されています。

⑥『古代日本の交通路 Ⅰ』 藤岡謙二郎編 大明堂
「武蔵国」には、坂本太郎の詳しい論考をもとにして「杉並区の天沼に比定することで誤りのないものと考えられる。」とあります。同書にはP175迅速図による乗瀦駅推定地の図も掲載されており、下荻窪村の地名が見えます。

⑦『練馬区史 歴史編』練馬区史編さん協議会編集 1982年
 P161~P162第1章 律令制化の練馬 第二節 乗瀦駅 白山神社付近の説あり。

⑧『練馬を往く』練馬区教育委員会 1983年 P17 白山神社付近の説あり。白山神社とその付近に続日本紀の武蔵国「乗瀦(ノリヌマ)」駅があったのではないかという説があります。

⑨『練馬区地名研究会会報』練馬区地名研究会編 第11号
「乗瀦(のりぬま)は練馬である」と題し、杉並郷土史会会長森泰樹氏講演要旨の掲載あります。「以上の事柄から私は乗瀦易は練馬区の向山、貫井付近に在ったと考えております。」と言及しています。

①~③により存在の確認と廃止時期が判明。
④~⑨により読み方、場所については諸説あることが判明。

練馬区HP内『練馬の地名』、杉並区公式サイト、小平市立図書館「江戸時代のあの町この村」はインターネット資料収集保存事業で検索できました。
国立国会図書館デジタルコレクションでは該当の資料は検索・閲覧できませんでした。
リサーチ・ナビで乗瀦を検索したところ本(10件)とヒットしました。「乗瀦駅の所在について」は西郊文化という雑誌記事で掲載通号7、掲載ページP3~12マイクロ資料となっていました。

●練馬説、天沼説について
・練馬区HP内『練馬の地名』、
http://www.city.nerima.tokyo.jp/annai/rekishiwoshiru/nerimanochimei/nanto/ima_nerima.html
http://www.city.nerima.tokyo.jp/annai/rekishiwoshiru/kyuchimei/old_kaminerima.html

・杉並区公式サイトすぎなみ学倶楽部「天沼」の項に記述があります。
http://www.suginamigaku.org/content_disp.php?c=49e2ec65134d3&n=2#49e2efc5e7cfa

・小平市立図書館HP「江戸時代のあの町この村」乗瀦(「のりぬま」がなまって「ねりま」になった他諸説が子供向けに掲載。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
関東地方  (213 9版)
日本  (291 9版)
参考資料
(Reference materials)
国史大辞典編集委員会/編 , 国史大辞典編集委員会. 国史大辞典 2. 吉川弘文館, 1980.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I000101560-00 , ISBN 4642005021 ([えきせい 駅制]の項P252)
『角川日本地名大辞典13 東京都』角川日本地名大辞典編纂委員会編 角川書店 1978 (P67、p572、p881、p971)
『続日本紀3』直木孝次郎ほか訳注 ワイド版東洋文庫 平凡社 1990, ISBN 978-4-256-80524-4 (P259~P260)
坂本太郎著 , 坂本, 太郎(1901-1987). 古代の駅と道. 吉川弘文館, 1989-05. (坂本太郎著作集)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000074-I000094357-00 , ISBN 4642022236 (第8巻P343~P356)
木下良 著 , 木下, 良, 1922-. 事典日本古代の道と駅. 吉川弘文館, 2009.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000010054317-00 , ISBN 9784642014502 (P112~P113)
『古代日本の交通路Ⅰ』藤岡謙二郎編 大明堂 1978.10 213.61 (P175)
『練馬区史 歴史編』練馬区史編さん協議会編集 東京都練馬区 1982年 213.61 (p161)
『練馬を往く』練馬区教育委員会 1983年 (P17)
古代交通研究会 編 , 古代交通研究会. 日本古代道路事典. 八木書店, 2004.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007357681-00 , ISBN 4840620210 (武蔵国項P95~P96)
杉並郷土史会/文 , 東京にふる里をつくる会/編 , 杉並郷土史会 , 東京にふる里をつくる会. 杉並区の歴史. 名著出版, 1978.10 213.61, ISBN 4626011314 (P.33~37 三「乗瀦の駅」の項)
キーワード
(Keywords)
武蔵国
駅制
古代交通路
街道
のりぬま
あまぬま
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介 所蔵調査 書誌的事項調査
内容種別
(Type of subject)
郷土
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000177715解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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