レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015/2/12
- 登録日時
- 2015/04/02 00:30
- 更新日時
- 2015/04/03 00:30
- 管理番号
- 北方 14-0170
- 質問
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解決
「スノーダンプ」という、ひとり用の除雪具がある。
昭和36年、石川県吉野谷村の宮村勝さんが鉄製で考案した「スノッパー」が、新潟県に来て昭和60年にプラスチック製のママダンプになった。
このルーツが、北海道の国鉄職員が昭和20年代後半に使用していた木製のスノーダンプだと聞いたが本当か。詳しく教えてほしい。
●その質問の出典や情報源、調査済み事項など
石川県白山自然保護センター『はくさん』第9巻3号(1981年12月)岩田憲二氏の論文。
テレビ金沢の「石川のギモン」(2008年1月23日)石川県立図書館によるもの。
- 回答
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1.百科事典、国語辞典等には関連する記述を確認できず
2.蔵書検索、雑誌記事検索で「スノーダンプ」「ママ ダンプ」を検索。以下の雑誌記事に関連記述あり。
『BUN BUN ブンブン Sapporoタウン情報紙通巻81号』(回答資料1)
p7 「特集 『ママさんダンプ』って、どんなダンプ? 」
→北海道開拓記念館・氏家等学芸員へのインタビューあり。
・「雪押し」の歴史は、昭和20年代に線路の除雪のために、国鉄の職員が木を材料に作り始めたのが原形
・30年代には、鉄工所が、国鉄や開発事務所の依頼で鉄製の雪押しの製作を始め、徐々に個人宅へ普及
・40年代にプラスチック製が登場し、広く雪国の家庭に行き渡った
→同記事で、新潟のメーカー・ニラサワ製販へのインタビューあり。
・国鉄職員の作った木製から鉄製へ、さらにプラスチックへとたどった歴史は北海道も北陸も同じ
・ただし、プラスチック製での商品化は北陸が先
3. 『BUN BUN ブンブン』の情報を元に「氏家等」で蔵書検索。以下の資料がヒット。
『北海道開拓記念館研究年報 第17号』(回答資料2)
p63~74 「除雪具(雪かき)の変遷と雪押しの発生と発達過程」
→「Ⅲ.木製の雪押し」に調査の詳しい記述あり。
→「Ⅵ.おわりに」で、木製の「雪押し」は、一本柄のものは昭和20年代に普及し昭和40年前後まで旭川地方の国鉄保線区で使用され、柄がコの字型のものは昭和20年代後半に空知地方の国鉄保線区で製作され昭和40年前後まで使用された、としている。
4.民具に関する資料についても調査し、以下のものに記述があった。
『北海道の民具』(回答資料3)
p32に「三角橇と雪押し」の項あり(執筆者は氏家等)
→雪押しについて
・昭和20年代に北海道でも雪深い深名線などの駅を中心にして使われた除雪具
・昭和30年代になると鉄製のものが鍛冶屋で製作されるようになり、次第に一般家庭へも普及していった
・北陸地方のスノーダンプとの関連については「北陸地方においても同様の除雪具がほぼ同じ頃に製作された」とのみあり
『北海道の民具と職人』(回答資料4)
p162~169「第2章第3節 雪と民具-雪かきとかんじきー」
→回答資料2とほぼ同様の記述あり
以上、回答。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 衣食住の習俗 (383 7版)
- 参考資料
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- 1 BUN BUN ブンブン Sapporoタウン情報紙 通巻59号?通巻81号 朝日新聞北海道支社「ブンブン」編集室 1993年 Z107
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2 北海道開拓記念館研究年報 第17号 北海道開拓記念館∥編 北海道開拓記念館 1989 069/HO/17 -
3 北海道の民具 大久保一良∥画 北海道新聞社 1993.2 383.9/HO -
4 北海道の民具と職人 関 秀志∥[ほか]著 北海道 1996 383.9/HO -
1 RAPORA ラポラ 通巻81号 北海道国際航空 2002年 Z503 -
2 北海道保線のあゆみ 北海道保線史編集委員会∥編 日本鉄道施設協会北海道支部 1972 516.4/HO/イ
- キーワード
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- スノーダンプ
- ママさんダンプ
- 雪押し
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事項調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000170247