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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000168973
提供館
(Library)
埼玉県立久喜図書館 (2110009)管理番号
(Control number)
埼久-2014-196
事例作成日
(Creation date)
2014/08/26登録日時
(Registration date)
2015年03月14日 14時51分更新日時
(Last update)
2015年05月12日 15時05分
質問
(Question)
豊臣秀吉が天正19年、インドの副王に宛てた書簡の本文(原文と読み下し文、または現代語訳)を探している。
日本は神の国であるという趣旨の文言が入っているらしい。
回答
(Answer)
 秀吉の書簡は当初作成された天正19年7月25日付けの原案文(以降(1)と表記)と、その後改変されて最終的にインド副王へ送られた天正20年7月25日付けの返書文(以降(2)と表記)の2種類があり、いずれも「神国」という言葉が含まれている。
 (1)については漢文の原文と読み下し文が掲載された図書が見つかったが、研究文献によると(2)については原文は現存せず、スペイン語とポルトガル語訳文のみが伝わっているとのこと。
 以下のとおり、(1)の原文と読み下し文、(2)のポルトガル語訳文とされる「ルイス・フロイス 日本史」を紹介した。
 また、改変の経緯やそれぞれの返書文の根拠となる史料については、下記で紹介する文献に詳しい解説がある。

『異国叢書 〔11〕 異国往復書翰集』(雄松堂書店 1966)
 p26-29 (1)原文(漢文)あり。タイトル 「天正十九年 千五百九十一年 豊臣秀吉よりポルトガル領印度総督に贈りし書翰○京都市富岡氏所蔵。」書翰の最後に「天正拾九七月廿五日 関白 印地阿 昆曾霊」とあり。

『天理図書館善本叢書 和書之部 68 古文書集』(天理大学出版部 1986)
 p295-298「豊臣秀吉書状案 ポルトガル國インド副王宛返書 天正十九年七月二十五日」((1)の原史料の影印、漢文、訓点付き)
 解題p37 上記について簡単な解題あり。

『中世・近世の国家と社会』(永原慶二編 東京大学出版会 1986)
 (1)の読み下し文がp231-232にあり(最初と最後の文のみ省略)。
 p231-233インド副王への返翰についての草案作成の状況、キリシタン・南蛮国に宛てた外交文書の特徴が書かれている。p240に豊臣政権の対外認識一覧
 p247 「対外的に国家の意志を示す外交文書の作成に道澄らが加わり、「日本は神国」という主張を外交文書にとりいれたのである。」
 p250 (2)について、注9に巡察師ヴァリニャーノによる文書の表現の不穏当さの指摘により、天正20年7月25日付けで書き改められ、「キリシタンは邪法」「宣教師が来日して布教すれば族滅」等の内容が消えているとあり。(ルイス・フロイス『日本史2』p132-149)

『キリシタン時代の貿易と外交』(高瀬弘一郎著 八木書店 2002)
 p417-418 (1)案文の読み下し文あり。
 以下(2)について、
 p419「今日伝存している右記の案文と同文の書簡正文が、副王の許に届けられたわけではなかった。」
 p420 「結局返書は一部書き直された」
 p423 一部書き替えられた返書の文面は「日本文では恐らく伝存せず」とあり、スペイン語訳文(1592年度イエズス会日本年報)とポルトガル語訳文(フロイス著『日本史』)のみが伝わるとの記述あり。両語訳文とも「略正確に一致する」とのことで、日本語重訳が続けて掲載されている(p423-425)。
 p424「当日本王国は神々[カミス]の国であり」との重訳あり。スペイン語訳文はp434に「(52) Jap.Sin.51,f.344,344v」とあるが国内刊行資料への掲載については特に記述なし。

『日本史 2』(フロイス著 中央公論社 1978)
 p147-159 第30章(第3部26章)関白が(インド)副王に宛てた書簡、ならびに彼に呈した贈物のこと、読み下し文と書簡の内容、贈物についての記述あり(2)。
 注4,5,8,9,10,15に復書案文(漢文)あり。

『完訳フロイス日本史 5』(中央公論社 2000 中公文庫)
 p141-150 上記とほぼ同じ内容あり。

柳田利夫著「豊臣秀吉インド副王宛書簡案文について-欧文原史料と比較して」(『ビブリア:天理図書館報 88』p43-68 養徳社 1987)
 この論文の目的として「(前略)これまでの本文書に関する研究史をごく手短に整理した上で、これまで紹介されてきた史料の原史料にあたる若干のイエズス会ローマ総合文書館所蔵の欧文史料を紹介し、従来の定説を補強しつつ、本文書の作成経緯につき欧文原史料から判明するところと、その作業を通じて考えられるところとを簡単に報告する」
回答プロセス
(Answering process)
事前調査資料に掲載されている参考文献の調査
《Googlebooks》( https://books.google.co.jp/  Google 2014/08/24最終確認)を〈秀吉 & 書簡 & 副王〉で検索したところ、『キリシタン時代の貿易と外交』がヒットし調査する。
事前調査事項
(Preliminary research)
安野眞幸著「天正19年インド副王宛秀吉書簡の分析」(『クロスロード : 弘前大学教育学部研究紀要 3』p1-4 2001.3)
リポジトリで内容確認可能。《弘前大学学術情報リポジトリ》( http://repository.ul.hirosaki-u.ac.jp/dspace/handle/10129/2156  弘前大学附属図書館 2014/08/21最終確認)
NDC
日本史  (210 9版)
参考資料
(Reference materials)
『異国叢書 〔11〕 異国往復書翰集』(雄松堂書店 1966)
『天理図書館善本叢書 和書之部 68 古文書集』(天理大学出版部 1986)
『中世・近世の国家と社会』(永原慶二編 東京大学出版会 1986), ISBN 4-13-020075-5
『キリシタン時代の貿易と外交』(高瀬弘一郎著 八木書店 2002), ISBN 4-8406-2020-2
『日本史 2』(フロイス著 中央公論社 1978)
『完訳フロイス日本史 5』(中央公論新社 2000), ISBN 4-12-203584-8
『ビブリア:天理図書館報 88』(養徳社 1987)
キーワード
(Keywords)
日本-政治-歴史-安土桃山時代
キリスト教-日本-歴史-安土桃山時代
豊臣 秀吉(トヨトミ ヒデヨシ)
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介 事実調査
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
個人
登録番号
(Registration number)
1000168973解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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