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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000167171
提供館
(Library)
埼玉県立久喜図書館 (2110009)管理番号
(Control number)
埼久-2014-168
事例作成日
(Creation date)
2014年08月27日登録日時
(Registration date)
2015年02月03日 14時59分更新日時
(Last update)
2015年05月01日 16時28分
質問
(Question)
「曲尺(かねじゃく)とその中に「上」」という表示(印・記号)は何を意味するのか知りたい。曲尺部分は「上」という文字の上の右にある。家にあった古い木版に住所(小県郡依田村(長野県))や職業(阿波染物業)とともに書かれていた。
回答
(Answer)
質問の記号は「家印(いえじるし)」だと思われる。家印とは占有標の一つで、家財・農具・漁具・蔵・船・墓などに対して、家ごとの所有を表示するためのもの。墨書・漆書・刻印・染めつけなどにより用いられる。特に「阿波染物業」とあるとのことなので、屋号となり商標性を持った看板である可能性もある(『日本民俗大辞典』などによる)。
『生活語彙の開く世界 10』(室山敏昭、野林正路編 和泉書院 2005)
屋号の場合はこの印を「カネジョー」と読む例が見られた。
回答プロセス
(Answering process)
『日本民俗大辞典 上』(吉川弘文館 1999)
 p64-65〈家印〉の項あり。
『日本民俗大辞典 下』(吉川弘文館 2000)
 p719-720〈やごう(屋号)〉の項目あり。
『日本大百科全書 2』(小学館 1985)
 p16〈家印〉の項あり。
『国史大辞典 1』(吉川弘文館 1979)
 p424〈家印〉の項あり。

NDC分類〈672〉〈674〉の資料から、家印の事例が掲載されている資料を調べる。
『江戸買物独案内』(中川芳山堂編 渡辺書店 1972)
『諸国道中商人鑑』(竹埜半兵衛〔撰〕 みやま文庫 1990)
『江戸老舗地図』(江戸文化研究会編 主婦と生活社 1992)
『広告で見る江戸時代』(中田節子著 角川書店 1999)
『暖簾』(高井潔写真・文 淡交社 1997)
『日本屋外広告史』(谷峯蔵著 岩崎美術社 1989)
『図説日本広告千年史 古代・中世・近世編』(大伏肇著 日本図書センター 1999)
『日本のしるし 1 家のしるし』(高橋正人著 岩崎美術社 1978)
『生活語彙の開く世界 10 屋号語彙の開く世界』
 p95「家印屋号語彙」の項目によると、「家印屋号とは、○一[○の中に一]・十┐[十に┐]のような記号を家印とし、これを「マルイチ・カネジュー」のように呼んで家の名としているものである。(中略)一集落の家印屋号群を家印屋号語彙と把握している。」とのこと。
 p96「チェンバレンの家印屋号研究」の項目によると、「屋印に使用されている漢字の読みは音読も訓読もあるが、「上」は常に「ジョー」(音読み)である。」とのこと。
 p101「家印屋号に託された意味」の項目によると、「家印屋号に託された意味について、北海道の民俗文化の研究者である荒木恵吾・久木久義から次のような教示を受けた」「┐(カネ) 木工職人の用いる曲尺の形を模している。金[かね]と同音であるところから富への願望を表す。」という記述あり。
 p197-199に家印屋号語彙の例として、本家と分家の一族家印屋号語彙が掲載されている。この内p199には、「ヱ┐ カネヱ」の例がある。その他、┐を使った家印が散見される。p201にはご質問の家印と同じ、「上┐ カネジョー(田畑)」の家印がみられる。

松本晴菜著「湖東における家印の機能(一)」(『民具マンスリー 第41巻4号』 神奈川大学日本常民文化研究所 2008)
松本晴菜著「湖東における家印の機能(二)」(『民具マンスリー 第41巻5号』 神奈川大学日本常民文化研究所 2008)
松本晴菜著「湖東における家印の機能(三)」(『民具マンスリー 第41巻6号』 神奈川大学日本常民文化研究所 2008)
『群馬近県の屋号 新潟県・栃木県・埼玉県・長野県・山梨県』(星野正幸著 星野正幸[199-])
 「長野県の屋号 佐久・上田市の一部」に佐久地方とその西の上田市の一部の農村地帯の屋号を調査した結果がまとめられている。依田地区については記述なし。
『屋号・商標100選』(島武史著 日本工業新聞社 1986)

《CiNii Articles》( http://ci.nii.ac.jp/  国立情報学研究所 2014/08/23最終確認)を〈屋号〉〈家印屋号〉で検索する。
岡野信子著「北海道渡島半島諸地の家印屋号(その一)」(「日本文学研究 32」梅光学院大学 1997)
黒崎八洲次良著「家印・屋号・家名から商号へ」(「城西大学大学院研究年報 8」城西大学 1992)

《Google》( https://www.google.co.jp/  Google 2014/08/23最終確認)を〈家印 & カネ〉で検索する。
北端信彦著「日本の《しるし》-継承されたシンボルに民俗の美を探る-」(「藝術 (21)」大阪芸術大学 1998)( http://www.osaka-geidai.ac.jp/geidai/laboratory/kiyou/pdf/kiyou21/kiyou21_15.pdf  大阪芸術大学藝術研究所 2014/08/23最終確認)
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
デザイン.装飾美術  (757 9版)
社会.家庭生活の習俗  (384 9版)
広告.宣伝  (674 9版)
参考資料
(Reference materials)
『日本民俗大辞典 上』(吉川弘文館 1999), ISBN 4-642-01332-6
『日本民俗大辞典 下』(吉川弘文館 2000), ISBN 4-642-01333-4
『生活語彙の開く世界 10 屋号語彙の開く世界』(室山敏昭編 和泉書院 2005), ISBN 4-7576-0282-0
キーワード
(Keywords)
屋号
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
言葉
質問者区分
(Category of questioner)
個人
登録番号
(Registration number)
1000167171解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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