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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000164414
提供館
(Library)
宮城県図書館 (2110032)管理番号
(Control number)
MYG-REF-140016
事例作成日
(Creation date)
2014/8/2登録日時
(Registration date)
2014年12月13日 00時30分更新日時
(Last update)
2014年12月13日 00時30分
質問
(Question)
「春過ぎて 夏来にけらし 白たへの 衣干すてふ 天の香具山」という和歌について次のことを知りたい。
1 この歌を詠んだ歌人は誰か
2 いつ頃の時代に詠まれた作品か
3 どのような意味の歌か
回答
(Answer)
「春過ぎて 夏来にけらし 白たへの 衣干すてふ 天の香具山」について
下記資料に記載がありました。【 】内は当館請求記号です。
1 「春過ぎて~」の歌について
資料1 井上宗雄『百人一首』笠間書院, 2004【911.14/イム04Y】
pp.26-27「2 春過ぎて夏来にけらし白妙の衣干すてふ天の香具山」の項
「(前略)【出典】新古今集・巻三・夏(一七五)「題しらず 持統天皇御製」とあるのが出典。原歌は万葉集・巻一(二八)「春過ぎて夏来たるらし白妙の衣干したり天のかぐ山(後略)」。

2 この歌を詠んだ歌人は誰か
資料1 『百人一首』
p.26に「持統天皇」との記載があります。
資料2 佐佐木幸綱, 復本一郎 編『三省堂名歌名句辞典』三省堂, 2005【911.1/サン059/R】
p.16「持統天皇 じとうてんのう」の項
「【作者解説】大化元(六四五)~大宝二(七〇二)。第四十一代天皇。天智天皇の第二皇女。天武天皇の皇后。天武天皇の死後政務に携わったが,草壁皇太子が病死したため即位。『万葉集』には六首を残す。」

3 いつ頃の時代に詠まれた作品か
資料3 櫻井満 監修 尾崎富義著『万葉集を知る事典』東京堂出版, 2000【911.12/マン005】
pp.241-272「持統天皇」の項
「(前略)一首はいつの詠作とも知れないが,藤原の宮完成前の数度にわたる新都視察のおりではなかっただろうか。(後略)」
上記「藤原の宮完成」については,資料4に記載がありました。
資料4 児玉幸多 編『日本史年表・地図』吉川弘文館, 1997【210.03/974】
p.6「694 初めて巡察使を置く。藤原京に遷都」,「白鳳時代」と記載されています。

4 どのような意味の歌か
資料5 井上宗雄 武川忠一 編『新編和歌の解釈と鑑賞事典』笠間書院, 1999【911.1/シン999/R】
p.37「持統天皇 じとうてんのう」の項
「春過ぎて夏来(きた)るらし白(しろ)たへ(え)の衣干したり天(あめ)の香具山(かぐやま)。<万葉集・巻一・二八>
〔歌意〕春が過ぎて夏が来たらしい。真っ白な衣が干してある。天の香具山に。
〔鑑賞〕持統天皇が帝都のすぐ近くの天の香具山を望んで,新しい季節の到来を詠んだ歌である。香具山は高さ百メートル余りの低い山であって,山腹に白い衣の干されているのが,すぐにそれと理解できたのであろう。
 この衣はどんな人々の衣なのであろうか。初夏,田植えの時期を迎えて,村の娘たちが早乙女の資格を得るために,山に入って物忌みのお隠(こも)りをしている。その娘たちの斎服なのだとする説が,最も興味深い。早苗を田に植える夏がいよいよ来たという歌であることになる。山の新緑と白い衣と,そしておそらくはその上空に広がる青い初夏の空とが思われる。色彩の鮮やかな対比が,初夏の光や風をさえ連想させる歌で,季節の推移を歌った多くの歌々の中でも,特に古くから名高い歌である。」

資料6 『新編日本古典文学全集 43』小学館, 1995【918/シ1/43】
p.69「新古今和歌集 巻第三夏歌」の項中の175
「題知らず 持統天皇御歌
春過ぎて夏来にけらし白妙の衣干すてふ天の香具山
題知らず 持統天皇御歌
春が過ぎて、もう夏が来たらしい。白い夏衣を干すという天の香具山に。
『万葉集の原歌は、香具山の白い夏衣を目にしての感動に中心があり,印象鮮明で、調べが雄勁。この歌形では、白い夏衣は想像の景、中心が香具山一帯の夏らしい気分に移り、調べは優雅に変わっており、『新古今集』にふさわしくなっている。」

資料7 石井正己『図説百人一首』河出書房新社, 2006【911.14/イマ06X】
pp.009-010「2 春過ぎて夏来にけらし白妙の衣干すてふ天の香具山 持統天皇」の項
「春が過ぎて、もう夏が来てしまったらしい。衣更えのための真っ白な衣が干してあるという、天の香具山の山裾には。
(中略)『万葉集』は「白栲の衣干したり」とあり、作者が藤原京から東方の香具山を望み見た実景として詠むが、『百人一首』では、「白妙の衣干すてふ」と伝聞に変化している。「てふ」は「といふ」のつづまった形であった。この改変によって、臨場感よりも香具山のイメージが優先されたことがわかる。(後略)」
回答プロセス
(Answering process)
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
詩歌  (911 9版)
参考資料
(Reference materials)
キーワード
(Keywords)
和歌
万葉集
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
その他
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000164414解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決