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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000164018
提供館
(Library)
大阪府立中央図書館 (2120005)管理番号
(Control number)
6001005486
事例作成日
(Creation date)
2014/10/10登録日時
(Registration date)
2014年12月05日 00時30分更新日時
(Last update)
2014年12月05日 00時30分
質問
(Question)
公金を指定の振込用紙で振り込む場合には、「手数料が発生しない」というのが定説のようですが、真偽はどうですか。法的根拠はありますか。
回答
(Answer)
公金を指定の振込用紙で振り込む場合に「手数料が発生しない」ことの真偽と法的根拠についてのお問い合わせでしたが、納税者が負担する手数料のことか地方公共団体が負担する手数料(公金収納手数料)のことか判断できませんでしたので、二点に分けて回答させていただきます。

<納税者が負担する手数料>
当館所蔵資料やインターネットで調査をしましたが、「公金を指定の振込用紙で振り込む場合には手数料が発生しない」ことに関する法的根拠は見つけられませんでした。
以下、参考までに手数料の有無が明記されていた自治体HPの情報を記しますのでご確認ください。

「町税の納付」軽井沢町役場(2014/10/9現在)
http://www.town.karuizawa.nagano.jp/kbn/00603100/00603100.html
手数料無料 ・納付書により取扱金融機関等で納付
        ・納付書により指定されたコンビニエンスストアで納付(条件付き)
手数料有料 ・納付書により取扱金融機関以外の金融機関で納付
        ・納付書を使わず金融機関で納付

「市税の納付」東久留米市役所(2014/10/9現在)
http://www.city.higashikurume.lg.jp/kensaku/kurasi/zei/sizeinouhu.html
手数料無料 ・納付書により市が指定する納付場所で納付
        ・納付書により指定されたコンビニエンスストアで納付(条件付き)
        ・市税振込取扱票(赤)によりATM(ゆうちょ銀行、郵便局)で納付
        ・市が指定した金融機関での口座振替で納付
手数料有料 ・振込取扱票(青)によりATM(ゆうちょ銀行、郵便局)で納付
        ・ゆうちょ銀行、郵便局、金融機関などのATMからの振込で納付
        ・コンビニエンスストアATMからの振込で納付
        ・インターネット振込で納付

「市税を納める方法」柏市役所(2014/10/9現在)
http://www.city.kashiwa.lg.jp/soshiki/040300/p004337.html  

手数料無料 ・納付書により市が指定する納付場所で納付
        ・納付書により指定されたコンビニエンスストアで納付(条件付き)
        ・口座振替で納付
手数料有料 ・インターネットを利用したクレジットカードで納付

ご質問にありました「指定の振込用紙」が納付書のことであれば、各地方公共団体が指定する納付場所(指定金融機関やコンビニエンスストアなど)で納付する場合は手数料が無料となっているようです。

インターネットで「市町村税×納付」と検索しヒットした以下の自治体のHPも確認しましたが、納付書による納付で手数料がかかるかどうかに関しては明記されていませんでした。括弧内は手数料に関して明記されていた内容です。

大阪市(インターネットバンキングやATMでの振込に関して手数料無料と明記)
横浜市
札幌市
行橋市
さいたま市
那須塩原市
吹田市
郡上市
仙台市(コンビニエンスストアでの納付に関して手数料無料と明記)
三春町
川崎市(モバイルレジでの納付に関して手数料無料と明記)

<地方自治体が負担する手数料(公金収納手数料)>
すでにご存じだとは思いますが、地方公共団体は、地方自治法第235条(下記参照)に基づき、公金の収納又は支払の事務を取り扱わせる金融機関を指定しています。『逐条地方自治法』(松本 英昭 著 学陽書房 2013.7)によると、「収納又は支払の事務を取り扱わせなければならない」というのは、金庫を置いて出納事務を取り扱わせる場合と異なり、金融機関の業務として取り扱わせなければならないという意であつて、具体的にはもちろん普通地方公共団体と指定された金融機関との間の契約によつて決められることになるものである」(p908)とあることから、業務の具体的内容は、法律ではなく地方公共団体と指定金融機関の間の契約によって決められているようです。

「地方自治法」
(金融機関の指定)
第二百三十五条 都道府県は、政令の定めるところにより、金融機関を指定して、都道府県の公金の収納又は支払の事務を取り扱わせなければならない。
2 市町村は、政令の定めるところにより、金融機関を指定して、市町村の公金の収納又は支払の事務を取り扱わせることができる。(p.907)
『逐条地方自治法』(松本 英昭 著 学陽書房 2013.7)当館請求記号【318.1/128N】貸出可

次に当館所蔵資料やインターネットで、公金収納手数料が無料であることについての記述がある資料を調査しました。

「自治体にとってはたいへん有益な仕組みであり、公金の取り扱いを任せるだけでなく、公金収納の事務費負担の免除や、指定金融機関を経由する振込みでは振込手数料の減免などがされてきた」(p.63)
『市場と向き合う地方債』(小西砂千夫 編著 有斐閣 2011)【349.7/24N/】貸出可

「指定金融機関になれば、県民が納める税金の振込指定銀行になったり、自治体職員の給与振込み指定口座を獲得出来たりと様々なメリットが得られる。このため、地方銀行も、短期の無利子貸出金の供与、収納・支払い事務手数料の無料化など極力優遇し、地域のナンバーワン銀行として地方公共団体取引を引き受け、かつ利益を享受してきた」(p210)
『最強という名の地方銀行』(高橋克英 著 中央経済社 2007)【338.6/446N】中之島 貸出可

「指定金融機関の取扱上の経費はすべて銀行側の負担とされていることが一般的であり、無料で公金の収納や支払いの事務が行われていることが多かった」(p49)
「地方自治体と指定金融機関の関係の変容」(熊本伸介『同志社政策科学研究』12(1)、47-60、2010.9)当館所蔵なし
http://doors.doshisha.ac.jp/webopac/ctlsrh.do?bibid=TB12391191&displaylang=en  
全文閲覧可です。上記リンク先で、[show body]という箇所をクリックしてください。(2014/10/9現在)

「地公体のメインバンクである指定金融機関に指定された地域金融機関は、他の顧客には無い、手数料無料の収納や支払、全額金融機関側のコスト負担での派出などの特典を提供してきた」(p512)
(「地域金融機関と地方公共団体―指定金融機関業務の変化―」丹波由夏『農林金融』(58)9、511-523、2005.9)当館所蔵なし
https://www.nochuri.co.jp/report/list.html?From=from_index&f_first_realm=0&f_first_realm_detail=0&f_media=0&f_author_in_out_kubun=0&term=0&f_keywords=%E5%9C%B0%E5%9F%9F%E9%87%91%E8%9E%8D%E6%A9%9F%E9%96%A2%E3%81%A8%E5%9C%B0%E6%96%B9%E5%85%AC%E5%85%B1%E5%9B%A3%E4%BD%93  
全文閲覧可です。上記リンク先でご覧ください。(2014/10/9現在)

「指定金融機関の事務取扱上の経費はすべて銀行側の負担とされていることが一般的であり、無料で公金の収納又は支払の事務を行っているケースが多い」(p130)
(「指定金融機関の今後について」山本一吉『郵政研究所月報』16(2)、129-133、2003.2)当館所蔵なし
https://www.yu-cho-f.jp/research/old/pri/reserch/monthly/m-all/index.html
全文閲覧可です。上記リンク先で、No.173 2003年2月のPDFをクリックしていただき、p129以降をご覧ください。(2014/10/9現在)

また、当館で契約している新聞記事のデータベース(日経テレコン)を検索すると、公金収納手数料をめぐる金融機関と地方自治体についての記事がヒットしました。そのうちいくつかをご紹介します。

「公金収納手数料 市町村でも下げ ゆうちょ銀、無料も検討」
2008年1月15日 日経金融新聞 3面 当館所蔵なし
ゆうちょ銀行が都道府県からの要望を受け、2008年度から地方自治体から受け取る公金収納手数料を引き下げる、という記事です。「旧日本郵政公社は、収納額の〇・一%に二〇円を加えた額を受け取ってきた」「都道府県や全国地方銀行協会などの引き下げ要望が相次ぎ」とあります。

「県内地銀 自治体取引を見直し 収納事務など有料化希望」
2004年2月5日 日本経済新聞地方経済面 22面 当館所蔵なし
新潟県内の地方銀行が、指定金融機関として原則無料としている公金収納事務などの手数料を有料にするよう市町村などに要望する、という記事です。

「自治体の収納代行 有料に」
2002年8月18日 日本経済新聞朝刊 1面 当館所蔵あり
指定金融機関として公金受け払いを代行している地方銀行や第二地方銀行が、公共料金引き落とし手数料などの引き上げや収納代行業務の有料化を検討し始めた、という記事です。

「地銀、自治体取引を見直し」
2000年11月21日 日本経済新聞朝刊 7面 当館所蔵あり
全国にある地方銀行の6割に相当する40行が、自治体に対して手数料を無料にしたり、収納事務のために行員を派遣するいったサービスを撤廃、縮小する方向で交渉に入っている、という記事です。「滋賀銀行は指定金融機関を務める滋賀県や大津市、彦根市など四十三の自治体すべてと契約書を改定」「税金の振替手数料を郵便局と同じ水準の一件あたり十円に引き上げる」とあります。(郵政民営化前です)

「自治体向け取引に手数料」
2000年6月15日 日本経済新聞朝刊 7面 当館所蔵あり
全国地方銀行協会が、地方自治体との取引の採算を改善するため、税金収納などの事務手数料の徴収などが必要だとの意見書を取りまとめた、という記事です。

以上の資料によると、公金収納手数料は地方公共団体と指定金融機関の間での契約上無料とされていることが多かったが、指定金融機関側は近年有料化の動きを見せているようです。

[事例作成日:2014年10月10日]
回答プロセス
(Answering process)
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
地方自治.地方行政  (318 8版)
金融.銀行.信託  (338 8版)
参考資料
(Reference materials)
逐条地方自治法 松本/英昭∥著 学陽書房 (907,908)
市場と向き合う地方債 小西/砂千夫∥編著 有斐閣 (63)
最強という名の地方銀行 高橋/克英∥著 中央経済社 (210)
日本経済新聞 日本経済新聞大阪本社 2002(平成14)年8月下 (1)
日本経済新聞 日本経済新聞大阪本社 2000(平成12)年11月下 (7)
日本経済新聞 日本経済新聞大阪本社 2000(平成12)年6月上 (7)
キーワード
(Keywords)
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
法律
質問者区分
(Category of questioner)
個人
登録番号
(Registration number)
1000164018解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決