レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014年02月14日
- 登録日時
- 2014/11/27 15:52
- 更新日時
- 2015/01/08 13:08
- 管理番号
- 埼熊-2014-079
- 質問
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解決
NHKのテレビ番組「永平寺」(1977年初放送)の中で行われた禅問答の中で、「佛性」について修行僧の問いに老師が答えた「衆生と佛性と、同事同参」の漢字表記と意味が知りたい。(漢字表記は質問者の推定)
- 回答
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該当する問答はなかったが、以下の資料で表記、意味等を確認した。「佛性」は「仏性」とも表記されている。
『禅学大辞典』(禅学大辞典編纂所編 大修館書店 1985)
p506「衆生」の項に「「生存するもの」の意。生命を有するものの総称。世間・出世間のすべての生き物の有情(情・識を有するもの)をいい、出世間のそれは聖者で、世間のそれは凡夫であるとされるが、多くは凡夫のみを衆生とし、佛・菩薩・縁覚・羅漢等の聖者と区別される。(後略)」とあり。
p1086-1087「仏性」の項に「仏陀の本性の意。〔正法眼蔵〕(95巻)中の第22巻」とあり。
p924「同事」の項に「①四摂法の一。(後略)②ともに事をなすこと、またその人。」(出典:①眼蔵、四摂法 ②永平典座教訓)とあり。
p923「同参」の項に「一師家の下にあって、ともに学び、修行するもの。同学。」(出典:碧厳録二)とあり。
『禅の思想辞典』(田上太秀編著 東京書籍 2008)
p266「衆生」の項に、意識的知的存在物を「有情(うじょう)」といい、「その有情の別名」とあり。「仏教における済度(さいど)の対象となる有情のこと。直接的には人間を指す」とあり。
p424「仏性」の項に、「文字通りには語意は仏の本性、仏の性質であるが、解釈すると仏になる可能性という意味である。」とあり。
『正法眼蔵用語辞典』(中村宗一著 誠信書房 1975)
p178「衆生」の項に、「一切生物の意。(中略)また、仏に対して迷界の生物の一切を衆生という。」「道元禅師は諸法を一切衆生の意に用いている。有情非情の一切を衆生としている。」とあり。
p362「佛性」の項に、「如来在住の心性。(中略)禅門においては(中略)衆生即仏性、衆生と仏性は一如とす。」とあり。
- 回答プロセス
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禅宗や禅語の参考図書を確認した。
『禅学大辞典』
p506「衆生」、p1086-1087「仏性」、p924「同事」、p923「同参」の記述あり。
『禅の思想辞典』
p266「衆生」、p424「仏性」の記述あり。「同事」「同参」なし。
『正法眼蔵用語辞典』
p178「衆生」、p362「佛性」あり。
「同事同参」の項なし。
その他、以下の辞典にも記述があった。
『新釈禅林用語辞典 平仄付』(飯田利行著 柏美術出版 1994)
『禅宗小事典』(石川力山編著 法蔵館 1999)
『禅宗辞典』(山田孝道著 国書刊行会 1974)
- 事前調査事項
- NDC
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- 各宗 (188 9版)
- 参考資料
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- 『禅学大辞典』(禅学大辞典編纂所編 大修館書店 1985) , ISBN 4-469-09108-1
- 『禅の思想辞典』(田上太秀編著 東京書籍 2008) , ISBN 978-4-487-73334-7
- 『正法眼蔵用語辞典』(中村宗一著 誠信書房 1975)
- キーワード
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- 公案 (禅宗)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000163685