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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000161877
提供館
(Library)
京都市図書館 (2210023)管理番号
(Control number)
右中-郷土-75
事例作成日
(Creation date)
2014年11月07日登録日時
(Registration date)
2014年11月07日 13時48分更新日時
(Last update)
2014年11月19日 15時04分
質問
(Question)
化野念仏寺(あだしのねんぶつじ)の石仏・石塔について知りたい。
回答
(Answer)
化野念仏寺は,京都市右京区嵯峨鳥居本に位置する浄土宗の寺です。境内に集められている数多くの石仏・石塔は,かつて化野一帯に葬られた人々のお墓です。

化野は,平安時代から東の鳥辺野(とりべの),北の蓮台野(れんだいの)に対して,西に位置する風葬の地として知られていました。供養もされず,野ざらしにされた無数の死者の菩提を弔うために,空海が五智山如来寺(ごちさんにょらいじ)を建立したのがはじまりです。当時一般庶民は墓石を建てる習慣がなかったのですが,平安時代後期になると埋葬地に変わり,30~40cmの石仏や石塔を造って冥福を祈願するようになりました。石仏の大きさが小さく,彫技も巧みでないのは,庶民作であることを示し(【資料4】),また被葬者の亡くなった年号や,供養する縁者等の名前は記していませんでした(【資料6】)。
鎌倉時代になって,法然が念仏道場を開き,化野念仏寺と呼ばれるようになりました。その後,寺は一時住職不在で荒廃し,並べられていた石仏・石塔が風化とともに散乱,埋没して衰えていきました。
明治36,7年頃,宗教奉仕団体福田海(ふくでんかい)の中山通幽(なかやまつうゆう)等が,埋没していた約8000体もの無縁仏を掘り出し整列させました。時代は平安中期から,鎌倉,室町,江戸時代に及ぶ石仏で,十三重石塔と石造の釈迦座像を中心に,数多くの無縁仏が整然と安置され,周囲には石垣の上に五輪石塔が並べられています。これらの石仏群は現在「賽[または西院](さい)の河原」と呼ばれ,大小さまざまな形の石仏が肩を寄せ合うように並んでおり,お釈迦さまが説法をしている様子にならって配置されました。

現在では,毎年8月23日と24日の夕刻より,無縁仏にローソクを灯して霊を慰める千灯供養が行われます。
回答プロセス
(Answering process)
●化野念仏寺に関する資料より・・・【資料1】
  賽(西院)の河原は,子供が一つ二つと石を積み上げた河原の様子を思わせることに由来する。

●石仏に関する資料より・・・【資料2】~【資料4】
  【資料3】・・・縁仏の霊を慰める千灯供養のカラー写真掲載。
  【資料4】・・・境内の無縁仏の他には拝観受付所の手前に二体の石仏がある。鎌倉末期頃の作品と思われ,向かって左側が釈迦座像,右は阿弥陀座像である。

●京都の地誌より・・・【資料5】~【資料8】
  【資料8】・・・“空海は弟子たちに深さ3メートル,300メートル四方の大きな穴を掘らせ,その中に数千体の石仏を密教の教え通りに並べ,その上に死体を並べて供養した”ということから,中には始めから地中に埋められた石仏もあったようだ。

●京都の寺院に関する資料より・・・【資料9】【資料10】
 
●Google books( http://books.google.co.jp/ )で“福田海”や“中山通幽”をキーワードに検索する・・・【資料11】【資料12】
  【資料11】・・・“明治の末岡山の仁,福田海主中山通幽師その数七千八百五十余体を蒐集し,豊財園に於ける釈尊宝塔説法の有様に擬して整列配祀し・・・”と明記。
  【資料12】・・・“明治三〇年代には,福田海(善行を積む運動)を説く慈善宗教者団体の活動が京都においても展開され,嵯峨化野一帯の地に埋もれた石仏像が念仏寺に集められ,無数の石塔が並ぶいまの姿ができあがった。”と明記。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
寺院.僧職  (185 9版)
日本  (291 9版)
仏像  (718 9版)
参考資料
(Reference materials)
【資料1】『愚沙 あだし野念仏寺寺誌』 (あだし野念仏寺 1978)
【資料2】『京都の石仏』 (清水 俊明/[著] 創元社 1977) p177~179 “念仏寺石仏群”
【資料3】『京の野仏』 (水野 克比古/著 光村推古書院 2010) p64~65
【資料4】『京の石仏』 (佐野 精一/[著] サンブライト出版 1978) p157~159 “化野念仏寺の石仏”
【資料5】『嵯峨野 その歴史と詩情』 (出雲路 敬和/[ほか]著 豊書房 1964) p52~53
【資料6】『京都の歴史を足元からさぐる 嵯峨・嵐山・花園・松尾の巻』 (森 浩一/著 学生社 2009) p202~204
【資料7】『昭和京都名所図会 4 洛西』 (竹村 俊則/著 駸々堂出版 1983) p322~324 “化野念仏寺,賽の河原,千灯供養”
【資料8】『あなたの知らない京都・異界完全ガイド』 (平川 陽一/編著 洋泉社 2012) p134~137
【資料9】『京都の古寺 2 洛西・洛北・洛南・宇治』 (JTBパブリッシング 2007) p46
【資料10】『探訪日本の古寺 9 京都』 (小学館 1981) p110
【資料11】『石塔の民俗』 (土井 卓治/著 岩崎美術社 1982) p187
【資料12】『京都の仏教史』 (千里文化財団/編 平河出版社 1992) p261
キーワード
(Keywords)
化野念仏寺
石仏
石塔
嵯峨野
福田海
中山通幽
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介
内容種別
(Type of subject)
郷土
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000161877解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決