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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000154785
提供館
(Library)
岡山県立図書館 (2110029)管理番号
(Control number)
M13120717166196
事例作成日
(Creation date)
2013/05/17登録日時
(Registration date)
2014年06月21日 00時30分更新日時
(Last update)
2018年03月25日 00時30分
質問
(Question)
「鞍下牛」について知りたい。
回答
(Answer)
・資料①『岡山県大百科事典 上』の「くらしたうし 鞍下牛」には、「季節的に移動する貸借役牛(牡)。吉備高原から中国山地盆地部,山陰,山陽の平野へ多数田植え作業用役牛として貸し出され,その最盛期は1900~1925(明治33~大正14)の間であった。」とある。

・資料②『岡山民俗事典』には、「くらしたうじ」とあり、「中国山地方面から南部低地の農家に貸出す預け牛をいう。反対に南部低地の農家から預かる牛の場合にもいうことがある。」とある。

・資料③『岡山県史 第15巻』には、「牛飼育の少ない地帯や、所有しない家もあって「鞍下牛」とか「預け牛」慣行があった。季節的働き牛である。鞍下牛というのは、多頭飼育地帯で田植えを早くすませる中国山地などの農家が、田植えのおそい、しかも、牛の少ない南部の平野地帯や津山盆地・久世盆地・鳥取平野・伯耆の平野などの農家に牛を貸して、田植え準備の牛耕をさせた。津山盆地がすむと、さらに、鳥取平野へ出すというのもあった。鞍下牛は雄牛であった。」とある。(同様に資料④『岡山の民俗』にもあり)

・資料⑤『岡山県史 第1巻』では、『本郷村誌』(資料⑥)を元に、牛頭数の変遷が紹介され、「明治以後、飼育目的が自己耕作地の農耕専門だけでなく、鞍下牛として貸し出すために頭数が増加したが、昭和十年代からは鞍下牛が減少に向かい、雄牛が減少した。阿哲郡南部の吉備高原は、鞍下牛供給地帯であり、鞍下牛の貸付料で生計を立てていたのである。」とある。また、鞍下牛の賃貸契約には、直接契約と鞍下牛周旋業者(鞍下博労)をとおすものがあることが紹介されている。

・資料⑥『本郷村誌』では「牛馬飼育目的による分類」に、「飼育目的が農耕専門から運搬用又は駄賃牛(くら下牛をも加えて)も漸次増加して農家の増収をはかったが、明治末期から大正にかけて本郷村くら下牛は、県南はもとより山陰伯耆方面へも相当進出していたが、昭和初期に入って漸次下り、昭和二十年以後は殆どなく、却つて他村より貸る状態となった。従って蕃殖或は育成肥育のものが極めて多くなった。」とある。

・資料⑦『落合町史 民俗編』には、貸与賃金等について、「上山や田原山上では、バクロウの世話で、四月から六月ごろ、鳥取県方面の田植え作業に貸出し、昭和初期で五円前後の貸料をもらっていた。」と記載がある。

・資料⑧『勝田郡誌』には、「昔から鳥取県には無畜農家が多く、そのため春秋二期の耕作時には、岡山、広島方面から「鞍下牛」を借りうけ、一定額の賃金を支払ってこれを使用した。鳥取県ではこの時期には、随所に牛市を開いて、この牛の貸与賃金を定めていた。この風習は終戦頃まで続いた。」とある。

・資料⑨『奈義町滝本の民俗』には、「田植えの遅い因幡地方の博労と組んで、こちらの牛をまとめて貸し出す、鞍下牛もあった。借りた農家は、牛を力いっぱい働かせて次の農家へまわしたりするので、牛はやせ衰えて、米二俵分の鞍下料を稼いだという。」とある。

・資料⑩『美作の民俗』には、「クライタウジというのは低地の村にアズケル牛であるが,また低地からヤトッテくる牛のこともそう呼んだ。これらの貸借には金銭を支出せず,単に飼料を与えてかわりにコエをふませるだけであった。美甘村でも本村の方では児島郡あたりから鞍下牛をたのみ,かわりにバクロウに金を渡していたが,これも仲介と移動の費用であって,相手の農家にわたすものではなかった。」とある。
回答プロセス
(Answering process)
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
畜産業  (640 9版)
参考資料
(Reference materials)
①岡山県大百科事典編集委員会編『岡山県大百科事典 上』岡山 山陽新聞社,1980,1493p. 参照はp.872.
②岡山民俗学会編『岡山民俗事典』 日本文教出版,1975,424p. 参照はp.122.
③岡山県史編纂委員会編『岡山県史 第15巻』岡山 岡山県,1983,668p. 参照はp.147.
④土井 卓治ほか『岡山の民俗』 日本文教出版,1981,205p. 参照はp.122.
⑤岡山県史編纂委員会編『岡山県史 第1巻』岡山 岡山県,1983,741,20p. 参照はp.488.
⑥本郷村誌編集委員会編『本郷村誌』本郷村(阿哲郡) 本郷村役場,1954,6,508p. 参照はp.407.
⑦岡山県落合町教育委員会内落合町史編纂委員会編『落合町史 民俗編』落合町(岡山県) 落合町,1980,1208,35p. 参照はp.287.
⑧国政 寛編『勝田郡誌』勝間田村(岡山県) 勝田郡誌刊行会,1958,734p. 参照はp.410.
⑨奈義町滝本の民俗編集委員会編『奈義町滝本の民俗』岡山 岡山民俗学会,2011,290p. 参照はp.68.
⑩和歌森 太郎編『美作の民俗』 吉川弘文館,1974,7,490p. 参照はp.62-63.
キーワード
(Keywords)
鞍下牛
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
M2013120717181466196
調査種別
(Type of search)
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
全年齢
登録番号
(Registration number)
1000154785解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
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