レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013/03/11
- 登録日時
- 2014/04/12 00:30
- 更新日時
- 2014/04/19 13:16
- 管理番号
- 6001001720
- 質問
-
未解決
江戸中期の刊「誹諧」大黒柱五著に「本職の蕎麦屋では(麺棒が)大、中、小の三本あり、適当に使い分ける。長さも四尺物、五尺物、六尺物などがある」とあるそうですが、このあたりのさらに詳しい記述内容を教えてほしい。
- 回答
-
(【 】内は図書の請求記号です。)
ご依頼の資料について調べましたが、資料自体を、どうしても見つけることができませんでした。
江戸中期の刊「俳諧」大黒柱五著 について、「日本古典籍総合目録」で、「俳諧」「大黒柱五」の言葉で検索しましたが、見つかりませんでした。
「正徳三」で検索した中に、『俳諧大黒柱』巻懐堂主人編 という資料がありました。早大と天理図書館綿屋文庫に版本があり、〔複〕未刊雑俳資料一八期となっています。当館では未所蔵です。国立国会図書館に『未刊雑俳資料一八期』は所蔵されています。デジタル化資料にもなっていますが、当館の利用者登録をされておられる方であれば、ご来館の上、当館内で閲覧・複写していただくことも可能です。
引用されていればと、蕎麦についての関連資料をみましたが、見つけられませんでした。
以下、調査しました資料名の一部をあげておきます。
『そばの歴史を旅する』鈴木啓之著 柴田書店 2005年 【383.8/585N】(中央図書館所蔵)
『蕎麦考』白路洲編纂 森谷書房 1927 【593/50】
『蕎麦志』初編 植田武則編 1895 【828/4】
『蕎麦史考』新島繁著 錦正社 1975 【383.8/11】(中央図書館所蔵)
『蕎麦年代記』新島繁著 柴田書店 平成14年 【383.8/425N】
『近世蕎麦随筆集成』新島繁編著 秋山書店 平成8年 【383.8/215N】
『蕎麦今昔集』新島繁編 錦正社 昭和46年 【577/351】(中央図書館所蔵)
『蕎麦全書』(食の風俗民俗名著集成4)新島繁校注 東京書房社 昭和60年 【383.8/180】
他に調べた資料のなかで、「麺棒」について、言及した資料名。
『高橋邦弘の蕎麦大全』高橋邦弘著 日本放送出版協会 2004年 【596.3/323N】
p.28~29
「現代でも、地方によっては1本の麺棒でそばを打つが、周知の通り、江戸流の技術を受け継ぐそば打ちでは、2本の巻棒と1本の延し棒を使う。麺棒を3本使うのは、生地を長く大きく、しかも均等な幅と厚さとに延すためだ。麺棒の長さは通常、巻き棒が約120㎝、延し棒が約90㎝、太さはいずれも30mmが標準とされるが・・・」
『そばの基本技術』(そば・うどん技術教本第一巻)柴田書店 昭和60年 【593/1925】
p.51
「江戸流に使用される三本の打ち棒は、巻き棒(一二〇㎝)が二本と、打ち棒(九十㎝)が一本で、太さは通常三㎝どまりである。
『蕎麦辞典 改訂新版』植原路郎著 中村綾子改訂編 東京堂出版 平成14年 【596.3/248N】
p.244
「江戸の三本は、延し棒(九十センチ、直径三センチ)に一本、他の二本は巻き棒(一二〇センチ、直径二.四センチ)として使う。木の種類は桧、樫、朴の木など。麺棒の最大は約六尺(一.八メートル)とされているが、あまり長いものは使いにくいので、九十センチ位のものが多い。」
『蕎麦の世界』新島茂 薩摩夘一共編 柴田書店 昭和60年 【577/1169】(中央図書館所蔵)
p.216~217
「江戸においては、主として桧の柾目を材質とし、長さ約一二〇センチの巻き棒二本に、約九十センチの打ち棒一本の三本組が江戸前とされる。今日では巻き棒も約九十センチと短く仕事も小さくなった。」
『俳諧蕎麦ばなし そばの俳句でそばを読む』浪川寛治著 グラフ社 2002年 【596.3/271N】(中央図書館所蔵)
p.139
江戸時代のそば職人は一本ののし棒と二本の巻き棒という一式三本セットを麺棒の基本としました。それまでは「のし」も「巻き」も一本の麺棒ですませるのが普通だったのです。・・・のし棒と巻き棒の太さは、九分丸といって、直径が約二.七センチあります。長さはのし棒が二尺六寸(約七十九センチ)、巻き棒が三尺四寸(約百三センチ)というのが標準です。なぜこのような数位が出てきたかといいますと、これは木材の売買単位と関係があります。木材は「才」といって、一寸(約三.〇三センチ)角×一間(約一.八二メートル)が売買の単位になっています。この長さの木材を半分に切ったとして、三尺(約九十一センチ)の棒が二本取れます。巻き棒をのし棒より四寸(約十二センチ)ほど長くしたのは、のし台の奥行を三尺とかんがえてのこと。四寸長くすることによって、のされたそばの生地が十分に巻き取れるわけです。六尺の木材から三尺四寸を取ればのこるのは二尺六寸。これがのし棒の長さになります。太さの九分丸は、一寸角の木材を木取り、次に丸鉋をかけて丸く仕上げますが、ここから生まれる太さが九分というわけです。」
『蕎麦百景』浪川寛治著 三一書房 1998年 【596.3/151N】
p156~157
「現在のそば打ちの技術は、江戸時代中期に江戸のそば職人によって完成されたといわれています。こねた玉をいかに正確に均等に薄くのすか。そのことに意を注いだ結果うまれたのが、三本の麺棒を使うのしの技術です。三本の麺棒のうち、一本はのすためののし棒、あとの二本は広くのされたそばを巻き取るための巻き棒です。」
長さになります。太さの九分丸は、一寸角の木材を木取り、次に丸鉋をかけて丸く仕上げますが、ここから生まれる太さが九分というわけです。」
『蕎麦百景』浪川寛治著 三一書房 1998年 【596.3/151N】
p156~157
「現在のそば打ちの技術は、江戸時代中期に江戸のそば職人によって完成されたといわれています。こねた玉をいかに正確に均等に薄くのすか。そのことに意を注いだ結果うまれたのが、三本の麺棒を使うのしの技術です。三本の麺棒のうち、一本はのすためののし棒、あとの二本は広くのされたそばを巻き取るための巻き棒です。」
[事例作成日:平成26年3月27日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
-
- 俳書叢刊 1~9
- 天理図書館綿屋文庫俳書集成 1~36
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- その他
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000152076