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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000151707
提供館
(Library)
近畿大学中央図書館 (3310037)管理番号
(Control number)
20140401-1
事例作成日
(Creation date)
2014年04月01日登録日時
(Registration date)
2014年04月01日 13時36分更新日時
(Last update)
2014年04月02日 15時46分
質問
(Question)
「巨人の肩の上に立つ」という言葉のいわれを知りたい。
回答
(Answer)
 一般にはアイザック・ニュートンが、論敵のロバート・フックに宛てた書簡の中でこの喩えを用いたこともあり、彼のオリジナルな言葉として誤解されていることが多い(資料1~3)。しかし、遡って中世の人文主義者ソールズベリのジョン(Jhon of Salisbury 1115(?)〜1180)が自著『メタロギコン』の中で、12世紀のシャルトル学派の総帥ベルナール(Bernard de Chartres ?-1130)の言葉を孫引きして、ラテン語で以下のように述懐しているのが記録上の原典とされる(資料4)。この秀逸なメタファーに関する論考と学芸論については資料5の「中世の春」第1章〈巨人の肩の上に乗る矮人〉に詳しい解説がなされている。また章末には資料6の科学社会学の創始者 R.K.マートンの著作も参考文献案内として示されている。

・・・・・引用ここから
 “シャルトルのベルナルドゥスはわれわれをよく巨人の肩の上に乗っている矮人(わいじん)に準えたものであった。われわれは彼らよりも、より多く、より遠くまで見ることができる。しかし、それはわれわれの視力が鋭いからでもなく、あるいは、われわれの背丈が高いからでもなく、われわれが巨人の身体で上に高く持ち上げられているからだ、とベルナルドゥスは指摘していた。私もまったくその通りだと思う。” (『Metalogicon』, Ⅲ, 4)
・・・・・引用おわり
[出典:資料5「中世の春」の p.14]

 その意味するところは、偉大な先人たちの業績や先行研究などを巨人に喩えて、現在の学術研究の新たな知見や視座、学問の進展といったものもそれらの積み重ねの上に構築され、新しい知の地平線が開かれることを端的に示した言葉とされる。Google Scholarのトップページにはこの「巨人の肩の上に立つ」(Stand on the shoulders of giants)の標語が掲げられている。
Google Scholar
Google Scholar
グーグル・スカラーのトップページには「巨人の肩の上に立つ」という標語が掲げられている。
回答プロセス
(Answering process)
◆ 資料2の第11章「巨人の肩に乗って」の p.222 にはニュートンがフックに宛てた書簡の一節を以下のように紹介している。

 “デカルトの成したことは、よき一歩でした。あなたはいくつかの方法で、特に薄膜の色を哲学的な考察の対象とした点で、多くをつけ加えました。もし私がさらに遠くを見ることができたとするならば、それは巨人たちの肩の上に乗ったからです。” (Newton Correspondence, 1, p.416.)

◆ 資料3の p.11 に付されている注記や章末の参考文献のリストから、芋づる式に文献を辿って該当事項を確認していく。

◆ Googleなどの検索エンジンを使って、“巨人の肩の上”で検索する。
 ⇒ 資料7,8などの関連するウェブページが見つかる。


〔参考 Wikipedia:巨人の肩の上〕
http://bit.ly/1rIf9nn  last_access:2014-03-28)
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
科学理論.科学哲学  (401 9版)
文章.文体.作文  (816 9版)
参考資料
(Reference materials)
【資料1】.科学技術振興機構(JST)編.参考文献の役割と書き方:科学技術情報流通技術基準(SIST)の活用.2011,24p.
(【PDF】 http://sti.jst.go.jp/sist/pdf/SIST_booklet2011.pdf  last_access:2014-03-28)
【資料2】.中島秀人 著. ロバート・フック ニュートンに消された男. 朝日新聞社, 1996. (朝日選書 ; 565)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002557100-00 , ISBN 4022596651 (本学所蔵 289.3//N34)
【資料3】.林紘一郎, 名和小太郎 著. 引用する極意引用される極意. 勁草書房, 2009.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000010110824-00 , ISBN 9784326000333 (本学所蔵 816.5//H48)
【資料4】.坂本賢三 著. 科学思想史. 岩波書店, 2008. (岩波全書セレクション)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009295047-00 , ISBN 9784000218979 (本学所蔵 本学所蔵 401//Sa32)
【資料5】.柴田平三郎 著. 中世の春 : ソールズベリのジョンの思想世界. 慶應義塾大学出版会, 2002.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000003656422-00 , ISBN 4766409035 (本学所蔵 132.23//Sh18)
【資料6】.Merton, Robert King.On the sholders of Giants:a Shandean postscript.Harcourt Brace & World, c1965,289p.
http://ci.nii.ac.jp/ncid/BA70878079  (本学所蔵 370//M//2)
【資料7】.大向一輝.“第2回:巨人の肩の上に立つ”.「ボーン・デジタルの情報学」.artscape.2009-10-15.
http://artscape.jp/study/born-digital/1209428_2772.html  last_access:2014-04-02)
【資料8】.古賀稔章.“第3回「自然という書物(前編)」”.「未来の書物の歴史」.DOTPLACE.2013-11-08.
http://dotplace.jp/archives/5642  last_access:2014-04-02)
キーワード
(Keywords)
アイザック・ニュートン(Newton, Sir Isaac)
ロバート・フック(Hooke, Robert)
ベルナール(Bernard of Chartres)
ソールズベリのジョン(Jhon of Salisbury)
巨人の肩の上(Standing on the shoulders of giants)
エピソード
逸話
比喩
メタファー
参考文献
引用の作法
論文作法
科学社会学
科学史
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
○ 更新の履歴
・2014-04-01に登録の内容に、Googleでの検索結果を2014-04-02に追記しました。
調査種別
(Type of search)
文献紹介 事実調査
内容種別
(Type of subject)
言葉
質問者区分
(Category of questioner)
図書館
登録番号
(Registration number)
1000151707解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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